(21.3.24) 福谷さんのムクドリの研究
(ケヤキを剪定するとこうした状況になります。ただしこの写真はムクドリ対策として剪定されたものではありません)
市民ネットの福谷さんのブログ「福谷章子のまちづくり」に「ムクドリの研究」という非常に興味深い記事が掲載されている。
・ムクドリの研究 その1 生態編(リンクが張ってあります)
・ムクドリの研究 その2 対策と共存編(リンクが張ってあります)
ここおゆみ野でも鎌取駅周辺のケヤキの木に毎年大量のムクドリが飛来して、夏場になると糞公害で大騒ぎになる。
特にジャスコの周りは駐輪場として整備されているので、自転車の上に糞を落とされた人が、興フンしてフン慨しているのは毎度のことだ。
今年も夏場になれば年中行事のようにムクドリの糞公害問題が発生する。
福谷さんの記事は「今までのような、樹木の剪定や音を出して追い払う対策がはたしてムクドリ対策として有効か」と疑問を呈している。
福谷さんの記事は都市鳥研究会の堀越重治さんの話を聞いて、それを取りまとめ、自身の意見を述べたものだが、この記事を読んで「私が長い間不思議に思ってたムクドリの習性」についてようやく納得することができた。
一番不思議に思っていたことは、ムクドリが夏場から初秋(ほぼ8月~10月まで)にかけては鎌取駅周辺のケヤキの木に集まるのに、その季節を過ぎると一斉にどこかに消えてしまうことだ。
「一体どこに行ってしまうのだろうか。山にでも行くのだろうか」
堀越さんの説明では「夏(5月~11月)はケヤキやヨシ原、冬(11月~4月)は竹林と本来はねぐらを交代させてきたが、(都市部のムクドリは)最近は夏ねぐらを冬に移行させないで周年ねぐらに近づいている」のだという。
「そうか、竹林に冬は移行するのか」ようやく納得した。
ここおゆみ野周辺にはまだ多くの竹林が残っており、ちょっと郊外に出れば農村地帯になる。従って都市部のムクドリとは異なり、冬場に移動する場所があることが分かった。
従来ムクドリ対策として取られてきた対策に樹木の剪定がある。ケヤキの木をほぼ丸坊主にしてしまうのだが、たしかに丸坊主にされたケヤキからはムクドリは退散するが、これは残っているケヤキにねぐらを移しているだけに過ぎない。
今度は移された場所を利用している住民からクレームがつき、そのケヤキを剪定すると、街中丸坊主のケヤキ並木になって、美観が損なわれることこの上ない。
夏場は直射日光が当たり、遊歩道を散歩しても気分はブルーになってしまう。
「これではメキシコの巨大サボテンと同じじゃないか。おゆみ野はメキシコの砂漠か?」
私はこの樹木の剪定には大反対で、ムクドリの糞公害も一時の辛抱なのだから、樹木を伐採するような愚は犯さない方が良いと思っている。なにしろこの地区では冬場の竹林がいくらでも残っているのだから、数ヶ月すればムクドリは冬場のねぐらに移動する。
考えても見て欲しい。ケヤキの枝が十分に伸びて夏場の木陰を作り、人々の気持ちが和める遊歩道と、サボテンのような幹だけの遊歩道とどちらが住民にとって大切か。
福谷さんも「ある程度ムクドリと共生する覚悟をもって対策をとるしかない」といわれている。
自然との共生とは人間は自然の一部で人間だけが特別な存在ではないという立場だから、ムクドリに対してもそうした態度で臨むのが一番いいのではなかろうか。
「ムクドリ君、君も私も生き物としては同じだから、仲良くやろうぜ」
自転車にフンが落ちたくらいでケヤキの枝をばっさりと切ってしまう愚はこの辺で止めにしよう。
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