(23.2.27) 歩く会 長柄ダム一周
おゆみ野の健脚ばかりを集めた歩く会を昨年から発足させている。
会員条件はとっても厳しく、「50歳以上で何があっても泣き言を言わないこと」が入会条件だ。
幹事は菩薩姉さんで、足切りが厳しく会員はなかなか増えないが、メンバーは強豪ぞろいだ。
四季の道の散歩おじさんは散歩が趣味で一年中歩き回っている。放っておくと一周6.5kmの四季の道を止めどもなく歩くので、私が時間を見計らって「今日はこの程度で止めましょう」とレフリーストップをかけなければならない。
菩薩姉さんも大変なものだ。日記に毎日歩いた距離を記載していて、とうとう地球を一周してしまった。これでもまだまだで、死ぬまでに月まで歩くのだという。月までの距離がどのくらいかは知らないが、その意気や良しだ。
菩薩姉さんの友達のケヤキ姉さんは、鎌取駅の北側のまだ自然が残っている小道をすべて知っている。時間があれば小道ばかり歩くので、あるとき小川にはまってしまった。しかし平然とその小川の中を歩いていたのだからすごい。
私がこの会に入ったのはサンチャゴ巡礼や北海道一周などをしているのを菩薩姉さんが知って入会許可を与えてくれたからだ。
「まあ、山崎君なら一緒に歩けるでしょう、入れてあげるわ」
私はこの名誉有る歩く会に参加できることになって、喜びのあまり号泣してしまった。
そして今回新たにメンバー参加を許されたのは、パイロットおじさんである。パイロットおじさんは長い間空の上ばかりいたのであるとき考えた。
「人間はやはり空の上でなく地上を二本足で歩くのが正常ではなかろうか」
会社の上司に「これからの飛行機は空を飛ばずに二本足で歩いたほうがいいのじゃないか」と言ったら「君はどうやら地上職が向いているようだね」といわれてパイロットを首になった。
パイロットおじさんは漸く空から解放され、その後は歩くことばかりを考えている。
こうして歩く会の5人衆が集まって、今回は長柄ダムを一周することにした。
このダムがある湖の名前は市津湖(しずこ)と言う。名前だけ聞くと女性の名前と間違う。
この市津湖は湖の沿って遊歩道が整備されているので一周できるはずなのだが、いままで歩いたことがなかった。
「今回は市津湖一周をしよう。距離は14km~15km程度です」私が提案した。
「山崎君、そんなやわな計画では歩く会の名折れよ」菩薩姉さんが異議を唱えた。菩薩姉さんは24時間歩きとか、100km走破なんてのが好きで、この程度の距離だとご不満だ。
「菩薩姉さん、ここは湖に沿った場所と、湖から山の中に入り込む場所があって、それなりにタフなコースみたいですよ。それに油断するとコースアウトする場所もあるみたいだし・・・・」
ようやく菩薩姉さんの許可を取って長柄ダムに行くことになった。
「ただしこの程度の距離では、食料と水は一切持ってきてはいけない」と菩薩姉さんが言う。
この日(25日)は2月とは思えない陽気で、まるで5月の気温でぽかぽか歩きになった。
汗が吹き出てのどが渇く。私がへたばったのを見て散歩おじさんが、(菩薩姉さんがトイレに行っている間に)、そっとおにぎりと水を飲ませてくれた。
持つものは友だ。
見るとケヤキ姉さんもパイロットおじさんも適度に食料を持ってきて、そっと食べている。
まったく何も食べず先頭に立って歩いたのはいつものように菩薩姉さんだけで、「帰ったらベルディ(近くのスポーツセンター)で一泳ぎしなくちゃ、油断すると豚のような身体になるからね」と言っていた。
菩薩姉さんは後ろから見ると砲丸投げの選手のように逞しい。
私はこの会がとても好きなのだが、菩薩姉さんのスパルタ訓練には毎回あごがあがってしまう。
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