(22.12.4) 独裁国家はなぜ永続するのか? 北朝鮮の事例

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 ウィキリークスが公表した公文書の中に韓国高官の話として「キム・ジョンイル氏が死亡した後、2~3年以内に北朝鮮は崩壊するだろう」との予測が述べられていた。

 この予測が私の感度とかなり違っていたので、「おや、韓国はそう見ているのか」と思った。
私の感度は独裁国家はなかなか崩壊せず、かなり持ちこたえるのではないかと思ってるからだ。

注)北朝鮮の建国は1948年だから、すでに60年以上この体制が続いている。金日成が死亡した1994年にも、後数年で北朝鮮は崩壊するといわれたが、すでに15年以上も命脈を保っている。

 現在の北朝鮮は経済的には完全に中国の属国となっており、核開発の脅しと哀願によって中国から食料を調達してそれで生き延びている国家だ。

 国民のほとんどが飢えて餓死したり、かなりの人々が中国領内に逃げ込んでいる。
どう見ても崩壊しておかしくないのだが、この国家を中国が懸命に支えている。

 中国としては大量の難民が中国に押し寄せたり、また完全に崩壊して韓国と合併したりしたらことだから、泣く泣く経済援助に応じているのだが、本音はヤクザに身をやつした子供を持った親の気持ちだろう。

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 中国は北朝鮮が中国の改革開放を習って経済改革に取り組んでほしいというのが本音だ。
しかし北朝鮮当局としたら世界一幸せな国家に生きている北朝鮮の国民が、中国の物質主義に染まって、「もしかしたら世界でもっとも貧しい国は北朝鮮ではないか」なんて疑問を持ったら大変なので、改革開放なんてしたくてもできない。

 結局いつもの戦争の瀬戸際政策をとって哨戒艇を沈没させたり、大砲をヨンビョン島に打ち込んだりして「戦争をしたくなかったら経済援助をしろ」と脅すばかりだ。

 通常このような独裁国家は国民が立ち上がってルーマニアのチャウシェスク政権のように独裁者を銃殺すると予測しがちだが、実際に銃殺されているのは金正日氏に反対した人々ばかりで、北朝鮮には反対者がいなくなってしまった。

注)昨年末のデノミは後継者の金正恩氏が指導したのだが、この政策に反対したものは金正恩氏の反対勢力としてパージされたと、米国の外交文書に記載されていた。

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 私が独裁政権が崩壊しないと予想するのはこの反対者がいないという現実からで、みんながこの独裁政権を「世界にまれに見る豊かな国」と思っている以上は革命などは起こりようがないと思うからだ。

 私が前に書いた記事でこの金王朝は次代の正恩氏がラストエンペラーになると書いたのは、実力者NO1の張成沢氏が権力を握ると想定したからで、金王朝は崩壊するが北朝鮮は継続すると思っている

注)金総書記の断末魔 正銀を守ってくだされ!!を参照

 国民は「北朝鮮が世界一」だと思っても、北朝鮮のトップ層は外国に何回も出て実態を知っている。
この貧しい北朝鮮を救うには金一族をパージして、中国並みの改革開放路線を目指そう張成沢氏を中心にそう考えているはずだ。

 しかしこれは権力の中枢が金一族から北朝鮮の実務者集団に移るだけで、社会主義社会の看板も北朝鮮労働党の看板も何にも変わらない。
革命は行われず、クーデタが行われ体制は維持される。

 北朝鮮の本当の崩壊は東欧圏がそうであったように宗主国中国の崩壊がなければ、崩壊するとは思われない。
現状中国経済は絶好調で、かつ分離独立派や反体制派完全に力で押さえつけているからすぐには崩壊しそうもない。

 だから北朝鮮は金正恩氏が失脚しても、中国が存在している限り存在するというのが私の予想だ。

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(22.11.25) ヤクザ国家北朝鮮の暴発 韓国のつらい我慢

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 ヤクザ国家北朝鮮がまた暴発した。今度は黄海に浮かぶ南北軍事境界線NLL)近くにあるヨンビョン島に突如100発以上の砲弾が打ち込まれた。
韓国軍も応戦したが、韓国兵2名が死亡し、15名が重軽傷を負い、一般人2名が死亡(基地で作業中)、3名が負傷したと言う。
民間人の被害が少ないのは、北朝鮮の攻撃が軍事施設を狙ったものだからだろう。

 今回の北朝鮮の砲撃は「韓国が先に仕掛けてきたからだ」だとのレトリックを使っている。
今年3月の韓国海軍哨戒艇の撃沈については「知らぬ存ぜぬ」と言う態度を貫いたが、今度は北朝鮮からの砲撃と明確に分かるので、その手は使えない。

 この日、韓国海軍がNLLの近くで軍事演習を行っていた。当然砲弾も発射している。北朝鮮によるとこの軍事境界線NLLは国連軍が一方的に決めた境界線で、北朝鮮が認めている国境はそれよりもはるか南に設定されていると言う。

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 この北朝鮮の主張を敷衍すると、韓国海軍の演習艦は不当に北朝鮮領内に入り発砲したことになり(だから北朝鮮軍は反撃した)、ヨンビョン島は韓国に不当に支配されている北朝鮮の領土(だからここの韓国軍の軍事施設を攻撃するのは当然だ)と言うことになる。

