(22.8.4) 千葉市財政健全化プランの是非 財政は健全化できるか?

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(マッスルさん撮影、山崎編集)

 千葉市では出前口座と言うものを実施しており、このたび市民ネット福谷さんが声をかけて鎌取コミュニティーセンターで「千葉市財政健全化プラン」の講義を財政課の岸本さんから受けた。

 千葉市の財政が危機的状況にあることは前から知ってはいたものの、通常の生活をしている限りそうした危機意識はない。
いつものようにゴミの清掃車は時間通り来るし、四季の道の草刈も定期的に行われている。
道路も必要に応じて補修されており、下水道の整備も進んでいる。

 私が唯一市の財政が厳しいと実感するのは公園のベンチで、ベンチが朽ち果てているが補修がされていない。已む無く私がペンキを塗って何とか持たせようとしているが、その時は「市の財政は厳しいんだな」としみじみ思う。

 なぜ市の財政が危機的なのに、市民がそれを実感しないかと言えば、市が市債を発行したり、貯金基金と言う)の取り崩しをして、つじつまを合わせているからで、これは国の予算の半分以上が国債発行でまかなわれているのとまったく同じだ。

 しかしこの市債発行による資金調達については財政健全化法による縛りが平成19年からかかることになった。この法律が施行された趣旨は夕張市のように破産してしまう地方公共団体が急に出ては困るので、事前に破産しそうな地方公共団体をチェックしようと言うもので、4つの指標のうち一つでも抵触すると、財政健全化(が必要な)団体に指定され、健全化プランの策定が必要になる。

注)千葉市は財政健全化団体に指定されているわけではないが、その可能性が高いため自主的に健全化プランを策定している。

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(マッスルさん撮影、山崎編集)

 千葉市は市債の発行を国と同様おおらかに実施してきたため、4つの指標のうち、実質公債費比率借金返済額が収入の何%にあたるか示す指数。これが25%を越えると財政健全化団体に指定される)、および将来負担比率(将来的に負担する可能性のある借金の総額が収入の何%にあたるか示す指標。これが400%を越えると財政健全化団体に指定される)が健全化指標に抵触しそうになってきたからである。

注)実質公債比率は20年度20.1%で17政令指定都市の中で16番目に悪い数字。将来負担比率は309.6%で同じく政令指定都市の中で17番目に悪い数字。はっきり言えば政令指定都市の中では最悪な財政状況

 日本では国レベルでも地方公共団体レベルでも、かつてはおおらかに借金ができたが、それは金融緩和策による金余り現象で金融機関から見ると他に適切な融資先がなかったからである。
まず市町村が倒産することはないだろう」そう思われていた。

 しかしながら夕張市のように人口が激減して税収も激減している市町村は、さすがに金融機関も市債等の引受に躊躇するようになり、そうした市町村から倒産が始まっている。

 千葉市は前市長のころから財政健全化プランを策定して、市債の発行にストップをかけてきたが、本気になって千葉市の財政を健全化しようとしたのは現市長の熊谷氏がはじめてである。

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(マッスルさん撮影、山崎編集)

 熊谷市長がリーダーシップをとって、平成22年から25年までの「千葉市財政健全化プラン」を策定した。
今回その内容を財政課の岸本さんから説明を受けたが、正直な感想は「熊谷市長が本気で取り組んでいるのは分かるが、達成は難しそうだ」と言うものだ。

 私が何より難しそうだと感じたのは、市税徴収率20年度、92%)や国民保険料徴収率(20年度、71%)、住宅使用料徴収率(20年度77%)等がとても低く、引き上げの努力はしているものの、なかなか上昇していないことにある。
なんで、こんなに徴収率が低いのですか?」質問してみた。
私にもよく分からないのです」岸本さんの返事だ。

 千葉市は本来入ってくるべき収入が一種の脱税行為で十分入ってこず、一方支出は確実に支出されるため、不足分は必然的に公債発行基金の取り崩しで対処せざる得ない。

 私は日本政府や地方自治体ほど国民に優しい組織は世界広しといえどないのではないかと思っている。
国民や市民の要求を目一杯に聞いており、一方で税金はあげられず脱税行為は横行し、仕方なしに借金をしてでもその要望を聞いてきた。
今までは金融機関からいくらでも借金を重ねることができたが、しかしそれも終わりだ。
地方公共団体については財政健全化法の縛りができたからである。

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(マッスルさん撮影、山崎編集)

 今、千葉市にとって必要なことは、市税国民健康保険保育料等当然徴収するべきものは公権力を使用して徴収し、一方扶助費高齢者福祉、生活保護対策)は収入の範囲内に抑えるようにして、借金をしてでも実施するような安易な社会福祉対策をやめることにある。

 熊谷市長の「千葉市財政健全化プラン」は相応に意慾的だが、「社会福祉を削っているわけではない」と言っているように微温的であり、本当の厳しさが足らない。
自治体も会社もつぶれてしまえば根本的なリストラが必要になるのだから、その前にそうならないような対応が必要なのはどこも同じだ。
千葉市は倒産前夜にある。市民へのサービスは相応に削る」そうはっきり言って実施すべきで、そうでなければ財政健全化プランの達成は難しいだろう。

