(22.5.20) NHKスペシャル アフリカンドリーム 「資源回廊の挑戦」
私はアフリカについてほとんど知らない。地図など見ても国名と位置が一致するのは地中海に面した諸国と、南アフリカ、それとエチオピアぐらいで、あとは国名を知らないか、位置を正確に指し示すことができない。
日本とアフリカの関係は元々希薄でヨーロッパのような直接的な利害関係がないから知らないのも当然だが、そのアフリカが変わりつつあるという。
NHKスペシャル、アフリカンドリームはそうした変わりつつあるアフリカの現状を紹介してくれるので、とても参考になる。
今回は2回目だが「資源回廊の挑戦」と副題が記されていた。今アフリカでは資源開発が熱を帯びており、従来の西欧資本だけでなく、中国・インドといった新興国、およびそこに住む住民が参加して、かつてのゴールドラッシュのような賑わいになっているという。
注)現在世界的規模で資源バブルが発生しており金価格等の高騰が続いている。投機資金が資源国に一斉に流れており、資源大国を潤している。
今回の対象国はボツワナ、ザンビア、タンザニアだった。この3国に南アフリカを加えて、一直線上に並んだこの4国は資源大国という。
ボツワナのダイヤモンド、ザンビアの銅、タンザニアの金でいずれも世界の中のシェアが高い。
この3国の中で最も成功しているのがボツワナで、世界の30%のダイヤモンドの取引を行っているが、その取引所(DTC)が2年前にボツワナに開設された。
私はこの事実をまったく知らなかったから驚いてしまった。元々DTCはロンドンにあり、このDTCを牛耳っていたのが世界最大のダイヤモンド採掘・販売会社デビアスだった。
デビアスはボツワナで掘ったダイヤモンドをロンドンに運び、ロンドンのDTCを経由して世界中のバイヤーにダイヤモンドを販売していた。
ボツワナは世界の30%のシェアを持っていながら、実際の利益は1.5%程度に止まり、残りはデビアス等に吸い上げられていたことになる。
ボツワナの挑戦はこのデビアスのDTCをボツワナに移設し、そこで取引を行うことで相応の税務収入を得、かつボツワナ人の就業場所を確保し、さらに研磨工場と言った周辺工場を誘致して一大ダイヤモンド産業を育てることに有った。
幸いに2005年にデビアスとの50年間の採掘権契約が切れるのを機会に、ボツワナ政府はデビアスにDTCをボツワナに移設しない限り延長契約に応ぜず、採掘権は中国かインドの企業に販売すると脅した。
かつて世界のダイヤモンドの80%を販売していたデビアスのシェアは最近50%まで落ち込んでおり、さらにボツワナの鉱山がなくなるとデビアスのシェアは20%程度に落ちてしまう。
デビアスは妥協し、こうしてDTCがボツワナに開設され、世界最大のダイヤモンド取引所ができたのだという。
(ボツワナに開設されたDTC)
一方タンザニアはアフリカの金の生産では南アフリカ、ガーナに次いで3番目で、年間50トンの生産をしているのだという。
私などはタンザニアと聞くと、セレンゲティ国立公園やキリマンジャロ山を思い出して、野生の王国ではないかと思ってしまうが、その王国の下に金が眠っているのだそうだ。
国土はすべて国有地で外国資本は政府から土地を借りて金の採掘をしており、その賃貸料は3%だという。
いままでは金の採掘はもっぱら外国資本だけが行っていたが、昨今の金価格の上昇により民衆レベルでの採掘でも十分ペイするようになった。
(タンザニアの首都、ダルエスサラーム。金取引で毎年7%の経済成長をしている)
このため約80万人規模のタンザニア国民が金の発掘に乗り出し、いたるところで穴を掘るので野うさぎの王国と呼ばれているという。
従来のニューヨークやロンドンの市場ではこうした野うさぎの金を相手にしないが、最近開設されたドバイの金市場では少ない量の金の取引が可能で、この野うさぎの金は集められてドバイ市場で売買されている。
タンザニアの野うさぎが掘る金の量は全体の40%で、毎日衛星放送やインターネットで金価格の推移をチェックしていた。
「イヤー、アフリカもインターネットを駆使しているのか」驚いてしまった。
タンザニア政府もこうした実情を追認して、外国資本とのうさぎが共存できるような土地政策を策定するようになったという。
ザンビアについては銅の産地だが、こちらはインドや中国の外国資本に牛耳られて相変わらず昔のままの植民地のようだった。
ここはこれからどのようにして採掘権を取り戻すのかが課題のようだ。
今回のアフリカンドリームではボツワナの例が最も印象深かった。取引所の誘致とはまったく驚いた戦略だ。
「取引所を握ったところが勝利するのか・・・・・・」
日本の証券取引所は没落の一途だが、資源なき日本では、税金を無料にしたりして最も使い勝手のいい取引所にしないかぎり限り、取引所相互間の競争に負けてしまうだろうとしみじみ思ってしまった。
(別件)
ここおゆみ野の地で下記の花器展が開催されます。場所は苅田郷でこの近辺では珍しい農村風景の残っている場所です。
花を待つ花器 ~作家の花器と生け花展~
期日:2010年 5月23日(日)~5月29日(土)
時間:AM11;00~PM5;00 期間中無休
場所:苅田郷内 ギャラリー凌雲洞(りょううんどう)
千葉県千葉市緑区刈田子町13番地
043-235-7757(開催中問い合わせ先)
主宰:苅田郷 代表 髙梨
※26日(水)のみ、生け花の展示はありません。
陶芸家が1点1点心をこめて創り上げたエネルギー溢れる土もの(つちもの)の花器に、苅田郷に自生している葉物をふんだんに利用した生け花が花器を飾ります。花器は主に栃木県益子や茨城県笠間、千葉県に在住する作家が創った花器で、水盤、筒型、壺、不定形な形のものから小瓶に至るまで、いろいろと取り揃えてございます。皆さまのお越しをお待ちしております。
最近のコメント