 しかしこの主張は休戦協定に明らかに違反しており、休戦協定でNLLが南北軍事境界線になった以上は、休戦協定を守るために韓国軍が演習することも、ヨンビョン島が韓国領であることも当然認められなくてはならない。

 韓国政府はさっそく安全保障会議を招集し「追加の挑発があれば断固これに対応する」とイ・ミョンバク大統領が声明を発表し、危機管理レベルを5段階の上から2番目に引き上げた。

 韓国にとってはまったく迷惑至極だが、本音を言えば「また北朝鮮がいつもの瀬戸際政策を始めた」という認識だ。
この砲撃が始まる前に北朝鮮は信じられないようなトップシークレットをアメリカの元朝鮮半島和平担当特使に伝えている。

寧辺に100メガワットの実験用軽水炉を建設しており、これにより濃縮ウランの生産が可能になった」というのである。
この軽水炉を使用すれば年間2発の原爆の製造が可能になる。

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 なぜこのようなトップシークレットをわざわざアメリカの元特使に公開したかといえば、「原爆を作られたくなかったらアメリカは北朝鮮との間で平和条約を締結し、軍事境界線NLLを北朝鮮の主張する線まで南に移動させ、かつ十分な経済援助をしろ」という意味だ。

 北朝鮮経済は昨年末のデノミに失敗して、もはや自力で回復することは不可能な状況まで追い詰められている。
国民の食料は中国や韓国の援助に頼らざる得ない。
しかし物乞いは誇り高い北朝鮮の将軍様の欲するところではない。
何としても韓国を脅しあげて、食料と経済援助を引き出そう」
砲撃されたり、艦船が撃沈されたくなかったら、食料をよこせ!!!」


 韓国は北朝鮮との全面戦争は何としても避けたいと思っている。なにしろこの11月に20カ国首脳会議を韓国で開催したばかりで、「これで韓国も世界の20ケツに入り先進国として認められた」と喜んだばかりなのに、戦争で一挙に疲弊しては大変だ。

 一方北朝鮮は軍事力以外には何もない国だから、戦争になったらめっぽう強い。ちょうど北ベトナムとアメリカの戦争のようなものになると思えばいい。
しかたない。全面戦争にならないように国連への制裁決議の要請だけにしておこう」韓国の我慢がまた試されている。

 日本は中国が尖閣諸島で巡視艇に当て逃げされたのに、中国から「罪と賠償」を要求されて欲求不満が爆発しそうだが、この韓国の我慢に比べればはるかにレベルが低い。

 中国はさすがに日本の巡視艇を撃沈したり、尖閣諸島を砲撃したりしないが、北朝鮮は韓国に好き勝手に振る舞い、それでも中国とロシアが北朝鮮の肩を持つので、国連での制裁もママならない。

 となりにヤクザな国家があるというのは本当に気苦労なことだとしみじみ思った。

 

 

 

 

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(22.10.5) 劇画国家北朝鮮の新たな後継者 キム・ジョンウン氏

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 北朝鮮ほど劇画的国家はない。
なにしろ後継者に選ばれたキム・ジョンウン氏のテレビ画像が9月30日に公開されて、はじめてこのジョンウン氏の姿を北朝鮮の市民を含めた世界が見たのだから驚く。

 北朝鮮では金一族の映像は国家のトップシークレットだが、これはかつて北朝鮮が仕掛けたラングーン事件や大韓航空機爆破事件のように金一族がテロに会わないための対策である。
自分たちがしたことは、他人も当然するのだと思っている。

注)北朝鮮は王朝国家だから後継者の安全は国家の最重要事項になる。

 それに今まではジョンウン氏の漢字表記も秘密で、正雲とか正銀とか記載されてきたが、正恩が正しいのだと初めて知った。
年齢も今までは28歳だと言われていたが、急に30歳になってしまい北朝鮮では、年齢は一年ごとに増加するのではないらしい。

 そして今回急に大将に昇格したのだが、ジョンウン氏の戦歴は韓国の天安艦を撃沈したことだと、北朝鮮ではささやかれていると言う。
実に立派な戦歴を持った大将で後継者に相応しい」と言うわけだ。

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 この8月に金正日総書記が中国に電撃的に訪問し、ジョンウン氏を中国の胡錦濤主席に引き合わせたが、北朝鮮の実質的な宗主国の中国に三顧の礼をつくしに行ったわけだ。
これが後継者なのでよろしくお願いします
すっかり気をよくした胡錦濤主席は「後継体制を支持する」との祝電を9月28日に打っている。

 今回キム・ジョンウン氏を画像で見た正直な印象は「若いのにぶくぶく太っていて、これでは3代続いて糖尿病になるのは間違いない」と思った。
スポーツ好きだといわれていたが、身体を見た限りはとてもスポーツをしている身体ではない。
おいしいものを目一杯食べて太ってしまったと言う身体つきだ。

