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(23.2.2) 異常気象と国家の崩壊   アラブ穏健派の黄昏

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 「風が吹けば桶屋が儲かる」のだろうか、世界的な異常気象がとうとう国家の崩壊をもたらし始めた。
アラブ穏健派と言われていたチュニジアでは大統領が亡命し、アラブの盟主エジプトでは約30年間続いたムバラク独裁政権が黄昏を迎えている。

注)過去最大規模のラニーニャにより、オーストラリア、東南アジア、ブラジルの豪雨、インドの低温、パキスタンの洪水、ロシアの旱魃、そして北半球の豪雪が発生している。

 しばらく前までは異常気象が発生しようがすまいがさして政治・経済現象と関係しなかったが、ここに来て一気にその結びつきがあらわになってきた。
異常気象→穀物生産量の減少→穀物価格の上昇→アラブ穏健派政権の崩壊と流れがつながった。

 従来アラブ穏健派諸国は国内のアラブ急進派を押さえる見返りにアメリカとEUから軍事援助と経済援助を得て国家を運営していた。
国民の多くは貧しかったがそれでも飢えることはなく、「ムバラクはひどいヤツだが、生きてはいける」と一定の支持はされていた。

 それがここに来て食料価格の暴騰が始まり、チュニジアでは無許可の青年が野菜を売っていたことをとがめられ焼身自殺したことから一気に政権崩壊につながってしまった。

 今はエジプトやアルジェリアやイエメンがいつ食料価格暴騰に怒った民衆につぶされるか分からなくなっている。
異状気象による大雨や旱魃で穀物生産が減少し、これが一気に食料品価格の高騰につながったのは投機資金が流れたからである。

 農産物は工業製品と異なり収穫が年1回だからその年の旱魃や大雨被害で価格上昇をしやすい。しかし当然のことに穀物の備蓄は相当量なされているから、すぐには価格上昇にはつながらない。少なくとも過去はそうだった。

 しかしリーマン・ショック後のアメリカ・EU・日本が行った超金融緩和策によって世界中に資金が有余ってしまった(リーマンショック前の高騰は日本の金融緩和策が原因)。
何か儲けはないか、子猫ちゃん」と言う状況で、少しでも品薄が予想されると一気に投機資金が流れ込み瞬く間に価格が上昇する。

 コーヒー、食用油、砂糖、綿製品、小麦と何でもいいから投機資金の餌食にされ、昨年後半だけで食料品価格は平均30%の上昇に見舞われている。
いくらおとなしい国民でも飢えが近づけば立ち上がる。
インテリは自由を求めて、そして多くの民衆はパンを求めて立ち上がった。
自由とパンをよこせ、ムバラク

 こうした場合かつてはアメリカやEUが独裁政権に資金提供し食料品価格引き下げに協力したのだが、アメリカもEUも自国の経済に手一杯で今はそのような余裕はない。
ムバラク、君を助けることができない。民衆の要望を入れて民主化を図るポーズをとれクリントンサルコジもつれない。

 異常気象だけならまだしも、金融の超緩和策と言う人災を触媒にして食料価格の高騰を引き起こし、アラブ穏健派政権の崩壊が始まった。
風が吹けば桶屋が儲かった」のだ。

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