注)JALが倒産した後を見ても分かるように従業員の首切り、賃金カット、福祉政策の見直し、設備投資のカット等が再生のための条件になる。

 

 

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(21.9.7) 千葉市炎上 PART Ⅱ 市議会議長逮捕

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 千葉市
が再び炎上している。前回は千葉前市長鶴岡啓一氏が、市道の拡張工事に伴う入札の便宜で、警視庁に逮捕されたのだが、今回は市議会議長小梛(おなぎ)輝信氏恐喝未遂の疑いで千葉県警に逮捕されてしまった。

 恐喝未遂の内容は、JR稲毛駅前で建設中の7階建てのビル工事にかかる恐喝で、不動産会社社長を呼びつけて数千万円を脅し取ろうとしたという
Image0_2  読売新聞の取材では、小梛(おなぎ)輝信容疑者との一問一答で何があったか実にリアルに再現されている。
なお括弧の青字は私が挿入したもの

記者ビル建設工事の関係で不動産会社が脅されたとの話があるが

小梛不動産屋が俺のところに来たから(実際は呼びつけた)、『小仲台はうるさい街なんだよ。ここには自治会の会員に暴力団がいるんだ』と言った(実際はまったく問題が起こっていなかった)。
それで、たまたま机の上に名刺が置いてあったから(
実際はいつも用意していて脅しに使っていた)、『こういうのもいるから、あんた工事を止めなさいよ』と言った

記者金を要求したのか

小梛うちの自治会では工事業者と協定書を結ぶことになっているが、あそこ(小仲台)は言うことを聞かない。それで不動産屋が来て100万円で口説こうとした。それで『ふざけるな』と言った(こんなはした金で俺が動くと思っているのかと言った)。俺だったら20億、30億もらうって言うんだ(不動産会社社長はこのような大金を支払えないので、頭を抱えて千葉県警に訴えでた)」

記者暴力団との関係は

小梛子供の頃から『お兄ちゃんなんて言っていた』(子供の頃から暴力団とは知り合いだった)。稲毛の街を守ってくれている(稲毛の街は警察でなく暴力団が守っている。本当だろうか?)。暴走族なんかが夜中うるさいと、若い衆が出てきて抑えてくれる。だからやくざもんというより、みんな自治会なんだ(こうして自治会を動かして反対運動をさせ、俺が金をピンはねしてるんだ)」

詳細は以下参照
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090904-OYT1T00103.htm

 かつてこれほどすごい市議会議長の告白を聞いたことがない。まるでゴッドファーザーの映画を見ているみたいだ。

お願いです。このマンション問題を解決してください
あんたはなぜ最初にここに来なかった。警察なんかに言っても埒があかないのは分かっていたはずだ。それにあんたは今まで一度も私をゴッドファーザーと呼んだことがなかったはずだ
「お許しください、ゴッドファーザー」(小梛の手にキスをする建設業者
♪♪♪♪♪(ゴッドファーザーのテーマソング

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 しかしなぜこれほどまでに一般の建設工事なのに、市議会議長は金を脅しとろうとしたのだろうか。
これが公共工事であれば入札の便宜を図る見返に、金銭を求めることは分かるが(鶴岡前市長の場合)、何も関係ない一般の建設工事に介入するとは不思議としかいいようがない。

 一番考えられる理由は千葉市の財政状況が悪化し、箱物行政が終了し、今まで野放図に拡大していた公共事業にストップがかかったためだと思われる。
公共工事がないんじゃゼネコンから金をむしりとれない。仕方ないから仲のいい暴力団を使って、わざと一般建設の建設反対運動を起こし仲介料をむしりとろう」としたのだろう。

 しかし困ったものだ。これでは市議会議長がやくざの親玉のようなものだ。千葉市民はやくざを市議会議長にしていると日本国中に触れ回っているようなものだ。
もはや千葉市民だと言ってお天道様の下で大手を振って歩けなくなってしまった。

ご住所はどちらですか?」
はは、東京の近くです
東京の近くと言うと、埼玉ですか?」
はは、まあ、そんなところです

 

 

 

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(21.6.16) 熊谷新市長おめでとう 千葉市長選挙結果

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 14日
に行なわれた千葉市市長選挙において、熊谷俊人氏が当選した。
投票率は43.5%で、前回の市長選の投票率より6.30%高かった。
今回は鶴岡前市長が収賄罪で警視庁に逮捕された後だけに、投票率も上向いたのだろう。

 ただ私のイメージではもう少し投票率が高くなってもよさそうに思ったが、現状の地方選挙に対する関心は、この投票率程度であることも事実だ。
私自身もつい最近までは、地方政治について「住民税を払っておけばいいのだろう」という感度だったから、あまり大きなことは言えない。

 鶴岡前市長は住民の意識がその程度だったことをいいことに、箱物行政を押しすすめ、総務省の調査で夕張市の次に財政状況が悪い地方公共団体と発表されてしまった。
特に千葉都市モノレールの建設では約400億円徳政令を実施して県と折半して支えなければならなくなっていたほどで、ほとんど採算を度外視した建設と言える。