 画像が荒れてあまりはっきりと顔の輪郭が分からなかったが、北朝鮮内部では「故金日成主席に似せて整形手術をして、権威づけをしている」と噂されていると言う。

 おもわず「本当かしら?」と思ったが、北朝鮮では単なる息子というだけではダメで、赫々たる実績を持った指導者でなくてなならないので、大阪地検並みにでっち上げ工作がなされる。
顔は金日成で軍歴は天安艦の撃沈と言うわけだ。

 しかし北朝鮮は本当に劇画のような国だと思う。
ただ単に金正日総書記の息子だと言うだけで、戦歴のある大将にしてして、世界にそれに同意させようとしている。
確かに中国は信じたふりをしているが、それ以外の国はどら息子が二代続くのかとうんざりしているのが実態だ。

 

 

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(22.8.29) 金総書記の断末魔 正銀を守ってくだされ!!

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 北朝鮮の金正日総書記が突然中国の東北部吉林省吉林市を訪問したことに世界が注目している。

 金総書記の中国訪問は5月に続いて今年2回目だが、通常独裁権力者が祖国を離れることはよほどの理由がない限り行なわない。
一番の理由はその間にクーデタを起こされて権力の座から追い落とされることが多いからで、最近ではタイのタクシン元首相がニューヨーク滞在中にクーデタが起きている。

 自分の国を離れないもう一つの理由は、国にいれば最高権力者だが海外に出れば貧しい国家の元首に過ぎず、「また物乞いに来たのか」と中国の接待係にさえ馬鹿にされるからである。
馬鹿にされても相手を銃殺刑にもできず、イライラが昂じて精神状態が不安定になる。

 だからなぜこの時期にわざわざ中国の北京ではない吉林市に出向いたのか世界のメディアが注目した。
吉林市には故金日成総書記が抗日闘争を始めるきっかけとなった中学校がありそこを訪問したというのだが、独裁者が単に観光旅行として中学校を見に行くはずがない。

 しかもこの時期にアメリカのカーター元大統領がオバマ大統領の特使として北朝鮮を訪問している。
北朝鮮に捉えられていたアメリカ人の釈放を求めて訪朝しているのだが、カーター元大統領の面接をすっぽかしても中国に行かなくてはならない事情があったわけだ。

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 この中国訪問の理由はただひとつ、後継者として三男、金正銀氏を中国に後継者として認めてもらい、あわせてその物心両面の支援を要請しに行ったということだろう。
そうでなければわざわざ故金日成総書記ゆかりの吉林市に行く必要はなく、北京でよかったはずだからである。
中国側はどうやら胡錦濤主席が対応したようだ。

胡錦濤殿、どうかこの正銀を助けて、人民共和国の行く末を守ってくだされ、これこのとおりじゃ
金正日総書記は健康問題を抱えており、ちょうど豊臣秀吉の晩年のような状態になっている。
いつ心筋梗塞が再発するか分からず、余命は2年以内と見られており今度再発したら命がなくなりそうだ。

 一方正銀氏はまだ20代の若者で、国内に実質的な権力基盤を持っていない。金正日総書記が健在である限り「わが将軍(金総書記のこと)の胆力と気性がそのまま受け継がれたパルコルム(足音」だが、金総書記が死去すれば、実質的なNO2の張成沢国防副委員長がその地位を脅かす可能性が強い。

注)張成沢国防副委員長は03年に一時失脚したが06年に復権し、その後北朝鮮のNO2となっている。中国との関係が深く経済にも明るいといわれており疲弊した北朝鮮経済を立て直すのは張成沢氏しかいない。

一部では「将軍様と張成沢の力関係は紙一重」と評価されており、本来ならば金正日氏からパージされる立場にいるが、あまりに北朝鮮の経済が疲弊してしまい、その建て直しを張成沢氏に頼らざるえない状況でパージもできない。


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 金正日総書記が豊臣秀吉で正銀氏が秀頼、張成沢国防副委員長が徳川家康という構図で、このまま行けば確実に金王朝は終わってしまう。
金正日も人の子だ。子供のために中国もうでをして涙ながらに訴えたのだろう。

私が死んでもなんとかして、正銀を後継者といたしたい。それには胡錦濤殿が後ろ盾になってもらう以外に選択の余地はありません

中国の言うことは何でも聞ききます。核開発も凍結いたしましょう。だから正銀のことはお頼み申します
そんなところだろう。

 しかし中国の本音は中国の開放改革路線にならって経済再建に取り組もうとしている張成沢支持で、6カ国協議をすっぽかし、核開発に邁進してきた金正日総書記にうんざりしている。

 どうやら私が生きている間に金王朝の最後を見ることができそうで、正銀氏はラストエンペラーになりそうだ。

 

 

 

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(22.5.26) 韓国の9.11 哨戒艦天安の撃沈にいかに対処するか!!

