(22.10.9) 小沢元代表にたいする検察審査会の強制起訴は無理筋

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 10月4日、東京第5検察審査会が、小沢元民主党代表を政治資金規正法違反の容疑で強制起訴すると発表した(議決そのものは9月15日になされている)。

 これで地方裁判所が弁護士を検察官役に指定し、裁判が始まることになった。
小沢元代表は「2度にわたり(検察からは)不起訴になっており、本日の検察審査会の議決は、誠に残念であります」とコメントしている。

 この事件は東京地検特捜部が証拠不十分で不起訴処分にしたものだが、特捜部が不起訴にした理由は、現行の政治資金規正法の条文解釈では、会計責任者や事務担当者の虚偽記載を問えても、政治家本人については明確な共謀の意思がなければ罪を問えないと判断したからである。

 もともと政治資金規正法ざる法で、政治家の訴追はよほどのことがない限り不可能になっている。
実際鳩山元総理の資金管理団体、友愛政経懇話会の不正記載は鳩山総理に共謀の意思がなかったと不起訴になった。

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 共謀の意思の有無を立証することはかなり難しいようだ。政治家本人と秘書が共謀の意思がなかったと証言すれば、他に何らかの物証がない限り政治家本人を有罪にすることは難しい。
秘書が捜査段階で共謀を認めて検事調書にサインしても、大阪地検特捜部の例のようにでっち上げられたとの反論が容易であり、検事調書が証拠として採用されるかはかなり怪しい。

 そうした意味もあって、東京地検は小沢元代表の起訴を諦めたのだが、検察審査会は「4億円の金を出しておきながら、政治資金報告書の虚偽記載に関与していないとはありえない」として、再び強制起訴の議決をしている。

 私は「小沢元代表が虚偽記載の事実を認識していた」という検察審査会の推定は正しいと思っているが、裁判では物証が出ない限り小沢元代表は無罪になると思っている。
もともと政治資金規正法は、政治家の関与を厳密に証明することを求めており、状況証拠だけでは有罪にできない

 今回の事件で検察審査会は、「政治資金規正法がざる法である(したがって裁判では小沢氏を有罪にできない可能性がたかい」ことを嘆いていたが、私はざる法でいいのではないかと思っている。
法律がより厳格になり、次々に政治家を逮捕してしまえば、清廉潔白な人だけが政治家として残ってしまい、著しく政治力が低下すると思っているからである。

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 私は個人的には清く正しく美しい人が好きだし、友達としてはそうした人と付き合うようにしている。
しかし政治家としては単に清廉潔白だけではだめで、強い指導力と豪腕がなくてはならない。

 その例が今回の尖閣諸島での中国漁船の追突事件で、日本の領海内で操業していた中国漁船を拿捕したのに、中国はありとあらゆる恫喝を行い、日本が船長を政治的判断で釈放した後も「謝罪と賠償」を求めてきた。
謝罪と賠償」を求めなければならないのは日本側のはづだ。

 菅総理は縮みあがって「早く船長を釈放しろ」大声を張り上げ、船長が釈放されれば中国は軟化すると思っていたが、さらに恫喝をしてきたのでパニックに陥ってしまった。
しかしこれが世界政治の実態であり、中国や、北朝鮮や、ロシアの政治家はヤクザのような体質を持っており、こうした場合は圧倒的な迫力で襲い掛かってくる。
「おい、にいちゃん、中国をなめると泣きを見るぞ!!」

 このようなヤクザな国家と渡り合うことを日本の政治家に求められており、単に清廉潔白で政治資金が透明なだけのお坊ちゃんではとても対応できない。
菅総理は身奇麗な人だが、危機に遭遇すると頭を砂にもぐらせるダチョウになってしまった。

 その点で小沢氏は日本の政治家としてはまれな豪腕とタフさを兼ね備えており、田中角栄氏や金丸信氏のように後ろ暗い点はあるが、海外の政治家と渡り合える唯一の政治家ともいえる

 鳩山元首相などは友愛を説くだけで、まったく交渉力がなかったのでアメリカから完全に馬鹿にされて挫折し、今菅総理が尖閣諸島で中国にいいように脅しあげられている。
今度はロシアのメドベージェフ大統領が領土問題で弱腰の日本を見て、クナシリとエトロフをロシア領にすることを決定してしまった。

 これが国際政治の実態で、政治をきれいごとだけで仕切ることはヤクザな国家にとりかこまれている日本にとって危険すぎる。

 日本には中国や北朝鮮やロシアの恫喝に負けない、タフなネゴシエーターの政治家が必要だ
そうした意味で小沢氏を政治資金規正法で追い詰めることは日本の国益にならないと私は思っている。

(24.4.27)追加
私は小沢氏のタフさ加減は評価するが、消費税増税は必要と判断しており小沢氏の選挙目当ての消費税反対表明には賛成できない。
国内政治では小沢氏の力量は発揮できないのではなかろうか。

 


 

 

 

 

 

 

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(22.1.16) 小沢一郎氏は田中角栄になるのか?