(注)これについては「千葉都市モノレールを守ろう」で詳述したリンクが張ってあります)。

 これほどひどい財務状態だったが鶴岡前市長は失政と認めず、なおも箱物行政にこだわっていたが、とうとう業者との癒着がばれて逮捕されてしまった。
この鶴岡前市長を支えていたのが、今回立候補した林前副市長だから、林氏が当選したら全国の笑いものになるところだった。

 こうした危機を紙一重のところで救ってくれたのが熊谷新市長で、熊谷氏の勇断によって、千葉市の名誉は守られたことになる。
なにしろ鶴岡前市長が逮捕されたあとも、林候補の優位は絶対と思われていたので、若き熊谷氏以外に渦中の栗を拾う人はいなかった。
当初は「まあ、熊谷なら敗戦しても仕方ないとみんな思うだろう」という感度だったのは事実だ。

 しかし世の中などは何が起こるかわからない。しばらく前までは小沢前代表の政治資金問題で民主党に逆風が吹いていたが、今度は鳩山総務相の辞任問題で自民党に逆風が吹き出した。
政治は一寸先が闇なのだ。

 若き熊谷氏箱物行政から市政を転換すると表明して市民が奮い立った。さすがに市民も千葉市の財政状況の悪化は座視できないと思うようになったし、林氏が当選すれば今までとは何も変わらないことも確かだったからだ。

 しかし熊谷氏の勇気にはほとほと感心してしまった。ほとんどの人が勝てないと思っていた選挙に立候補して勝利してしまうのだから、大したものだ。
もっとも選挙の途中からは千葉日報熊谷氏優位を報じ始め、自民党の懸命な巻き返しもあったが、それも跳ね除けてしまった。

 今回熊谷氏を支持した市民ネットの福谷議員の話では「熊谷氏が当選した場合を想定して、議会内ではすでに熊谷包囲網が作られ始めていた」のだそうだ。
熊谷氏の与党の民主党市民ネット少数与党であり、自民党公明党が過半数を超える議席を握っている。

 だから熊谷新市長を選挙の時だけでなく、日常的にも市民が支えなければ議会内で孤立してしまう。
それでは選挙で約束した公約が実現ができなくなるだろう。

 私は熊谷新市長の公約である箱物行政からの脱皮を強く支持しており、千葉都市モノレールの延伸を阻止すべきだと、このブログでも何回か取り上げて来た。
だから熊谷氏を支持した一人として、熊谷新市長が孤立しないようにこのブログで継続して熊谷氏を応援していきたいと思っている。

 

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(21.6.13) 市民の手で千葉都市モノレールを守ろう

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 みんなで千葉都市モノレールを守ろう。油断すると市当局と土建会社が共謀して再びモノレールを食い物にしてしまうからだ。
千葉都市モノレールの延伸計画のことである。
県庁前から市立青葉病院までの約2kmを延伸し、それには176億円必要だという市が試算している。

 実は千葉都市モノレールは乗客がまったく伸びない。当初計画では1日あたり16万人の乗降客を見込んだが、実際は平成7年4万5千人を越えた頃から乗客数は減少に転じてジリ貧になり、最近になってようやく4万5千人18年度)に戻ったところだ。
モノレールの懸命な営業努力でも4万5千人が限界に近い。

 最大の理由は市の人口が伸び悩んでいることもある(当初は2000年に117万人になると予測したが、実際は09年で95万人)。ただしそれ以上に当初計画は乗客数を上乗せした。
モノレールを作るためだ。何でもいいから数字をかさ上げしろ

 結果的に約3.5倍もサバを読んだ計画を作って、2560億円の巨費を投じ、結果として大赤字になってしまった。累積赤字が05年296億円に達したため、06年に懸命な再建計画を作成し、

 100億の資本金を1億に減資し、さらに
 県と市の貸出金204億を棒引きし、
 減価償却資産90億円を市に肩代わりさせた。

 約400億円の徳政令だが、こうして千葉都市モノレールを身軽にさせ、ようやく07年、08年と単年度収支で黒字化にこぎつけることができた。
よかった。これでどうにか独り立ちできた

 ところが喜んだのもつかの間、ようやく単年度収支で黒字にできた千葉都市モノレールを、無理な建設を強行して赤字企業にしようというのが、この延伸計画である。

 延伸計画を推進しようとしている市の高梨室長によると「延伸で一日平均乗客数が約8800人増え、83億円の増収を見込む」(毎日新聞)という。

 一体どのように計算したらこのような数字が出てくるのだろうか。
現在の乗客数が延伸割合で増加すると仮定すると、
45000人×2km/17km=約5300人 となる。これが常識的な数字だ。

 市の当初計画では16万人という3.5倍のサバを読んだが、さすがに今回は約1.7倍(8800÷5300)のサバに止めている。しかしサバであることには変りが無い。

 通常民間会社が設備投資をおこなう場合、3種類の予測を作成する。もっとも楽観的な予測通常の予測、そして悲観的な予測である。
民間会社では、この中の悲観的な予測であっても、なお収益を確保できるかを判断して投資を行なうが、一方公共団体の場合はもっとも楽観的な予測を前提に投資を行なう。

 これではうまく行くと思うほうがどうかしている。
せっかく19年度4億円の黒字が出たと思ったら、延伸計画が実行に移されると私の試算では約7億円の赤字企業になってしまう。