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 韓国の哨戒艦天安が北朝鮮の魚雷攻撃によって撃沈されたことが明らかになって、南北関係は一挙に緊迫の度を加えている。
李明博大統領は24日談話を発表し、以下のような制裁措置を取ると言明した。

① 北朝鮮の謝罪と関係者の処罰の要求
② 国連安保理へ北朝鮮の制裁決議提出
③ 開城工業団地を除く対北経済交流の中断
④ 領海、領空侵犯等には即時自衛権の発動
⑤ 北朝鮮船籍の韓国側海域の通行禁止


 また国防相は、米韓合同の対潜水艦訓練を近く実施、今年後半に韓国周辺海域で大量破壊兵器拡散防止構想に基づく海上封鎖訓練を準備していると発言した。

 これに対し北朝鮮は猛反発しており「韓国のでっち上げだ」と主張しているものの、明確な魚雷攻撃の証拠があり、また過去何回も韓国に対しテロ攻撃を仕掛けた前科があるだけに、国際世論は「テロ国家北朝鮮がまたやったのか」という受け止め方だ。

注)83年のラングーン事件では韓国の閣僚17人が爆死させられ、87年の大韓航空機爆破事件では115人が犠牲になっている。

 もっとも韓国国内では金大中、ノムヒョンと2代続いた左派政権が10年余りも太陽政策を推し進めていたことから、北朝鮮はもはや韓国に対してテロを仕掛けることはないのではないかと見られていただけに韓国内のショックは大きい。

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 また李明博大統領も基本的にはこの太陽政策を継承してきたが、今回の談話はその太陽政策との決別を意味し、全面戦争を避けながらも、二度と北朝鮮がテロ攻撃を仕掛けないようにさせるにはどうしたらよいかとの苦心のあとが見られる。

 実は韓国にとって最も重要で実質的な措置は国防相が発表した、米韓合同の対潜水艦訓練と核拡散防止構想に基づく海上封鎖訓練である(北朝鮮を刺激しないためわざと大統領ではなく国防相から発表させた)。

 対潜水艦訓練は、北朝鮮小型潜水艦によるホーミング魚雷による攻撃に対処するためだ。
今回の事件で北方限界線NLL近海では北朝鮮が制海権を握ってしまったので、この制海権を取り戻どさなければならない。
また核拡散防止構想による海上封鎖が必要なのは、現在北朝鮮の輸出物資が核物質とミサイルになっているからである。

注)ホーミング魚雷とはスクリュー音を追尾して敵船の真下で爆発するようにセットされた魚雷

 一方経済協力の全面停止後も、開城工業団地の引き上げは除いているが、これは韓国にとっても北朝鮮にとっても犠牲が大きすぎるからだ(ここからの引き上げは全面戦争になる可能性が高い)。

 開城工業団地には121社の韓国企業が進出しておりこの団地の貿易額は、南北の貿易額約1500億円56%約850億円の規模となっている。

 北朝鮮はこの団地で4万人の工場労働者が勤務しており、その給与等の収入は年間約45億円といわれている。
北朝鮮にっては核物質とミサイル以外のまともな貿易は対韓国貿易だけであり、この工場団地が閉鎖されれば対外的に完全に孤立する。

注)これ以外には中国との貿易があるが、実質は中国の経済援助であって、貿易とは言いがたい。

 一方韓国は常時1000人規模の韓国人が開城工業団地で経営指導に当たっており、もしこの団地から完全撤退をすると、団地で働いている韓国人がすぐさま戦争捕虜になってしまい、さらに今までの投資額約5億ドル450億円相当)の資産を失うことになる。

 李明博大統領としては、北朝鮮との全面戦争は避けるが、NLL周辺の局地戦争では負けない体制を作り上げるということで、二度と北朝鮮がテロ攻撃に出ないような体勢さえ築ければ了としたいようだ

800pxnorthern_limit_linesvg1  だがしかしNLLと言われる北方限界線は実に厄介な問題が存在している。
ここは朝鮮戦争終結時点で、連合国側が海上の軍事的優位を背景に一方的に設定したものであり、北朝鮮はこれを認めていない。
実際地図を見てみると分かるが、NLLは北朝鮮の沿岸を取り巻くように設定されており、北朝鮮から見れば許しがたい領海設定になっている。

注)この海域では1999年に第一延坪海戦、および2002年に第二延坪海戦(西海海戦)がおこなわれており、北朝鮮が北方限界線を越境、韓国軍に戦闘を仕掛けている。
また2009年11月10日には、大青海戦と呼ばれる両国間での銃撃戦が発生し、北朝鮮の警備艇が大破しながら逃げ帰った。

 
ここNLL周辺海域は互いに領海を主張しあっている場所なので、いつでも戦闘が起こる。
両国とも全面戦争を避けながら、この局地戦と言われる領海紛争は負けるわけに行かない。
そして最も懸念されるのが互いに意地を張り合って、局地戦が全面戦争になってしまう危険性だ。


注)市場はこれを懸念してウォンと韓国株式を売っている。

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局地戦で勝利し、かつ全面戦争にしないための決断とは何か
韓国大統領は常時白刃のヤイバの上に座って決断しているようなものだ。
この韓国大統領に与えられた試練に比較すれば鳩山総理の普天間基地問題など試練に値しないことが分かる。

 一方は戦争の瀬戸際でぎりぎりの判断を要請され、一方は実質的にアメリカの庇護の下に安全を図られているため、防衛問題を住民の負担軽減の問題と思っている者の差である。

 韓国の大統領と比較すると、日本の首相は親に甘えている子どものようだ。それでも首相をしていられるのだから平和国家日本を喜ぶべきなのだろう。


 

