(22.9.26) ロドリゴ 蝦夷地探訪記 その16 最終回
(帰りの車窓から撮る)
今回の蝦夷地探訪においてロドリゴがしみじみ感じましたのは、日本国の将来と言うことでございます。
この蝦夷地は間違いなく日本国の将来を指し示しているようにロドリゴには思えたのでございます。
現在日本国は人口低下に悩まされ、老人の比率が高くなり、経済成長は止まって、残されたものは公共工事による道路や橋や港や空港の建設だけになっております。
そしてそれを最も特徴的にあらわしているのが紛れもなく蝦夷地でございました。
札幌のような一部の都邑を除いて、あらゆる都邑や集落から人が消え、小中学校が次々に閉鎖され、集落で子供の影を見ることがほとんどまれでございました。
農村地帯に参りますと数軒に1軒の割りで、放棄された農家とサイロがむなしく建っており、ほとんどの場合が雪の重みで半分つぶれておりました。
漁村地帯は農村地帯に比べるとはるかにマシで、昆布漁のおかげで家々は新築されておりましたが、ここも人口低下に悩まされているのは同様でございました。
一方で道路や公園や港湾と言った公共設備はこれ以上はないというほどに整備され、社会資本の充実には驚かされましたが、残念なことにそれを使用する和人やアイヌはほとんどいないと言う状況でございました。
この人口減と公共設備のアンマッチほど蝦夷地を特徴付けているものはございません。
これは幕府が景気対策として公共工事ばかりに予算を配布した結果で、なにか古代ローマの遺跡群を見ているような感覚に襲われたものでございます。
そして近い将来蝦夷地ばかりでなく日本国のほとんどもこのような状況になるのは明白でございます。
こうした状況対処する方法は果たしてあるのでしょうか。
一つの方法は日本国を世界の裕福な人々に解放することではないかと思われました。
その理由は日本国は世界から見たら飛びぬけて生活するのに相応しい場所だからでございます。
故郷エスパニアにおいてもコスタ・デル・ソルというような風光明媚な避暑地を和人をはじめ多くの異国の民が別荘地として購入しておりましたが、蝦夷地や日本国ほど世界の別荘地として適したところはございません。
風光明媚で気候風土が夏場を除けばマイルドで、かつ公共投資は古代ローマと同様に隅々まで行き渡り、医療も最先端、情報技術も一流で犯罪の少ない場所は、世界を見回しても日本国以外にないのです。
ここは世界の金持ちにとって夢のような場所でございますので、多くの異国の民に居住してもらい、スイスのようなイメージの国家になるのが相応しいと思われます。
政府を挙げてかつてオーストラリアがしていたような、お金持ちのシルバーの誘致を図るべきだと言うのがロドリゴの提案でございます。
それが過小人口と過剰な公共投資のアンマッチを埋める最適な方法のように思えるのです。
注)かつてオーストラリアでは日本円で5千万円以上の資産をオーストラリアの銀行に預金し、かつ仕事を求めなければ居住権が与えられておりました。
金持ち老人の優遇誘致策です。
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