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(23.2.17) ムバラク氏の不正蓄財 5兆円は回収できるだろうか

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 さすが独裁者となると蓄財の規模が違う。英サンデー・テレグラフムバラク一族の不正蓄財は最大で400億ポンド5兆3400億円)にのぼると報道したためいっぺんにきな臭くなってきた。

 ムバラク氏の過去30年に及ぶ独裁政治はムバラク氏の主観ではすべてエジプト国民の名誉と財産と主権を守るための闘いだったはずだが、どっこい黒い頭のネズミがムバラク氏の周辺に徘徊していた。

 その中でも最も黒い頭のネズミはムバラク氏の次男で、一時はムバラク大統領の後継者争いNO1といわれたガマル氏である。
ガマル氏の蓄財の方法はエジプトに進出を希望する外国企業とパートナー契約を結ぶというもので、エジプトではピンハネパートナー契約と呼ぶ。
ガマル氏はこの資金を元に世界各国で不動産を購入したり株式投資をしたりしてさらに蓄財に励んでいた。

注)エジプトにはニッサンやスズキやYKKや三菱商事等が進出しているので、一度このパートナー契約の内容を教えてもらいたいものだ。

 アフリカや中東の独裁者の不正蓄財は推定で126兆円程度だそうだが、その3分の1スイスのプライベートバンク主として個人の大口預金を預かる金融機関。秘密口座はほとんどがこのプライベートバンクに有る)に保管されているという。
したがって、推定で40兆円の不正蓄財がスイスにあることになり、ムバラク一族の不正蓄財ももっぱらスイスの銀行に預けられていると言われていた。

 スイスに不正蓄財が集まる理由はスイス銀行特有の秘密主義にあり「社会的な道徳観念よりも銀行と顧客の関係を重視する」のがスイス銀行の真髄だからだ。
最も最近はアメリカやEUからマネーロンダリングの温床だと非難されているので、スイス政府も「不正に蓄財した国有財産については凍結する」との法律改正を行い、独裁者の金庫番と言う汚名返上に躍起となっている。

 スイス政府はかなり真面目に資産凍結措置を行なおうとしているが、実際に凍結を行おうとするとかなり難しい問題が発生する。
一番の問題はその口座がムバラク氏やその一族の口座であることを特定するのが難しいことで、当然のことにプライベートバンクの口座は無記名口座だからだ。

注)日本のように運転免許書で本人確認などと言う野暮なことはしない。

 その次に難しいのはたとえそれがムバラク氏の口座だと特定されたとしても不正蓄財の結果であると証明することが難しいことだ。
大統領としての給与が振り込まれていた場合などは、生活費とみなされて正当な蓄財となり凍結の対象から外れる。

 それになによりスイス政府が資産凍結に熱心になればなるほど、資金はより不正蓄財に寛容な国の金融機関に移動されてしまう。
実際、スイス政府はムバラク氏が大統領を辞任した日にムバラク一族の資産凍結を発表したが、すでに資産はスイスから中東の独裁国家に移されてしまったとの観測がしきりとされている。

注)現在ほど資金移動がたやすく行われる時代はない。

 以上のことから約5兆円と言われるムバラク一族の資産は、ムバラク氏がエジプト国民に返済する決心でもしない限りエジプト国民のものになることはないだろう。
エジプトの英雄として名誉を保持したいならば、5兆円をエジプト政府に返却することにするはずだが、果たしてどうなるだろうか。

 この資金の返済問題はムバラク氏(そしてその一族)がエジプトの愛国者だったか、単なる欲張りの独裁者だったかの試金石になりそうだ。

 

 
 

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