 

 





 

 

 

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(22.4.23) 深く静かに潜行せよ 韓国哨戒艦「天安」沈没の謎

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 3月26日、韓国哨戒艦天安1200トンが、黄海のNLLといわれる北方限界線近くで撃沈し、40名以上の行方不明者を出した事件は、多くのミステリーを含んでいるが、どうやら北朝鮮の人間魚雷による攻撃を受けたのではないかとの観測が強まっている。

22.5.25追加)韓国、アメリカ、オーストラリアによる合同調査の結果、北朝鮮小型潜水艦から発射されたホーミング魚雷によることが判明した。

 当初は弾薬庫燃料タンクの爆発も想定されたが、実際に引き上げてみてそうした場所の損傷がないこと、また座礁するような浅瀬もなく、さらに老朽化による疲労破壊は造船大国の韓国ではありえないことから、外部爆発の可能性が高い。

 引き上げられた船尾部分の甲板も下から押し上げられたようにめくれており、また生存者の証言も爆発は艦船の外部で起こったと述べていることから、魚雷あるいは機雷による攻撃の可能性が疑われた。

 この黄海の海域は韓国と北朝鮮の間で互いに領海を主張し合っている場所で、韓国は朝鮮戦争後に連合国が定めたNLLという軍事境界線を境界としているのに対し、北朝鮮はさらに南方のNLLの内側部分まで北朝鮮の領海だと主張してきた。

注)NLL周辺はワタリガニの漁場で、北朝鮮の漁船がNLLを越えて操業しており、北朝鮮の警備艇が漁船保護を目的にNLLを越えて進入を繰り返している。

 このため常に両国は一触即発の軍事的緊張関係にあり、過去に何度も銃撃戦が行われている。
互いに相手を「領海侵犯した」と主張し合ているが、互いの領海が異なるのだから、領海侵犯はお互い様だ。

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 しかし最近は韓国軍の海軍力が圧倒的に勝るようになり、09年11月のいわゆる大青海戦では、銃撃してきた北朝鮮の警備艇が韓国軍の反撃で命からがら逃げ出している。

注)それ以前の2002年の西海海戦では北朝鮮警備艇の不意打ちで韓国兵6名が死亡している。

 これに激怒したのが金総書記で「我が軍は領海一つ守れないような腰抜けばかりか!!!韓国海軍を追い出せ・・・」と有効な報復体制をとるように命じた。
それに答えて準備していたのが人間魚雷で、艦船相互の銃撃戦では勝ち目がないので、自爆覚悟の特攻作戦に変更になったという。

注)韓国軍情報司令部が韓国海軍に対し「北朝鮮が人間魚雷で攻撃してくる可能性があるので、その対応を取るように」と注意喚起していた。

 どうやらこれが事実らしいが、今回は晴れてその成果が上がったわけで、いつも韓国軍に蹴散らされていた北朝鮮海軍が一矢を報いた形になった。
最も北朝鮮は「北朝鮮の関与はまったく濡れ衣だ」と大韓航空機爆破事件と同じような反論をしている。

 現在韓国側の調査団はアメリカやオーストラリアの専門家を含めて120以上の専門家が調査を行っている。
調査の結果北朝鮮の関与が明確になると思うが、事実が判明しても北朝鮮を強く非難できないのではないかとの憶測が流れている。

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注)NLL近辺での銃撃戦や海戦はいわば毎回の行事のようなものだ。ただし今回は韓国の誇る1200トンの哨戒艦(北朝鮮の警備艇は100トン以下)が撃沈してしまったので、軍事バランスが北に有利になっている。

 ようやく経済が上向きになってほっとしている李明博政権としては、北朝鮮との全面対決は避ける方針であり、限定的な戦闘行為に対する非難というレベルで矛を納めるようだ。
戦争など始めたら元も子も無くなってしまう。

 韓国のように常に軍事的緊張を強いられる国は大変だが、それだけに国民には緊張感があり、こうした危機対応一つとっても、あわてた対応はとりそうもない。

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(22.3.20) 金正日氏の最後の戦いと改革派

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 北朝鮮では常に改革派保守派がつばぜり合いを行っており、改革派が優勢になると中国をまねて改革開放が叫ばれ、一方保守派が優勢になると社会主義経済への復帰が叫ばれる。

 金正日総書記はそのバランスの上に立って国政を運営しており、ある時は改革派のポーズをし、またある時は保守派のポーズをしてきた。

 昨年11月に行われた100分の1のデノミは保守派が指導したもので、「自由市場でしこたま儲けた資本主義分子に鉄槌を加え、原爆製造に邁進する核心層の生活向上を目指し、輝かしい社会主義経済に復帰」する予定だったが、まったく裏目に出てしまった。

 誰も新たに発行された新ウォンを受け取らず、商人は商品を売らないから物価が急騰し、核心層に餓死者が出そうになった。
朴南基のやろう、俺をだましやがって。輝ける社会主義経済なんてどこにもないじゃないか。朴南基は反革命分子でわが国の裏切り者だ金正日が切れた。