千葉都市モノレールの延伸問題参照(リンクが張ってあります

 一方高梨室長83億円の増収と言う数字は何の数字かまったく分からない。なにしろ19年度の運輸収入が30億円なのだから、どう計算しても83億なんて数字は出てこない(もしかしたら8.3億円の間違いかもしれない。これなら私が試算した増収4億の1.7倍=約7億に近い)。

 今回、はっきりと私たち市民は言うべきだ。「もっとも楽観的な数字で収益があがるとでっち上げ、挙句の果てに千葉都市モノレールを赤字会社に落とすのは止めよう

 今回の市長選挙ではこの延伸問題が一つの争点になっている。
① 延伸して都市モノレールを再び赤字にするか、それとも②単年度黒字を確保した都市モノレールを守るのか 問われている。

  この延伸問題鶴岡前市長の公約だったが、これを継承して市当局と土建会社の餌食にしては千葉都市モノレールに未来はない。
だから、千葉都市モノレールを守るため「延伸を阻止する」と私たちは表明すべきだと思う。

 

 

 

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(21.6.10) 千葉市の埋蔵金問題 基金の取り崩しは条例違反

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 千葉市埋蔵金がいくらあり、それをどのように使用しているか調べているが、いま一つ明確な数字が無い。
千葉市も国と同じで、財政状況が厳しくなったため一般会計埋蔵金を繰り入れて何とか帯を結んでいるのだが、そもそも埋蔵金がいくらあって、そのうちいくらを使って、残りはいくらなのかがいま一つはっきりしないのだ。

 また埋蔵金の定義もかなりあやふやで、一般的には特別会計の積立金や運用益を言う
千葉市には市債管理基金市庁舎整備基金と言うような基金があり、前者は市債の償還のための積み立て、後者は市庁舎建替えのための積立金である。

 たとえば市債については30年で一括返済するとそのときに多額の償還金が必要になるが、とてもいっぺんに払いきれない。
そのため30年間にわたってコツコツを償還金をためていくのだが、それが市債管理基金である(ため方には国のルールがある)。

 一般家庭でもそうだが、家計が苦しくなってくるとある目的を持って蓄えていた資金を生活費に使ってしまう。
あとでもどせばいいや」という感じだ。

 しかし一旦生活費に使用してしまうととても戻せないのは家庭も市も同様で、現在この市債管理基金が枯渇し始めた
千葉市のIR資料「千葉市の財政状況」によると、20年5月段階の基金残高は全体で342億円うち市債管理基金 222億円、市庁舎整備基金 36億円)になっている。
これが、一応埋蔵金と言うことになる。

 この埋蔵金について民主党の白鳥誠一氏の「市政報告」によると、基金からの借入は「6年前から急場しのぎの策として毎年行なわれている」とのことで、21年度には市債管理基金から70億円(前年度15億円)の借入を実施するのだそうだ。
そのため全基金からの借入金は総額247億円に膨れ上がるのだという(基金の残高がそれだけ不足していることになる)。

 特に問題だと私が思ったのは5年前市債管理基金から借りうけた60億円の返済ができず、返済を先延ばしにしたと言う。

 鶴岡前市長自分勝手に基金を取り崩したり返済の引き延ばしをしていたのだが、もちろん基金の取り扱いにはルールがあり、以下のように条例で定められている。

市長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰り戻しの方法、期間及び利率を定めて基金に属する現金を各会計の歳計現金に振り替えて運用することができる」と定められている。

 この条例をよく読んで欲しい。特に重要なのは「確実な繰り戻しの方法」という文言で、返せるあてが無ければ借りてはいけないと言うことだ。
しかし鶴岡前市政はまったく返せるあてがないのに、基金から借金をし、実際5年前に借りた60億円の返済ができなくなった。
これは明確に条例違反と言える。

 なぜ返せるあてがなくなったかは以下の理由である。

① 景気後退により法人税収入が大幅に落ち込んでいること。
② 従来の箱物行政による市債の増発で償還金が膨れ上がり、国の早期健全化基準に抵触する恐れがでてきたこと。
③ そのため20年度予算から市債の発行の抑制をせざる得なくなったこと

 従来は予算の不足分は好き勝手に市債を増発してまかなっていたが、2年前から国の基準が厳しくなり市債増発ができなくなって、基金を返済できなくなったと言う構造だ。

 実際21年度当初予算は惨憺たるもので、220億の収支不足に対し、禁じ手の市債の増発を50億加えて400億にし(財政健全化プランでは350億に留めなければ早期健全化プランを達成できないと計算されていた)、市債管理基金から70億の借入と60億の返済繰り延べで計120億円調達して、かろうじて帯を結んでいる。

 鶴岡前市長も苦しかったろう。市債の発行は国の「早期健全化基準」に抵触しそうなので抑制せざるを得ず、一方基金の取り崩しは条例違反をしてまで取り崩し、さらに今までのは箱物行政も継続しようとしている(千葉都市モノレールの延伸や蘇我スポーツ公園の整備等)。