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(小沢一郎氏と田中角栄氏のイメージ

 小沢一郎氏が元総理大臣田中角栄氏に似てきた。1月13日に東京地検特捜部強制捜査に乗り出したからである。強制捜査の直接の理由は小沢一郎氏が世田谷の土地代金疑惑にかかる任意捜査に協力しなかったからではあるが、これで小沢氏と東京地検は全面対決になった。

 もともと検察庁小沢氏犬猿の仲で、西松建設による献金偽装事件企業献金を個人献金として偽装したと言う事件)でも小沢氏の第一秘書大久保氏が逮捕起訴され、現在裁判で争われている。
したがって今回の強制捜査は小沢氏と検察庁の第2ラウンドと言うことになる。

 今回の小沢氏に対する疑惑は、陸山会04年10月に購入した世田谷の土地代金3億4千万円の資金がどのようにして捻出されたかにかかっており、東京地検はこの資金が鹿島等の建設会社からの闇献金ではなかったかと疑っている。

 この会計処理を担当した石川知裕衆議院議員当時は小沢氏の秘書だった)は当初「金融機関からの借入金で土地代金を支払った」と説明したが、借入以前に土地代金の支払いがあったことを指摘されると「小沢氏のタンス預金を使用した」と供述を変えた。

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(小沢氏と東京地検の対決のイメージ

 特捜部の狙いは小沢氏だったから、これで特捜部は色めきたった。
「小沢のタンス預金の実態を洗えば闇献金が明るみに出て、政治資金規正法違反で追い詰めることができる
それでも当初は任意での取調べをしようとしたが、小沢氏が応じないため強制捜査に乗り出したものだ。

 東京地検特捜部としてはよほどの自信があるのだろう。通常東京地検が強制捜査に乗り出すときは十分な証拠固めをした後に、最後の確認の意味で行う場合がほとんどだ。
注)ただし今回は十分な証拠固めがあったとは思われないと、元検事の一人がコメントを述べていた。

 なにしろ小沢氏は大物だから、失敗すると検察庁が手痛いしっぺ返しを食らう。長官の更迭担当検事の左遷は覚悟しなければならないだろうし、組織そのものも大幅に改編されてしまうだろう。
このような冤罪を生むような捜査が許される検察庁のあり方を見直す必要がある」小沢氏がほえることは確かだからだ。

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東京地検に登場せよとの達しのイメージ

 さて、小沢氏は田中氏になるだろうか?
かつて田中角栄氏はいわゆるロッキード事件1976年逮捕されたが、逮捕を容認した当時の首相は三木武夫氏だった。
田中氏三木氏は同じ自民党とは言え犬猿の仲で、田中氏の金にモノを言わせた党運営を三木氏は常に苦々しく思っていた。

 そして何よりも三木氏にとって我慢できなかったのは、選挙で三木派をことごとく冷遇したからである。田中氏は党の実力者として田中派の拡大のために、三木派の議員の追い落としを図ることも辞さなかった。
田中氏の逮捕は三木氏の怨念がさせたものだ。

注)ロッキード事件とは、ロッキード社による日本空輸に対する航空機売り込みで国際的リベート疑惑が浮上した事件。5億円の受託収賄罪と外国為替・外国貿易管理法違反の容疑により、田中角栄氏が秘書と共に逮捕された。

 さて今回の強制捜査に対する鳩山首相の対応は「自分からコメントする立場にない」というもので、三木氏の対応とはまったく違う。
なにしろ鳩山氏小沢氏がこの夏の選挙で民主党の参議院議員を過半数にしてくれることにかけている。

 そうしないと社民党からは普天間基地で突き上げられ、国民新党からは実質的な総理大臣の立場を亀井氏に奪われたような失態を演じている。
何としても小沢氏が健在であってくれることが一番で、小沢氏抜きで選挙を戦う気力など鳩山首相にはない。

