(22.7.9) 坐骨神経痛 始末記
私が坐骨神経痛に悩み始めてからはや10年が経とうとしている。
右足の臀部と大腿部の外側、それとふくろはぎの外側がもっぱら痛んでいたのだが、最近はふくろはぎそのものが痛むようになってきた。
坐骨神経痛は痛む部位がだんだんと下に移り、最後は歩けなくなると聞いていたので、痛む場所が変化するととても気になる。
「ふくろはぎの外側とふくろはぎそのものと、どちらが問題が多いのだろうか?」
この坐骨神経痛を痛めたのはあまりにマラソンをし過ぎたせいだ。特にトランスエゾ1100kmレースと言うのに参加したあと、極端に右足が痛むようになってきた。
この痛みが始まると腰が微妙に前かがみになって、走ると股が開かなくなりスピードがでない。
よく女性が小股でチョコチョコ走っているがあの走りになってしまう。
当初はずいぶん悩んで、矢上裕氏の自力整体を試みたり、帝京市原接骨院に通ったりしていたが、確かにそうした治療は一定の効果があるのだが病気そのものが直ると言うことはない。
一種の対処療法で、している限りは病状を悪化させないと言うのが実態だった。
「こんなに日夜努力しているのに直らないとはひどい」そんな訳で途中からすっかり諦めてしまった。
実際は坐骨神経痛は神経が痛んでいるので、大腿部やふくろははぎが傷んでいるわけでない。だから痛みさえ我慢すれば通常に走れるし、生活するのにも支障がない。
「痛いが、これは仮想的な痛みで、神経が間違った情報を伝達しているにすぎない」居直ることにした。
実際は走り始めや歩き始めは相当痛いのだが、時間がたつにしたがって痛みが和らぐ。身体が柔らかくなって体温が上がってくると不思議に痛まない。
また走っていると前傾姿勢になり、腰への負担が少なくなるせいかほとんど痛みが消えてしまう。
「ほれ見ろ、痛いと思っているから痛いので、実際は痛みなどないのだ」
そう割り切るようになってから、長い距離のレースをするのがまったく苦にならなくなった。
私は最近毎月のように100km程度のレースに出ているが、右足が痛んだ場合は左足に聞くことにしている。左足には坐骨神経痛がない。
「まだ、左足君は痛んでないし疲労してないので、右足君もまだまだ走れるよね!!!」そう判断するのだ。
一時はこの右足の痛みに耐えかねてマラソンを控えていたが、最近は速さを別にすれば昔のトレーニングに戻っている。
所詮坐骨神経痛は仮想的な痛みなのだから、痛くないと思えば痛くないのだ。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言って快川 紹喜(かいせんじょうき)上人は焼け死んだがなにかその境地に近くなってきた。
「カメゴン、またマラソンをしても問題がなくなっている。いくらでも走れるよ」
「先生は、つい調子に乗って走りますから限界も考えてください。左足にも坐骨神経痛が出たら事ですよ」
「100km程度だったら大丈夫だろう」
「腰に負担が直接来ないように腹筋と背筋を鍛えて、前傾姿勢で走ってください。以前腰を痛めたのは重心を後ろにかけて腰に重圧をかけすぎたからです」
「そういえば坂を下りる時にひどくそっていたな」
「腹筋が弱いと身体がそりますので、日常的な腹筋運動がお勧めです。
それと坐骨神経痛は外側が痛むので、ふくろはぎそのものが痛むのは別の症状ともいえます。
ふくろははぎが疲労して軽い肉離れになっているのかも知れません。
その場合は休むのが一番の対処です」
カメゴンコーチの指示は真面目に聞くことにした。
最近のコメント