 これでは八方ふさがりで市長を辞職したくなるのはもっともだ(実際は収賄容疑で逮捕されたため辞職した)。

 千葉市の財政は火の車であり、現在の市長選の争点は、市の財政問題への取り組み姿勢がもっとも重要な判断基準でないかと私は思っている。

(注) 千葉市の財政が崩壊寸前にあることが分かったのは、総務省が財政健全化法(07年6月)を制定し、市町村の財務状況を同一基準で横並び比較したことが一番大きい。
総務省としては夕張市に見られるような市町村の倒産を早期に把握して、対応策をとる事を目的に制定したのだが、千葉市については思わぬ波及効果があった。

 それまで千葉市では野放図とも言える市債の発行で箱物行政を推進してきたが、この財政健全化法に基づく横並び指標で、政令指定都市の中で最悪の財務状況であることが判明したからである。

 鶴岡前市長は平成20年度から緊縮予算を組むことにしたものの、それまでの1兆円あまりの公債発行が市政に重くのしかかり、かつ景気後退局面という外部環境の悪化が重なった。

 そのため、ためていた基金を取り崩したり、過去の基金への返済を取り止めて(これは条例違反)かろうじて21年度予算を組んだというのが実態。

 箱物行政しか方法を知らない鶴岡前市長としては、どうすることもできず、市政を投げ出したというのが真実に近そうだ

 

 

 

 

  

 

 

 

 

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(21.6.4) 魑魅魍魎(ちみもうりょう)の公債管理 千葉市の借金はなぜ増えるか

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 先日来千葉市市債が増え財政が悪化していくメカニズムが分からず、頭を悩ましていた。なにしろ一般会計では市債は減少するのに、千葉市全体としては増加していくのだから不思議だ。
私のような一般市民は通常一般会計しか見ないから、それを見ている限り、千葉市の財務は改善されて問題ないように見える。

 だが一方で市債1兆円を越え、さらに増大していると熊谷候補は言っている。どうしたら実態が分かるのだろうか。
千葉市21年度特別会計の明細を取り寄せてようやくそのからくりが見えてきた。

 千葉市会計書類を見てまず驚くのは、一般会計の規模より特別会計の規模の方が大きく、一般会計をいくら眺めていてもその本当の姿が分からないことだ。

 たとえば18年度以降の当初予算で比較すると以下のようになっている。
単位億円 )      21年    20年    19年   18年

一般会計        3350   3213   3573  3323
特別会計        3901   3683   3853  3391

合計           7251   6896   7426  6714

うち一般会計の割合  46%    47%   48%   49%


 特別会計は、 一般会計の例外として設置されているのだが、例外の方が大きくなり、 しかも原則として独立採算制をとることになっているが、一般会計からの繰り入れによって運営されるといういびつな形態になっている。
これでは一般会計をいくら眺めていても分からない。

 そしてなぜこのように特別会計が膨れ上がるかといえば、主として公債管理特別会計が膨れ上がっているからである(16年度 1097億円、21年度 1601億円  +504億円)。

 公債管理とは非常に不思議な勘定で、本来は返済期限が来た時に当然返済が発生するのだが、実際は返済せず借換をするので別勘定にするというものである。
露骨に言うと返せない金の勘定だといえばよい。

 もしこれを一般会計に置いておくと、借入と返済が両建てになり、昨今のように返済が進まないと予算規模が毎年膨れ上がってくる。それがいやなので別勘定にしたと言う

 金融機関はこうした借換を継続する資金を底積資金と言って、いわば赤字見合い資金と認識している。 資本金が不足している企業の常套手段だ。

:もちろん役所の論理は違って、金融機関から30年返済で資金を調達すると10年ごとに一括返済期日が来る(普通銀行は10年以上の長期貸付ができない)。そこで10年ごとに借り返るのだが、それを一般会計で行なうと両建てになって一般会計の本当の規模が分からなくなるので別会計で処理している、と言っている。

 詳細は以下のURL参照

http://www.pref.nara.jp/zaisei/16yosangaiyo/image/16kousai.pdf

 だがどのように定義しようとも、本当に大事なのはこの返せない金が毎年どのように推移しているかである。
借換債の推移を見ていくと、15年度 166億円、16年度 392億円、20年度 572億円、21年度 716億円と毎年増大しているのが分かる(
注:17,18,19年度の資料は手元に無いので不明)。

 
ところが一般会計の市債推移で比較すると以下のようになっている。

一般会計の市債と公債費(償還金)の推移
単位億円)       21年    20年    19年   18年

①市債の発行(一般) 400    350    628   521
②市債の償還(一般) 562    516    485   435

①-②市債の増減  ▲162   ▲166   +143  +86


市債残高           ?      ?   10790  10442

 どうだろうか。これを見ると一般会計の数字は実に美しく、一般会計20年、21年には市債は減少さえしている。
しかし実は市全体では増大しているという(20年度末の実績数字は入手できなかった)。

 それはどこを見ると分かるかと言うと特別会計の公債管理で、そこでは市全体の償還財源が分かり、またその借換金が分かるからである。

単位億円)         21年    20年    19年   18年
③市債の償還財源(特別) 884    808
④市債の借換(特別)    716    572    ?     ?
⑤市債の返済額      1601   1380    ?     ?