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 この事業を推進した保守派の朴南基氏はかわいそうに射撃場で銃殺刑になり、76歳の命を終えた。
今度は改革派がはしゃぎだした。張成沢労働部長の指導で日本海沿岸に位置する港町、羅先市特別市に昇格して、ここの運営を自由に任せる代わりに、6000万ユーロ(約74億円)を上納させることにした。

金同志、羅先市の埠頭を中国やロシヤに貸与して、6000万ユーロの収益を上げて見せます。この資金で平壌に10万世帯の住宅を建設いたしましょう

 現在金正日総書記の頭には2012年が重くのしかかっている。
この年は故金日成国家主席の生誕100周年記念にあたり、この記念すべき年に三男、正銀氏を正式な後継者としてデビューさせたい。
そのためには国民にもプレゼントをしなければ総書記としての沽券に関わる。

平壌に新たな高層住宅を10万戸建設して、世界で最も優秀なわが国民に白米とキムチを食べさせることが私の使命だ。そうでないと父、金日成国家主席に顔向けができない

 あと2年しかないのに朴南基が経済運営でとちり、高層住宅が建設できなくなってしまった。残された道は改革派に乗ることだけだ。

張同志、お前が言っていた改革解放に舵を切ろう。経済特区も拡充し、中国に行って経済援助も依頼しよう。しかし単に物乞いでは男が廃る。
なにしろわが国はミサイル大国で、核大国なのだからな

金同志、それならばわが国にも立派な産業があることを中国に見せてやりましょう。咸興市にある、18年前に倒産したビナロン工場を復活させて、ビナロン生産を開始するのはいかがでしょうか。中国に負けない産業があり、単に物乞いではないと主張できます

注)ビナロンとは日本で言うビニロンのこと。

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 金正日総書記の命は後3年だろうというのがアメリカの見方だ。人工透析でかろうじて延命しているとも言われ、群集の前に出てくる姿はすっかり老人のそれになってしまった。
しかし健康状態が優れないにもかかわらず、咸興市で行われたビナロン工場復活式典張成沢氏を引き連れ、壇上から手を振って10万人の群集に答えていた。

後2年しかない。正銀を後継者にし、立派な国家を残してやらないと中国とアメリカの餌食にされてしまう。改革開放もそれまでの辛抱だ。平壌に10万戸のアパートが建設できたら、再び国を閉じてしまおう
金正日総書記の最後の戦いが残された命の中で続けられている。

 

 

 

 

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(22.2.7) 嫉妬のデノミネーション 北朝鮮経済

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(北朝鮮に一体何が起こっているのだろうか????)

 北朝鮮が09年11月30日100分の1デノミを実施し、さらに自由市場を閉鎖してから3ヶ月北朝鮮経済は大混乱に陥って、再び自由市場に復帰するようだ。
毎日新聞が北京情報として伝えたところによると、デノミの実質的な責任者、朴南基党財政計画部長日本的概念では財務・金融大臣)が金正日総書記によって責任を問われ解任されたと言う。

注)北朝鮮では2002年7月頃から、私企業や自由市場の存在が正式に認められていた。

 北朝鮮の実施したデノミは実に不思議なデノミだった。それは嫉妬のデノミとしか言いようのない代物だった。

 通常デノミはインフレが更新して、たとえばりんご一つが1兆円程度になってしまい、市民生活がなんとも不便になった場合に実施される。

 第1次世界大戦後のドイツがその例で、買い物はリックサックに札束を背負ってしなければならなかった。
ほい、1兆マルクでりんご1個ちょうだい
リックサック一杯の札束でようやくりんご1個買えるのだから、この労力は大変なもので買い物はリックサックを背負える屈強な男性しかできなくなった。
これはいくらなんでもひどいと1兆分の1のデノミを実施した。

注)デノミを実施する場合、同時に物資の十分な供給や労働者の賃金の凍結等を行い、需要と供給をあわせる措置が必要になる。そうしないと再びインフレが更新して、再度デノミを行わなくてはならなくなる。

 もう一つのデノミの形態は、国家の威信を高めるために実施するもので、「1ドルが100円じゃかっこ悪い。1ドルを1円にしたら、円とドルが等価のようになるじゃないか」と言う理由で実施するものである。

 日本が2000年前後に検討したデノミがそれだが、コンピュータシステムをすべて変更しなければならず、一方そうしたからと言って経済にプラスの影響は何もないのだから、「無駄な道路工事と同じゃないか」ということで沙汰止みになった。

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 しかし今回北朝鮮が実施したデノミはインフレ対策でも国家の威信を高めるためでもなく、嫉妬心から行われた特異なデノミと言える。

注)確かにインフレは更新していたが、今回のデノミはインフレ対策が主たる目的ではない。

国家の核心層(金正日総書記に忠誠を誓っている層)が国家のためにテポドンや原爆を開発し懸命に努力しているのに、自由市場を利用してしこたま金を溜め込んだ不埒な商人層が跋扈し、核心層より良い生活をしている。
この商人層の資産を没収しろ