 通常大物議員の逮捕に当たっては検察庁と官邸サイドのすりあわせが行なわれる。鳩山首相としては小沢氏の逮捕に同意するわけに行かないが一方検察庁にも面子がある。
両者の妥協としてこの事件は実質的な資金担当者だった石川知裕衆議院議員の逮捕起訴で終わるのではなかろうか。

注)石川知裕議員は1月15日に逮捕された。

 いわゆるトカゲの尻尾切りで、首の皮一枚残して小沢氏は田中氏にならないと私は思っている。

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(
お白洲のイメージ)

注) 検察庁のトップ検事総長は内閣が任命する認証官(
天皇の認証が必要)で法務大臣の指揮命令を受ける立場にある。
もっとも通常は法務大臣が指揮権を発動することはないが、政府の高官や大物議員が相手の場合は、検事総長は官邸サイドとの事前すりあわせを行なう。

 もし内閣が異をとなえて指揮権の発動をされては、検察庁の立場がなくなるからだ。
過去に1回、この指揮権が発動された事例がある。1954年のいわゆる造船疑獄で時の法務大臣犬養健が、時の自由党幹事長佐藤栄作の逮捕請求を無期限停止した。


 

 

 

 

 

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(21.11.27) 民主党政権のスキャンダルはネガティブキャンペーン

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 政治の世界において最も効果的な敵の追い落とし作戦はネガティブキャンペーンである。アメリカでは特に大統領選挙の終盤戦にこれが行われ、「ブッシュは兵役の義務を金で回避した」とか、「オバマは外交がずぶの素人で何も知らない」とか盛んに言われたが、日本のネガティブキャンペーンはもっぱら「金と女(または男)」と相場が決まっている。

 昨今の鳩山首相小沢幹事長に対するネガティブキャンペーンはもっぱら金に絡むものだ。

 鳩山首相は自らも「恵まれた家庭に育ったものだから、自分自身の資産管理がきわめてずさんだった」というように、金の面で脇があまい。
特に、自身の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」と鳩山家の資産管理団体「六甲商会」との資産管理があいまいで、政治資金が不足するとこの六甲商会から融通を受けていた。

注)現在まで判明した金額は六甲商会から3億円、母親から数千万円の資金が、友愛政経懇話会に流れている。

 しかしそのことを政治資金収支報告書に借入金として記載せず、なぜか架空の個人から献金を受けていたことにしたが、これは政治資金規正法に違反する虚偽記載に当たる。

注)政治家個人からの政治資金管理団体への献金の上限は1000万、その他個人は150万だから、それを越える分は借入金にしなければならない。

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 なぜ正直に記載しなかったのかの理由はいろいろ言われており、「個人献金が少なく格好がつかなくて、大衆政治家としての見栄で六甲商会(自身が鳩山家の当主)の金を献金として偽装した」とか、「他に記載できない筋(外国人、闇の世界の人)からの献金があるからだ」とか言われている。

 しかし私の正直な感想は、自分の資金と政治団体の資金の区分がつかないほど渾然一体となっていたことと、自身の資産が大きいため金の動きに執着しなかったためだと思っている。
なにしろ鳩山首相は他のどの閣僚よりも金持ちで、資産家のお坊ちゃんだ。
特に献金をしてもらわなくても、うちには資産がある」と言うのが実態だろう。

 しかし、それは首相としての脇の甘さにつながり、敵対者の格好の攻撃材料にはなる。

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 一方小沢幹事長の方の最近のネガティブキャンペーンの内容は非常にせこい。
小沢氏第一秘書が、同党の副幹事長青木愛議員の公設秘書採用で「給与の一部(10万円)を青木愛氏の政治団体に寄付する」ように強要したと言うものである。

 公設秘書の採用のメカニズムは、力のある政治家の公設秘書が取り仕切っていることが分かったが、寄付の強要は明らかに公設秘書給与法違反である。

 この青木愛氏の秘書は仕方なく10万円の寄付をしていたが、途中で6万円に値切ったため、小沢氏の第一秘書から「なめるなよ」と脅されて、秘書を辞めたという。
公設秘書の世界はやくざの世界と似ているらしい。

 公設秘書の給与は公務員のように号俸体系になっており35万円から55万円の間だそうだが、この青木愛氏の秘書は最低の35万円の給与から10万円を寄付するように強要され、居直ったようだ。
25万円では大卒の初任給レベルじゃないか

 この問題で小沢氏が直接かかわっていたとは思われず、狼の皮をかぶった狐が権力を行使していたのだと思うが、ネガティブキャンペーンとしては有効だ。
小沢のやつ、またせこいことをしているのか」と言うことになる。