 
ここから先の説明はほとんどマジックのような世界で、私はこのマジックが分かるまで1週間もかかってしまった。

市債が増えるロジックは、①+④ー③=市債の増減である。
この式に当てはめて20年度、21年度を計算すると、

20年度:350+572-808=+114
21年度:400+716-884=+232


注1) ③の中に②が含まれている。③は返済可能な財源をすべてあつめたもの。基金の取り崩しもここに含まれる。

注2) ①は新規の市債発行、④は返済が来ても返済できなかった金額

注3) 実際は特別会計の中に企業会計があってさらに複雑なのだが、今回は省く。


 分かっていただけたであろうか。もう一度言うと
①新規発行市債+④借換市債ー③市債返済額=市債の増減

 
しかしどうしたものだろうか。特別会計の中のさらに公債管理をじっくり眺めて、さらに一般会計との入り繰りを調べてようやく千葉市の借金体質が分かる。

しかしこれでは一般市民が千葉市の財政状況を知ることなんて、金輪際できそうも無い。

 鶴岡市政では「返せるものは返すが、返せなければ借り替えればよい。ただし一般会計だけは美しくしておけ」
ということだったようで、その結果段々と市債は増えていく。GMのようなものだ。

注)資料がなく市債返済額が契約上の返済額か、とりあえず返せる額か明確には分からない。実際は金融機関等と交渉して返済期限を延ばすことはしばしば行なわれるので、実態解明には内部資料を見ないと分からない。


 やはり特別会計の公債管理は魑魅魍魎の世界なのだ。

 

注:千葉市の財政状況は以下が見やすいが、市債のロジックまでは分からない。
http://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/zaisei/download/zaiseijoukyou.pdf

   

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(21.6.1) 千葉市の財政崩壊とその隠蔽方法

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 千葉市長選
5月31日告示され、6月14日投票日に向けて選挙戦が開始された。
当初今回の千葉市長選挙は無風選挙といわれ、自民・公明推薦で元副市長の林孝二郎氏が、ほぼ無投票で当選するのではないかと言われていた。

 林孝二郎氏鶴岡前市長の実質的な後継者で、誰が立候補してもとても勝てそうになかったからである。
選挙戦が急に激戦になったのは、鶴岡前市長が収賄の容疑で警視庁に逮捕されたからで、鶴岡市政が金にまみれていた実態が明らかになるにつれ、鶴岡市政の後継でいいのかが急に争点になってきた。

 そこで急遽、民主党と市民ネットが推薦する熊谷俊人氏が対抗馬で立候補することになり、市長選は急に熱気を帯びだした。
29日には民主党の岡田幹事長が千葉市で熊谷氏の応援演説に来る等、実質的に千葉市長選は自民党と民主党の次期衆院選の前哨戦になってきている。

 私はほぼ15年にわたって千葉市民であったのだが、正直言って今まで市政について考えたことはなかった。何とかうまくやっているのではないか程度の感度で、千葉都市モノレールの延伸問題や、蘇我スポーツ公園整備問題について考え出したのはつい最近のことである。

 鶴岡千葉市政は一見問題もなく、当初は成功裏に任期を全うしたと思われていたが、本人が逮捕され、かつ千葉市の財務状況をよくよく見てみると、倒産間際のGMのような状況であることが分かってきた。

 なにしろ千葉市G翁さんから「プライマリーバラン(基礎的財政収支)が、全国783市中ワースト2位(1位は夕張市)。
また、借金返済の負担の重さを示す「実質公債費比率」は17政令市中16番目、公債償還などの「将来負担比率」は最下位になるほど、借金依存度は高いのです」
と教えてもらったほど財政状況が悪い

夕張市の次に悪い基礎的財政収支でよく鶴岡前市長は平気だったな」とその剛腹さにかえって感心してしまったが、実際は免罪符のような、財政健全化プランが作成されていたことを、熊谷候補のブログを見て知った。


 この免罪符は「千葉市財政健全化プラン」と言って、18年2月に市の財政局が作成したもので、今から3年前に作成されている。

*千葉市財政健全化プランの明細は以下のブログ参照
http://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/zaisei/download/kenzenkaplan.pdf


 読んでみるとこの健全化プランは実はあるトリックがあって、一般会計についてのみ分析され今後の方策が検討されているが、特別会計についはそっと脇において分析検討の対象からはずしてある。

 
(以下の数字は平成7年から平成16年までの10年間の一般会計の実績数字

 それによると過去、市税収入が伸び悩み(▲140億円)、歳出規模は増加し(+58億円)、仕方なく市債を増発し(+2725億円)、埋蔵金の基金を取り崩したものの(106億円)、財政の弾力化は年々低下したという(経常収支比率 7年 87.1% → 16年 96.9%)。

 さらに、平成18年から21年までの今後の予想数字では、毎年250億円前後歳入欠陥が発生する見込になっており、そうしたことにならないように、具体的な諸方策を実施するとしている。

 そしてその結果は実に立派なもので、下記のように健全化プラン予測対比十分達成され一般会計は改善されたと言うことになった。
たとえば歳出額の18年度以降の推移は以下の通りで、歳入欠陥は発生しなかったことになっている。

(歳出額の予測と実績)

18年 予測 3538億円  結果 3484億円 ▲54 億円
19年 予測 3886億円  結果 3563億円 ▲323億円
20年 予測 3581億円  結果 3213億円 ▲368億円
21年 予測 3586億円  結果 3350億円 ▲236億円
(ただし20年、21年の結果数字は当初予算ベース)


