(20.7.20) 教育委員会に国語教育を
大分県教員採用試験の汚職事件に伴い、全国の教育委員会に事前連絡等の調査を文部科学省が実施したが、その結果教育委員会の恐るべき日本語能力の欠如が判明した。
37都道府県・政令都市の教育委員会で「県議や市議に対して事前連絡を行なっているが、金銭的な授受は一切ない」と回答してきたのである。
群馬県、埼玉県、山梨県、北海道、仙台市等すべて同じ回答だ。
ここで次のような国語の問題を解いていただきたい。
○○教育委員会教育長が電話で××県議にA君の合格通知を連絡している。『 』の中に最も適切な言葉をいれて、標準的日本人が理解できる会話を作れ。
教育委員会の模範解答
教育長「先生から何も依頼のなかったA君の採用について、事前に言う必要はないのですが、合格しました」
県議「私にとって何の関係もないA君について、必要もないのに事前に合格をしらされました」
教育長「ついては金銭の授受はしないことになっていますので、何も関係ないA君のお父さんに金銭はダメだと伝えてください」
県議「では、何も関係ないA君のお父さんに、商品券は金銭でないと伝えましょう」
これが日本語と言えるだろうか。教育委員会は日本語を知らないのではなかろうか。私がこの模範解答の採点者だったら零点をつける。
標準的日本人の回答
教育長「先生から依頼のありましたA君ですが、A君を合格させるのは大変だったのですよ。なにしろ成績がいま一つだったので」
県議「しかし、まさか不合格なんてことはあるまいね」
教育長「先生のたっての依頼とあれば、断るわけには行きませんが、そのための得点調整には苦労しました。担当者の抵抗も相当なものでした」
県議「そこを通すのが、君の役目だろう。それはそうとA君の父君が君にお礼をいいたいそうだ。ぼくも同伴するからX料亭でどうだ」
教育長「くれぐれも金銭の授受はまずいですよ」
県議「ははは、分かってるよ、商品券だろう」
これなら立派な日本語だ。100点をつけてもいい。
私は教育委員会は決定的に日本語能力が欠如していると思う。なぜ上記のような100点が取れる回答ができないのだろうか。
教育委員会がこんなことだから、児童の日本語能力の低下現象をふせぐことができないのだ。
子供たちの学力向上のためには、まず教育委員会の日本語能力の向上をはかり、教育長が立派な日本語をしゃべれるようになる運動を起こす必要がありそうだ。
「必要もないのに事前に連絡している」なんて回答をしている教育長の日本語レベルは小学生以下だと私は思う。
最近のコメント