注)小沢氏は公設秘書が団体献金を個人献金といつわって記載したと言われて、民主党代表をおろさせられた。

 自民党を中心とした反民主党グループは、当面こうした鳩山首相小沢幹事長をターゲットとしたキャンペーンを繰り広げていくようだ。
一方は金にルーズで一方は金にせこいから格好のターゲットになるのだろう。
日本では金と女の問題が発覚すると、ほとんどの場合政治家にとって命取りになるので、民主党としては油断大敵だ。

注)民主党は敵が多い。特に普天間基地と日米密約の公表でアメリカを敵に回した岡田外相が、次のネガティブキャンペーンのターゲットになる可能性が高い。


 

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(21.3.12) 正直者 漆間官房副長官の大失言

 思わず笑ってしまった。漆間(うるま)官房副長官の正直さかげんにである。
記者団の「バランスを考えたら自民党の方も捜査をやるとの見方がある(のではないか)」というひっかけ質問に見事に引っかかった。

 これは記者団との定例の懇談オフレコメモも録音もしない)だったせいもあるが「自民党の方は金額が違いますからね。この件で自民党の方までやることはないと思いますよ」とうっかり答えてしまった。
記者はちゃっかりメモを取っていたし、オフレコなのにもかかわらず一斉に報道されてしまったので(日本ではオフレコがオフレコになったためしがない)、漆間官房副長官の立場がなくなった。

 漆間氏元警察庁長官から官僚の中の最高位に上り詰めた人である。民主党から「ほれ見ろ、検察と内閣はぐるになって小沢代表を追い詰めている」と詰め寄られたのであわてて、参院予算委員会で釈明をせざる得なくなった。

 漆間氏はあくまで一般論として述べたもので、主旨は以下の通りだと懸命に釈明した。
① この種の事件では違法性の認識を立証することが難しいこと
② 金額の多寡が違法性の認識を立証する大きな要素であること
③ 検察が逮捕したのなら起訴に持ち込めるだけの証拠を持っているのだろうこと


 これは実に不思議な説明だ。これによると違法性は金額の多寡で決定され、従って小沢氏の秘書は逮捕されるが、二階氏の秘書は逮捕されないと言っているようだ。

 しかし、今回の違法献金容疑はあくまで「西松建設の献金(企業献金)だと言うことを知りながら、政治団体からの献金と偽って個人の資金管理団体に入金したことが違法」とされているはずで、金額の多寡は犯罪の成立要件にならないはずだ。

 ところが漆間氏は「金額の多寡が逮捕者と非逮捕者の分水嶺になる」という。一般の人には理解できないことが漆間氏は分かっていたらしい。
なぜだろうか?

 実は検察庁のトップ検事総長内閣が任命する認証官天皇の認証が必要)で法務大臣の指揮命令を受ける立場にある。
もっとも通常は法務大臣が指揮権を発動することはないが、政府の高官や今回のように野党党首が相手の場合は、検事総長は官邸サイドとの事前すりあわせを行なう。

 もし内閣が異をとなえて指揮権の発動をされては、検察庁の立場がなくなるからだ
過去に1回、この指揮権が発動された事例がある。1954年のいわゆる造船疑獄で時の法務大臣犬養健が、時の自由党幹事長佐藤栄作逮捕請求を無期限停止した。

 おかげで佐藤氏は獄につながれることがなくなり、その後日本の総理大臣になっている。

 今回の小沢氏の第一秘書逮捕に当たっても、当然官邸サイドと検察庁との間のすりあわせが行なわれたはずだ。そのときに問題になったのはこの問題が小沢氏だけに止まるのか、自民党の二階氏他にも及ぶのかという問題だったはずだ。

 そこで検察と官邸サイドとの密約がなされて、自民党議員は「金額が僅少で」「違法性の認識を立証すること困難」なので、たとえ捜査対象になっても逮捕はされないと手を握ったはずだ。
よし、小沢の秘書を逮捕しろ。これで民主党はばらばらになる

 自民党としては天から降ってきたような僥倖だ。
このネガティブキャンペーンは絶対に成功する」と麻生首相はにんまりとしたろう。

 それを正直者の漆間官房副長官が記者に乗せられ、極秘情報をぽろっとしゃべってしまった。「自民党議員の逮捕はないだろう。なにしろ金額が少ないからだ

 せっかく自民党に神風が吹いたのに、この一言で全てがおじゃんになり検察も立場上二階氏周辺を洗わざる得なくなった。
政治はまことに一寸先が闇だ。相変わらず自民党は舌禍でせっかくのチャンスすら物にできない状態が続いている。