 鶴岡市長はこの一般会計の数字を示し、「財政健全化は順調に進んでいる」と説明してきた。

 確かに一般会計だけを見るとその通りで、私などは鶴岡市政は実に立派な業績を残していたと思っていたほどだ。

 しかしこれはトリックで、千葉市の実際の会計は一般会計を凌駕する特別会計が存在し、そこにすべての問題が隠蔽されている。
21年度の一般会計 3350億円、特別会計 3901億円

 そもそも一般会計より特別会計の方が金額が多いことが問題で、これでは一般会計をいくら論じても全体のたった46%(21年度予算)の部分しか論じたことにならない。
しかも発表される数字のほとんどが一般会計で、特別会計は闇の中だ。

 実際は鶴岡市政の財政改善発表とは裏腹に、毎年市債の残高は積みあがっており、17年度以降1兆円を越えている。
財務が改善して、一方借金が増えるのは実際は財務改善に失敗しているからだ

* 千葉市の市債の発行残高の増大は熊谷候補の以下のブログに詳しい
http://www.kumagai-chiba.com/policy/zaisei.html

 特に私が問題と思うのは特別会計の中の公債管理という項目で、この金額が突出して多い。どうみてもここが隠れ蓑になっている可能性が高い(21年 1601億円、一般会計・特別会計を合算した数字の22%)。

 結局鶴岡市政は財政悪化の実情を隠すために一般会計だけを糊塗し、その裏で特別会計を膨らまし、市民の目を欺いてきたがその限界が見えたので市長を辞したようなものだ(実際は逮捕されたため辞表を出した)。

 千葉市の財政状況の調査は、特別会計公債管理を追っていくことで明らかになると私は予測している。
このテーマはとても興味があるので引き続きブログで掲載していくことにしたい。




 

 

 

 

 

 

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(21.5.25) 千葉市長選のゆくえ

21221_023  

 千葉市の市長鶴岡啓一氏が、東起業からのワイロ100万円を受け取ったとされた事件で警視庁に逮捕されてから、千葉市長選は一気にきな臭くなってきた。

 それまでは鶴岡氏の後継者として、自他共に認めていた元副市長林孝二郎氏が実質無投票で当選する勢いだったが、急遽民主党熊谷俊人(くまがい としひと)氏が対抗馬で出馬を表明した。
これで林氏との一騎打ちになった。

 今まで林氏は「鶴岡市政の後継者だ」と言って、それを前面に押し出していたが、鶴岡氏が逮捕されてしまうと「じゃ、収賄についてもおなじなのか」といわれ、返す言葉がなくなってきた。
すっかり、鶴岡市政から距離を置く戦術を取り始めたのはいたし方がないところだ。

 先日(23日)、熊谷氏を推薦している市民ネット熊谷氏を囲んで話を聞く会を開催したので、私もその席に参加してみた。
熊谷氏は31歳の青年そのもので、もし当選したらもっとも若い市長の一人になりそうだ。

 実は私は最近まで市政について考えることはまったくなく、千葉市の借金が1兆円を越えていて、政令市の中で上から2番目に財政状況が悪く、なおかつ箱物といわれる建設計画が目白押しだとは知らなかった。

 そのなかでモノレールの延伸問題についてだけは最近調査をおこない、2kmの延伸に176億円の経費がかかり、一方で維持費が増加してせっかく黒字になったモノレール会社が、赤字に転落することをブログに記載している(千葉市モノレールの延伸問題)。

 箱物問題はこれだけかと思っていたら、熊谷氏の説明で蘇我スポーツ公園整備事業で総事業費が350億円かかっていることを始めて知った。
蘇我スポーツ公園とは元製鉄所跡地に、サッカー場、陸上競技場、テニスコート等を整備する計画で、サッカー場はすでにジェフ千葉のホームグランドとして使用されている。

 今回問題になっているのは陸上競技場で、千葉市にはすでに県の陸上競技場が整備されているのだが、さらに市が管理する陸上競技場を作るのだと言う。

 スポーツ関係者なら誰でも知っているが、この陸上競技場ほどコストのかかる施設はない。なにしろ陸上競技の大会は年間を通して多くはなく、さらに観客動員数が極度に少ない。

 たとえば国立競技場全日本選手権を開催しても、入場者数は1万人前後で、バックスタンドなどは閑古鳥が鳴いている。
作れば作るほど維持費がかかって四苦八苦するのが陸上競技場で、わざわざ市の財政を困窮させるために作るようなものだ。

 こうした「無駄な費用を削減しよう」と言うのが熊谷氏の政策で、私などは大いに賛成するのだが、なぜ鶴岡市長とその後継者が箱物にこだわるかと言うと、それが金になるからである。

 正式な政治献金にしろ、またワイロにしろ建設業界からの資金こそが政治家の生命のようなところがあり、あの清廉潔白の呼び声が高かった鶴岡市長でさえ手を染めていた。

 箱物行政は政治家にとり金のなる木ではあるが、しかし一方で市財政は1兆円にのぼる借金が積みあがってしまう(税金を上げられないので借金を増やすのが日本の政治のパターン)。
熊谷氏は「このまま行くと将来の市民に負担を強いるだけだ」といっていたが、私の判断では市財政の崩壊は「借金の踏み倒し」になる可能性の方が高い。

