(23.3.2)東京マラソン 川内選手の快挙 世界選手権出場 おめでとう
私はこうした選手がことのほか好きだ。2月27日に行われた東京マラソンで2時間8分37秒で3位に入賞し、この8月に行われる世界選手権マラソン代表に内定した川内優輝選手(23歳)のことである。
私が特にすばらしいと思うのは、川内選手が実業団選手でもプロのランナーでもなくアマチュアの市民ランナーだからだ。
日本ではトップクラスの選手はほとんどが実業団に所属している。
通常実業団に所属すると仕事は午前中いっぱいで午後からは練習というパターンが多い。また試合には優先的に出られるので仕事面で煩わされることはない。
練習場も合宿所も整備され、専属のコーチがいて指導をし、また専属の栄養士や情報の分析士などもいて、ほとんどプロの選手と変わりがない。
注)最近は高橋尚子選手のようにプロの選手も多くなってきている。プロになればメーカー等と広告宣伝契約が自由にできる。
これに対して川内選手は埼玉県の県庁職員であり、県立春日部高校の定時制の事務職をしている。
川内選手がこの職場を選択したのは、仕事が午後1時半から9時半までで、午前中にトレーニングが可能な環境だからだろう。
実業団に所属せずかつ十分な練習時間を取ろうとするとどうしてもこうした職場を選択することになる。
注)私も昔登山に熱中していた時は、学校の教師になれば良かったと悔やんだものだ。夏休みをフルに利用して海外の山にも登りたかったからだ。
そうした環境の中で今回川内選手が出した2時間8分37秒と言うタイムは驚異的なタイムだ。これは全盛時代の瀬古選手や中山選手や、宋茂選手に匹敵する。
実は日本の男子マラソンが低迷を始めて久しい。高岡選手が2時間6分16秒をだしたのが2002年で、それ以降日本男子マラソンは急激な低迷期に入った。
08年12月の福岡国際を最後に2時間10分をきる選手もおらず、まったく世界には歯が立たなくなっていた。なにしろアフリカのケニアやエチオピアには2時間3分台から5分台の選手がゴロゴロいるのだから、「もう日本はダメだ。男子マラソンは諦めよう」と指導者も選手も思っていた矢先の川内選手の快挙だ。
もっともこの8分台では先頭集団に途中まではついていけるというレベルで、主要な大会で優勝を狙うには5分台がコンスタントに出せる実力がないと難しい。
それでも最近のオリンピックや世界選手権のようにレースの早い段階から日本選手が置いていかれるようなことはなさそうだという希望を与えてくれる。
「よかった、これでまたマラソン中継を見る気持ちがわいてきた」
川内選手は「埼玉のロッキー」だ。自分ですべての練習計画を立て、誰の指導も受けず、走る環境も自分で選択し、そして瀬古や中山や宋茂選手並の選手になった。
実業団の選手が意気消沈している間に、埼玉のロッキーが徒手空拳で這い上がってきた。
世界選手権は8月の夏の韓国だ。夏場でかなりきついが埼玉のロッキーに期待したい。
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