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(21.3.5) ネガティブ・キャンペーンが始まった。 小沢一郎第一秘書の逮捕

Crm0903042148028s51_2   ネガティブ・キャンペーンが始まった。小沢一郎民主党代表の公設第一秘書の逮捕劇についてである。
今回の逮捕劇は誰が見てもまったく理不尽で、小沢代表ならずとも「非常に不公平な国家権力、検察権力の行使」だと言いたくなる。

 今回逮捕の容疑政治資金規正法に違反していると言うことであり、政治家個人の資金管理団体(陸山会)への企業献金が禁止されているのにかかわらず、それを受入れ収支報告書に記載したからだと言う。

 実際は西松建設OBが設立した2つの政治団体からの献金であったのだが、この団体への資金提供が実質的に西松建設から出ていた。
だからこれは企業献金であり、第一秘書の大久保氏はそれを知悉していて個人献金として受けいれたと言う容疑だ(虚偽の記載容疑と言う)。

 実は実際の政治資金規正法完全なザル法で、確かに企業献金は政治家個人には禁止されているが、一方政党支部への企業献金が認められている。

 だから政治家(実際は秘書)は献金を受けた場合は、個人の場合は個人の資金管理団体(陸山会)で受け入れ企業献金の場合は(岩手県の)政党支部で受け容れる事務処理をしている。
秘書から見ると単なる事務処理の問題に過ぎず、今まではそれでまったく問題がなかった。

 もっとも法律制定の主旨は特定の企業と特定の政治家との結び付けを断ち切るのが目的だったが、実際は抜け道がありこのようにして企業と政治家の関係は続いている。

 そしてこれは小沢氏だけでなくほぼ全ての企業献金のある自民党、民主党の代議士が採用している方法といえる。
だから小沢氏ならずとも「なぜだ。みんな同じじゃないか」と思うわけだ。

 今回の検察の説明第一秘書の大久保氏が西松建設からの献金だと認識しながら、個人献金だと虚偽の記載をした」と言うのなら、同じ政治団体から献金を受けている、自民党の尾身幸次氏森嘉朗元首相の場合は「西松建設からの献金」だとの認識がなかったのかという問題が残る。

 小沢氏(実際は秘書)だけが西松建設の献金だと知っていて、尾身氏森氏は知らなかったと言うのだろうか。

 これに対する検察の説明は「小沢氏への献金の額が突出していたから」だと言うが、これはおかしい。
なぜなら法的には額の問題ではなく「企業献金との認識があったかなかったか」だけが問題になるはずだ。

 00年から06年までの間に、小沢氏に9千万円、自民党の尾身氏に1千2百万円森氏には5百万円の献金があり、また二階俊博経済産業相約800万のパーティー券を購入したこと分かっている。はたしてこの金額のどこで逮捕者と非逮捕者が別れるのだろうか。
まったくの検察のさじ加減だと言うのは理解できない。

 当初私は検察がよく行なう別件逮捕かと思った。単なる書き間違いでは微罪でわざわざ逮捕するような事件ではない。本当の目的は贈収賄事件を立件しようとして、大久保氏を別件逮捕したのかと思ったのである。

 しかしこれはありそうもない。小沢氏はかつては自民党道路族のドンだったが、今はそのような立場にない。岩手県内ならともかく東北全体について影響力を行使することはできそうもない。
西松建設としたら二階俊博氏のような、現役の自民党道路族経済産業相に働きかける方がはるかに効果的なはずだ。

 はっきり言って今回の逮捕劇は自民党と検察がタッグを組んでネガティブ・キャンペーンを実施したとしか思われない。どうやっても犯罪を立件するのは不可能と思われるが(虚偽の記載と言うなら尾身氏や森氏や二階氏の秘書も逮捕しなければ筋が通らない)、それまでの間民主党小沢代表の評判を落とすことができる。

 自民党としては小沢氏が評判を落としている間に選挙を行ない、選挙が終わったら証拠不十分で大久保氏を釈放すると言う筋書きが見え見えだ。

 日本においては従来アメリカで常識として行なわれているネガティブ・キャンペーンは品がないとして嫌われてきた。

 しかし今回の逮捕劇はアメリカ仕込の選挙戦術で、選挙もグローバル化が進んだとの印象を深くした。
自民党にとってはこうでもしないととても選挙に勝てないからだが、やはり品のなさは否めないと私は思う。

 

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