 従来金融機関は千葉市を信頼しおおらかに市債を購入をしてきたが、今後は金融機関といえどもおいそれと金を貸してくれそうもない。
市町村の倒産が珍しくなくなり、借金比率の高い市町村から倒産していくからだ(千葉市は政令市の中で2番目に借金比率が高い)。

 そうした意味で市債を無限に膨らませる箱物行政は完全に行きづまっており、もともと鶴岡市政の後継などはできないのが実情だ。

 だからここは箱物行政からの脱却を明確に表明している熊谷氏を応援するのがよさそうだというのが私の判断だ。

(注)なお、千葉市モノレール延伸問題ブログ(21.2.22)に対する、G翁さんの以下のコメントは傾聴に値します。

 千葉都市モノレールの延伸は凍結するべきでしょうね!。千葉駅西口再開発事業も同じですよ。今は財政の健全化(財政再建)の方が喫緊の課題でしよう。千葉市の財政指標の悪化は目を覆うばかりです。例えば、プライマリーバランス(基礎的財政収支)が、全国783市中ワースト2(1は夕張市)。また、借金返済の負担の重さを示す「実質公債費比率」は17政令市中16番目、公債償還などの「将来負担比率」は最下位になるほど、借金依存度は高いのです。

 鶴岡市長は7月に退陣するけど、財政再建の道筋はつけていない。後継者は林副市長(選挙後)になるでしょうが、大型投資を継続するため、財政健全化はさらに遠くなりますね。

 市民には、増税と行政サービスの低下につながり、次世代の負担も大きくなるでしょう?。次郎さんの「落書き消し」剥離・ペンキ代補助もカットされるかも?。次郎さんが市民オンブズマンだったら適任だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(21.4.24) 千葉市炎上

Images  私が住んでいる千葉市炎上し始めた。千葉市長鶴岡啓一氏が、市道の拡張工事に伴う入札の便宜で、警視庁捜査第2課に昨日(22日)逮捕されてしまった。

 新聞報道によると鶴岡市長は東京都江東区にある東(あずま)起業から、千葉市の土木事業の指名業者に選定されるように依頼を受け、その見返りに100万円のワイロを受け取ったのだという。

 この業者は首尾よく指名業者になった後、入札予定の他の9社と談合して東起業が受注できるように金額調整をし、05年10月約4000万円の工事を受注した。通常は他の9社の名簿は秘密にされるのだが、談合しやすいように千葉市は東起業に名簿をもらしたのだと言う。

 鶴岡市長については、「金に貪欲な印象はない」「まじめで堅実な役人タイプ」と言われており、市民ネットの福谷議員も「お金については不正はないと信じていたので逮捕は非常に残念」とコメントを述べているくらいの人だ。

 常識的には鶴岡市長に限って収賄容疑で逮捕されることなどありえないと思っていたので、ほとんどの人にとって晴天の霹靂と言う感じだ。

 今回の鶴岡市長逮捕劇の発端になったのは、東起業内部の内紛に伴う警視庁への垂れ込みである。

 東起業の千葉支店長はとてもやり手ではあったが、いわゆる裏金によって代議士や県会議員、および市役所に取り入っていたと言う。
本人の言葉として「5000万~6000万は発注者側に渡した」と言うのだから、今回の100万はその内のほんの一部ということになる。

 しかしこうした金は領収書など取れないので、しばしば贈賄側の千葉支店長もネコババすることができ、東起業の経営者にとってはなんとも、信頼が置けないことになる。
ちゃんとリベートは市長に渡っているのだろうか

 疑心暗鬼が嵩じてついにこの千葉支店長は首になってしまったのだが、こうした措置に憤った元支店長は証拠書類を持って警視庁に「おおそれながら」と訴え出てしまった。

 鶴岡市長にとっても今回の逮捕は晴天の霹靂だったろう。まさか信用していた東起業側から情報が漏れるとは露ほども思っていなかったに違いない。

東起業は談合により市から多くの便益を受けているし、会社がそうした裏情報を警視庁に流すはずが無い。
また金額的には100万(他に有るのかもしれないが)程度であり、贈収賄事件としては規模が小さすぎる


 だが、「堅実」の誉れ高い鶴岡市長としても東起業で内紛が起こり、元支店長が垂れ込みをするとまでは予想できなかったに違いない。
あと2ヶ月で勇退と言うのに何と言うことだ」歯軋りする思いだろう。

 確かに本件逮捕には鶴岡市長ならずとも非常な違和感がある。
一番の違和感は元支店長が「5000万~6000万は発注者側に渡した」と言っているのに、100万程度の千葉市長がなぜ槍玉に挙げられたかである。

 もうすぐ勇退するので逮捕しても問題ないと警視庁が判断したのだろうか。
もっともこの事件はどうも100万程度では終わりそうも無い。警視庁には次のターゲットの名簿が用意されているはずだから、東起業から甘い汁を吸った人は枕を高くして眠れないことだけは確かだ

 

 

 

 

 

 

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