 自由市場を停止し、100分の1のデノミを実施したが、旧ウォンと新ウォンの交換は1世帯当り10万ウォン日本円で3000円程度)しか認められなかった。
これでは市場経済で営々と築いてきた資産がたった3000円になってしまったことになる。

注)その後15万ウォン(4500円)まで交換を認めた。

 一方で核心層に対する給与はそのままだったから核心層は一挙に100倍金持ちになったことになる。
父ちゃんは金持ちになった。坊主、なんでも買ってやるぞ
一斉に買い物に殺到したのでたちまちのうちに物資がなくなってしまった。

 商人層は資産を4500円に減らされ、市場も閉鎖されたので何もすることができない。また公的な商店にはもともと商品などはほとんどないのでたちまちのうちに売り切れ完売になって売るものがなくなってしまった。

とうちゃん、金持ちになったんだからバナナを買ってちょうだい
坊主、それが商品がどこにも売ってないんだ。自由市場も閉鎖されたので買い物もできない

 食料が市場から消え、核心層に餓死者が出そうになって、さすがに金正日総書記も反省したらしい。
人民が白米を食べれず、いまだにとうもろこしを主食にしていて心が痛む
デノミの失敗を認めて責任者を更迭し、自由市場を再び認めることにした。

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冷静に考えれば嫉妬のデノミなんて失敗するものさ

 もともと嫉妬心から実施するデノミが成功するはずがない。商人層はウォンを溜め込んでも紙切れにされるのを知っているから、新ウォンを誰も受け取らない。
お客さん、ウォンは羊のえさにしてください

 物々交換か、元やドルと言った通貨でしか売買はしなくなった。
そうなると紙切れだけを持っている核心層の生活が困窮してしまう。
坊主、食べ物がなくなった。仕方がないからウォンを食べておけ

注)なお元やドルでの取引は違反だから、おおっぴらにすることはできない


 嫉妬のデノミはこうして3ヶ月間の大騒ぎの後に大失敗だったと金正日総書記が認めて収束に入ることになった。
経済現象を嫉妬で変えようとしたデノミは、あたかも徳政令を一瞬喜んだ鎌倉時代の御家人と同じ様に更なる貧困を生んだだけだった。




 

 

 

 

 

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(21.6.7) 儒教国家北朝鮮の後継者問題

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 金正日総書記
が老いの一徹で最後の賭けに出ている。昨年の8月脳疾患で倒れた後、すっかり身体が弱った金総書記だが、それだけに後継者問題で執念を燃やし始めた。

俺の命は短い。何とかして後継者に磐石の国家を残さなければ金王朝が崩壊する
選ばれたのは3男の金正雲氏(26歳)だと各国のメディアが一斉に報じだした。

 金正雲氏は党組織指導部長で、金総書記の愛情を一身に受けていると言われ、先月行なわれた2回目の核実験のあと、正式な通達が労働党幹部や軍幹部に伝えられたと言う。
金正雲を尊敬しろ

 北朝鮮が友好国中国の制止もまったく聞かず、長距離弾道ミサイルの発射実験核実験を強行しているのは、すべて金総書記の健康不安から来ている後継者問題があるというのが、観測筋の見方だ。

 北朝鮮の経済は完全に崩壊しており、そのため北朝鮮は精巧な偽札を作ったり、高品質の覚醒剤を作って外貨を獲得してきたが、アメリカ、中国、日本の官憲の目が厳しくなって、外貨稼ぎもままならない(ただし偽札についてはまた出回り始めたとアメリカの当局が警戒している)。

だから俺が死亡した後に残せるのは、ミサイルと核弾頭だけだ
最後の金総書記遺産相続というわけだ。

 現在アメリカが最も恐れているは、ミサイルと核弾頭がアルカイダのようなテロ組織に流出することである。
それゆえアメリカと日本は、強制的な船舶の臨検を国連制裁決議に入れようとしたが、今回も中国の反対で強制力は無くなった

 しかし追い詰められた北朝鮮は危ないビジネスに走る可能性が高い。

 一方で金正雲氏の後継問題は北朝鮮内部においても物議をかもしだしそうだ。一番の問題は金正雲氏が長男でないことである。
儒教国家北朝鮮では長子相続が正当と判断されるから、三男金正雲氏の後継は異例と言うことになる。

 長男には正男氏がいて、従来はこの正男氏が後継者になるものと思われていた。ところが正男氏はかなりの遊び人で01年5月に日本に密入国しようとして正体がばれ、強制退去を命じられてしまった。
正男氏は秋葉原でゲームやパソコン等を購入するのが目的だったようだ。

 この失態で正男氏金総書記から叱責を受け、その後後継者レースから失脚したと噂された。
また次男の正哲氏は、もともと影が薄く後継者レースに名前が出ることはほとんど無かった(正男氏が失脚したと噂が出た後、一時後継者とみなされたことはあった)。

 金総書記の立場は、死期が近づいたときの豊臣秀吉にそっくりだ。なんとか正雲氏を後継者にすべく、実力者序列NO2張成沢氏正雲氏の後継を依頼している。
張成沢殿、おぬしだけが頼りじゃ。どうか金王朝のことはよろしく頼む。正雲のことをささえてくりゃれ

