(23.2.24) 確定申告の季節 22年度版 e-Taxについて
今年も憂鬱な確定申告の季節がやってきた。申告期間は2月16日から3月15日までの1ヶ月間だが、何とも気乗りがしない。
私の場合は完全な年金生活者で、年金以外は何もないのだから作業は至って簡単なのだが、それでもグズグズと作業を伸ばしてきた。
私はルーチンワークにはまったく強いのだが、1年に1回しか発生しない確定申告のような作業にめっぽう弱い。一番の原因は作業手順をすっかり忘れているので思い出すのに時間がかかるからだ。
仕方なく国税庁自慢の「確定申告書作成コーナー」画面を呼び出す。
「申告書の作成を開始」をクリックすると、今年もあの魔か不可思議な画面が出てくる。
「ウィンドウは表示中のWebページにより、閉じられようとしています。このウィンドウを閉じますか」
この画面はほとんどバグと言っていいようなひどい画面だ。おそらくIE(インターネット・エックスプローラ)を使用したことによるシステム画面だが、こんな画面を平気で残しているシステム担当者のセンスを疑う。
それでも私はなれているので「はい」を選択する。
注)普通の常識を持った人は必ず「いいえ」を選ぶ。せっかく開いた画面が閉じられたら大変だと思うからだ。しかしそれはこの場合は間違い。
なお私が「確定申告書コーナー」を呼び出すのはパソコンでデータを打ち込み、紙で出力して郵送するためで、電子システム(eーTax)を利用するためではない。
国税庁はこのシステムeーTaxに約500億円の巨費を投じ、さらに年間80億円の維持費をかけて15年度申告分から運営してきたが、当初はなかなか利用が進まなかった。
そのため「最もひどい税金の無駄遣いは国税庁だ」なんて批評されたものだから意地になって利用拡大運動に取り組んだ。
「e-Tax利用者には5000円税額控除する」としたり「e-Taxでの申告では添付書類の提出は必要ない」としたニンジンで、ようやく拡大が進み21年度分の所得税申告の40%がe-Taxを利用するようになった。
注)当初は税務署の職員が書類で送られてきた税務申告書を税務署に設置してあるe-Tax端末からさらに打ち込んで、利用率の数字の底上げをしていた。
私の知り合いのGoogleおじさんによると、このeーTaxでの申請はとっても便利で還付金も早く受け取れるので「山崎さんも利用しなさい」と言う。
しかし私は区役所に行って電子証明書の発行してもらい、家電店でそれを読むためのICカードリーダーを購入しなければならないので、「そんなことをするくらいなら、打ち込んだ内容を印刷して税務署に送ったほうが楽だ」と思ってしまう。
なにしろ電子証明書が単に税務申告だけにしか利用できないので、わざわざ利用しようとするインセンティブが沸かない。
もしこの電子証明書が税務申告以外に年金やパスポートや運転免許書や、あらゆるものの証明書になるのなら喜んで使用するだろう。
日本で役所のシステムの導入がうまく行かない原因は、利用者の利益を考えたトータルとしての設計でなく、非常に狭い範囲での利用に限定して開発されるからだと思う。
これを「各省庁システムのガラパゴス化」と言うのだが、それが15年から懸命に取り組んでもまだ40%の利用率の原因だ。
システム経費は100%利用した場合にようやく償却できるように設計されているので、ひどい赤字だ。
現状では手書き郵送と、パソコン出力郵送(これを私は利用)とeーTaxが混在しているので、せっかくのシステムが宝の持ち腐れになっている。
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