(22.10.4) 自己保身で墓穴を掘った大阪地検特捜部 特捜部はでっち上げ機関か
誰にでも自己保身はあるが、今回の大阪地検特捜部の前部長大坪弘道氏と前副部長佐賀元明氏の自己保身は最悪だった。
公判を担当していた女性検事が部長と副部長に「村木局長は無罪で、前田恒彦主任検事が証拠のFDの更新日付を書き換えて証拠隠滅を図っている」と訴えたのに、単なる女性のヒステリーとしてこの訴えを無視した。
そして証拠隠滅と言われないように「FDの書き換えを過失として処理するよう」に前田検事に指示している。
女性検事が証拠隠滅に気がついたのは、1月27日の初公判で弁護側から「村木氏が偽証明書を作成しろと指示したというならば、その日時を明確にするよう」に法廷で求められたからである。
注)公判を担当する検事と捜査を担当する検事は通常異なる。
捜査報告書には6月1日に当時の上村係長が偽の証明書を作成したとかかれており、一方検事調書には6月上旬に村木局長が上村係長に指示したとなっていた。
どちらの日付が正しいか女性検事は確認に迫られ、同僚検事(前田検事の部下)に相談したところ、この同僚検事が「偽証明書を作成した証拠のFDがあり、このFDの日付6月1日を前田検事が自分が作成した検事調書にあうように、6月8日に改竄した」と打ち明けた。
「じゃ、6月1日に偽証明書が作成されたという捜査報告書が正しくて、6月上旬に村木局長が指示したという検事調書はでっち上げじゃない。
これじゃ、公判は維持できないわ。村木さんは無罪よ・・・・」
1月30日、女性検事を含め関係した4人の検事が佐賀副部長にFDの改竄の事実を告げ、FDの日付の再確認を迫ったが、副部長は前田検事に確認をしてから対応を決めると回答した。
しかしその後の処理がまったくの保身になっている。
前田検事から「公判を有利に導くために意図的に改竄した」との報告を受けた副部長が、部長と相談してだした結論が最悪だった。
人間保身のためなら何でもするという好事例だ。
「まずいじゃないか、すでに公判が始まっているのに、いまさら証拠を隠蔽して村木容疑者を犯人に仕立て上げたなんていえないよ。
大阪地検始まって以来の不祥事だよ。
俺の立場はどうなる。花の特捜部長なんていわれて末は検事総長も夢でないのに、こんなでっち上げ事件が表に出たら監督責任を問われる。
なんとか隠蔽する方法はないのかね・・・・」
大坪部長、佐賀副部長、前田検事が3人で出した結論は「誤ってFDの日付を書き換えたが意図的でない」という口裏あわせだった。
検事が口裏をあわせて証拠を隠滅してはおしまいだ。
「しかし、公判担当の女性検事が、真実を公表して村木容疑者の無罪を明らかにすると主張してますが、これをどうしましょう」
「脅しつけろ。特捜部の統一見解にしたがわないと検事としての未来はないといって、口封じをするんだ。
もしこんなことが世間に知られたら俺は特捜部長を解任されてしまう。副部長、君だって未来はないよ。何とか3人で事件を隠蔽するんだ、いいな」
当初は前田検事が独走して、厚労省の組織犯罪にしようとでっち上げの検事調書を作ったのだが、これで大阪地検特捜部の組織犯罪になってしまった。
だれでも保身はあるものだが、大阪地検あげての大事件になれば、日本の検察制度そのものが問われても仕方がない。
今、検察制度、特に特捜部はでっち上げ機関ではないかと疑問がもたれている。
注)ただしこの事件で真実を伝えようとした女性検事は、大阪地検の中で誰よりも立派だったと心から尊敬している。
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