(23.1.23) 日本を中国の覇権から救った男 元海上保安庁保安官 一色正春氏
あれほど日本国内で大騒ぎになった中国漁船当て逃げ事件の最終処分が確定した。
中国漁船の船長、および当て逃げ事件をYou-Tubeに投稿した元海上保安庁保安官、一色正春氏(44才)の両者の不起訴処分が決定したからである。
中国漁船の船長についてはすでに那覇地検が「政治的判断で釈放」したことを言明していたし、今回の不起訴についても政治的判断なのは確かなのだが、菅総理は相変わらず「地検の判断だ」ととぼけていた。
一方一色氏については、当初仙石前官房長官が「国家最高機密の漏洩で内閣を挙げて漏洩者を逮捕する」といきまいていたが、実際は最高機密でもなんでもなく、保安官ならば誰でも見れる一般情報だったので、すっかりしらけてしまいこちらも不起訴処分になった。
なお一色氏は海上保安庁の内部処分で、昨年の12月22日に停職12ヶ月の懲戒処分を受け退職している。
この事件はこうして法的にはいずれも不起訴処分に終り、たいした事件ではなく裁判で白黒をつけるような案件でないとの結論に達したが、この事件の本当の意味は深い。
私が何回もこのブログで記載してきたとおり、この事件の本質は中国にとって最も不利な映像を仙石前官房長官が日本国民から隠そうとしたことにある。
仙石前長官は中国の要人と接触を図り、中国の要望どおりの解決をしようとしたのだが、この態度は日本を中国の属国にする以外の何者でもなかった。
なにしろ当て逃げした中国側から「謝罪と賠償」を求められていたのだから、中国の態度は19世紀の植民地時代真っ盛りの覇権外交そのものと言えた。
注1)官邸筋が極秘情報にすると決定したのは、仙谷前官房長官の特使が中国の戴秉国国務委員と接触し、以下の日中間の和解条件を示されたかだと言う。仙石前長官は中国の意向を全面的に受け入れることにした。
① 衝突映像を非公開にする
② 沖縄県知事による尖閣諸島の視察を中止させる
注2)今回の事件はアヘン戦争を彷彿させる。アヘン戦争はアヘンの密輸に手を焼いた清朝が林則徐を特命大臣にして麻薬撲滅に乗り出したのだが、これに不満を持ったイギリスが海軍を派遣して清朝を打ち破った。
その後「謝罪と賠償」を清朝に求め、香港の割譲を得た。
今回の尖閣諸島の問題と実に良く似ており、日本が自国の領土を守ろうとしたことに対し、中国は漁船を当て逃げさせて「謝罪と賠償」を求めてきた。これで尖閣諸島を中国に割譲すれば日本版アヘン戦争といえる。
この中国の日本を属国視した覇権外交に対し、首の皮一枚で日本を救ったのが一色氏なのだから、われわれ日本人は一色氏にどのくらい感謝してもしきれない。
元々日本の自民党外交は日本をアメリカの属国として生きると言うものだったが、これに反発した民主党が今度は中国の属国となろうと卑屈に中国に接近した結果がこの仙石氏の中国外交の本質である。
鳩山氏の辺野古での迷走、小沢氏の民主党議員を引き連れた胡錦濤主席参り、そして仙石氏の属国外交にさすがに国民が嫌気をさし、それを察した菅総理が仙石氏の首を切ったのがつい最近で、これでようやく日本外交の立ち直りが見えてきた。
一色氏は映像を流した理由を「尖閣諸島の問題、日本の領海を脅かす外国船の問題など、どうすべきかを考えて欲しかったことが(公開)の唯一の理由です」と述べておられる。
再度言うが、一色氏の決死の行動がこうして日本が中国の属国になることを救ってくれ、中国の覇権に屈しない自立した国家として立ち直れる機会を与えてくれた。
私は一色氏のとった行動に日本国民として心から感謝している。
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コメント
いつもためになる記事をありがとうございます。
中国は尖閣を自国のものとするためにさまざまなねつ造をしてアピールし続けているようなので、今年の6月に世界中の華僑が船団を組み、尖閣に上陸するといわれていることも現実に行うのではと危惧していますが、日本はもっと世界に日本領とのアピールをしないといけない。
ところで、このブログもとても参考になります。「外国人犯罪の増加からわかること 元刑事・司法通訳の坂東忠信のブログです」今日の記事の在特権についてです。こんなことがまだまだあるのです。
政府がしっかりしないから、中高年パワーで世論をしっかりまとめないと。
(山崎)ブログの紹介、ありがとうございます。見させていただきます。
投稿: ざりがに | 2011年1月24日 (月) 17時27分