 張成沢氏金総書記が脳疾患で倒れた後、北朝鮮の実質的な政務を執り行っており、現在は金総書記の忠実なしもべを装っている。
しかし後継者の金正雲氏金日成のような輝ける実績はなく、また金正日氏程度の政治力も無い。たんなるお坊ちゃんだ。

 崩壊直前の金王朝がお坊ちゃんでは救えないのは誰の目にも明らかだ。
だから金総書記が死去した後、張成沢氏徳川家康になるのはほぼ間違いないだろう。

 

 

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(21.4.7) 金正日の瀬戸際外交 長距離弾道ミサイル発射実験

Images6  北朝鮮人工衛星と主張し、世界長距離弾道ミサイルと思っているテポドン2号改良型の実験は、人工衛星であれば大失敗、長距離弾道ミサイルであれば大成功に終わった。

 朝鮮中央通信は例によって「光明星2号(06年に失敗したテポドン2号も人工衛星と言っていたので、これが人工衛星の2号になる)を周回軌道に乗せることに成功した」と発表したが、アメリカの北米航空宇宙防衛司令部は1段目は日本海に落下し、残りは搭載物とともに太平洋に落下した。いかなる物体も周回軌道に乗っていない」とにべもない発表をした。

 北朝鮮は洗脳国家だから、存在しない人工衛星も「金正日総書記の一言」で存在しているように見えるのだろう。

 北朝鮮の朝鮮中央テレビのアナウンサーはいつものように絶叫して、北朝鮮の宇宙開発技術の高さをたたえていたが、日本を除いた各国の反応はさめたものだった。

 日本はアメリカとともに、北朝鮮の今回の行動は「弾道ミサイル計画に関する全ての活動停止を求めた安保理決議1718号」に違反するとして、直ちに国連安保理緊急会合を求め、より強固な制裁決議をもとめることとした。
しかし、中国とロシアの反対でそれも望み薄だ。

 中国は「人工衛星の打ち上げは制裁決議に違反しない」との立場だし、ロシアは「人工衛星か否かを確認してから」と実質的なサボタージュをするつもりだ。

 アメリカのオバマ大統領は「弾道ミサイル技術の開発と拡散は北東アジア地域や国際社会の平和と脅威を与えている」と怒って見せた。しかしアメリカの主要課題はアフガンイラクであり、北朝鮮問題は「中国に任せる」つもりだから、それ以上の対応をするつもりはない。

 韓国は本来もっと厳しく反応してもよさそうだが、今回のテポドン2号改良型の射程距離は約8000kmで、これはハワイアラスカを射程距離圏に置いた実験なので「韓国には直接関係がない」と思っている(対韓国用には射程距離500km程度のスカッド改良型ミサイルがすでに大量に配備されているので、いまさら騒いでも仕方がないとの態度)。
李明博大統領は日本に「過剰反応しないように」と教訓までたれる始末で、過剰反応をしているのは日本だけになってしまった。

 日本が過剰反応したのは、この長距離弾道ミサイルが日本の上空を飛んで太平洋に落下するからであり、あたかも日本を狙ったような実験だったからだが、今回の北朝鮮の意図は明らかに違う

 今回のテポドン2号改良型の実験は「アメリカにも届くぞ」というメッセージであり、実際にハワイアラスカが射程圏内に入ってきた。
8000kmもの射程距離を持つミサイルを保有している国は、ほかにアメリカ、ロシア、中国だけで、たしかに北朝鮮はミサイル大国と言える。
(なお対日本用のミサイルはノドンで射程距離約1300kmと言われており、北朝鮮はすでに約200基のノドンを保有している。対日本用として8000kmはいらない)。

 アメリカにとってはこしゃくな話だが、実際問題としてアメリカの安全が脅かされているとは露ほども思っていない。
核弾頭の数が少ないのと、小型化に成功しているか否か不明なことと、いざとなったらイラクと同様に一気に北朝鮮を叩き潰せると言う自信があるので、「アフガンとイラクが片付くまで自由にさせておこう」というのが本音だ。

 それをいいことに北朝鮮は好き勝手をしているのだが、北朝鮮の瀬戸際外交は相当危険に満ちている。通常の指導者であれば「国民を戦争に引き釣り込むことはすまい」と判断するのだが、北朝鮮には通常の国民と言う概念はなく、金正日とそれを支持する一派だけが国民だ

 北朝鮮の食糧問題は深刻だが、それでも(韓国の推定によると約300億の費用をかけて、テポドン2号改良型の開発を行なっている。通常の国家ならば食糧輸入が優先されるはずだが、金正日のミサイルの方がずっと大事だというのが北朝鮮だ。

俺だけは助けてくれ。そうしないとミサイルをぶっ放すぞ」子どものような脅しだが金正日の本心だ。

 金正日は昨年の8月に脳梗塞で倒れてから、めっきりやせてしまい判断力も鈍っていると言われているので、なにか朦朧とした頭脳で瀬戸際外交を繰り返しているように見える。

 通常の人はトラの尻尾など踏まないのだが、金正日は何度でも踏むので、本当にそのうちにアメリカが牙を剥きそうだ

 

 


  

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