(20.7.24) 今年の同期会
今年も昨日(22日)、年に1回の会社の同期会が開催された。私がある金融機関に入ったのは昭和45年だから、ほぼ40年も前のことになる。
全員がすでにこの金融機関を退社しており、私のように完全にリタイアしているか、関連会社に第二、第三の職を得ている。
昔の若者はすべて60歳を越え、初老と言っていいほどの年になった。一様に髪は薄くなり、身体には脂肪がたまって丸くなっている。
だが集まるとすぐに40年ほど前にタイムスリップし、和気藹々となるのがとてもいい。
しかし数年ほど前まではこうではなかった。まだ出世競争が続いており、出世した者もそうでない者も心にわだかまりがあって、何か完全に心を開くことが出来なかった。
60歳を越えた今、まだ職を得ている者も「そろそろ引退しなければならない」と考えている。
ほとんどの人はこの金融機関の斡旋で職を得ているために、後輩にその職を譲らなくてはならない時期だ。
「いまさらギラギラした生活はもういい」
そのため、話題は健康や老後のプランが多い。また妻に対する接し方も重要なテーマだ。
Y君は心根の優しい人だ。
「女房だけは大事にしないとダメだ。俺の一番のパートナーだ。まだ仕事で帰宅が遅くなるようなことが多いが、できるだけ女房に接するようにしている。何と言っても女房が一番だ。
先日胃がんの検診で胃が相当荒れているのが分かった。タバコをやめて長生きし、女房と二人で楽しい老後を過ごすことにしたい」
酒が入っていたせいもあるが、素直に女房をほめていた。
K君は私と同じように金融機関の職員だったことが終生なじめなかった人だ。
「俺は故郷の京都に戻り、そこで晴耕雨読の生活をする。だから来年からは同期会には出てこれない。いままで随筆を原稿用紙で250枚程度書いたが、何とかこれを物にしたい。
伊能忠敬だって引退してから花開いたじゃないか。俺が目指すは吉田兼好だ」
同期会では全員が5分程度の近況報告をする。
私が「小学校の先生をしている」と言ったら一応に驚いていた。ほとんどの人がこの金融機関と関連する仕事で生活をしている。私のように無関係に生計を立てている人はほとんどいない。
「小学生にパソコンを教えているが、孫みたいなものだ。とてもかわいいし、『パソコンの先生』なんて呼ばれると張り切ってしまう」
「毎日四季の道と言う6km程度の遊歩道を清掃している。仲間は10名程度いて、みんな街を美しくしようと積極的だ」
「おゆみ野の森という里山があって、そこの草刈隊長をしているが、ここではこの里山を守ろうとしている若いお母さん方とも仲良くなった」
私の生活が同期の人には異色なせいもあるが、感心して聞いてくれた。
「山崎の生活が一番いいな」うらやましがられた。
帰りがけにO君から「山崎は全く体型が変わらんな。その身体には感動してしまう」と言われた。O君は入社時は柔道部のキャプテンだったこともあり、筋肉隆々としていたが、今はよる年波で体型が崩れている。
「うん、いつも鍛えているから」と言ったが、体型をほめられたことが本当は一番嬉しかった。
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