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(22.12.15) NHKスペシャル 世界ゲーム革命

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 私のように普段ゲームなどしたことがない人間にとって、「世界ゲーム革命」が起ころうが起こるまいが関係がないと思っていたが、どうもそうでないらしい。
最近のNHKスペシャルは私が知らないことを懇切丁寧に教えてくれるので実に刺激的だ。

 何より驚いたのはアメリカでのゲーム産業の売上高がすでに映画産業を追い越してしまい、あのスピルバーグ監督でさえ自作を映画でなくゲームで作ろうとしていたことだ。
ゲームなんてがきの遊びだろう」私のこの認識は一世代前の認識で、アメリカのゲーム購入者の平均年齢は40歳だという。
日本人の大人が漫画を見るような感覚でアメリカ人の大人はゲームをしているらしい。

注)ゲームの場合はゲーム機とゲームソフトが一体となっている場合がほとんどなのでハード・ソフトを含めた概念でゲームという言葉を使用している。

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 私のゲームの知識はニンテンドープレイステーションだけであり、それも操作したこともなく名前しか知らなかったが、それでも世界のゲーム市場を日本が押さえているものとばかり思っていた。
しかしそれは1995年ごろまでの話で、当時約70%を占めていたゲーム市場の割合が現在では30%程度まで低下して、アメリカとヨーロッパの追い上げが激しいのだという。

 ゲームソフトは日本が典型的にそうであるように細かなプログラム作業で人と時間がたっぷりかかる開発だったが、現在ではゲーム・エンジンというソフトが開発されて、それを利用してゲームを開発するとプログラミングの能力がなくても容易にゲームソフトができるという。

 しかもその生産性はプログラム開発に比較すると数十分の1というから、恐ろしいくらいの生産性で、このゲーム・エンジンを使用してアメリカではゲーム企業が次々に立ち上がっているのだという。

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 映像ではエビック・ゲームズ社という企業で、このゲーム・エンジンを使用して戦争ゲームの開発をしていた。
内容は北朝鮮がアメリカに攻め込んできて、それをゲームをする人が北朝鮮の侵略を防ぐという内容で、このゲームのためにアメリカ海兵隊の特殊部隊の元兵士が軍事コンサルタントとして技術指導をしていた。

 見ている限り軍隊のシミュレーション訓練と同じで、このアメリカ版のゲームはそうした軍事技術と深く関わっていることがよく分かる。
なにかハリウッド映画と似ていて、戦争と破壊のゲームが主体のようだった。

注)インターネットが当初軍事技術として開発されたのと酷似している。

 さらに驚いたのはこうしてできたゲームソフトを評価するエンザイムという会社があり、そこでは世界各地から集められた250名のゲームおたく達がテスターとして採用され、一日8時間評価を依頼されたゲームを操作していたことだ。

 テスターの動きは脳波の動きでどのくらい集中しているか分かる様になっており、エンザイムの社長の話では「集中度は50%程度が適切で、あまり集中すると疲れてしまい二度とこのゲームがしたくなくなる」のだそうだ。

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エンザイム社の世界中から集められたテスター

 こうしてエンザイム社で厳しくテストされたソフトは市場に受け入れられることがほぼ確実で、ソフト開発の1割から2割の費用がこのテストにかけられているのだという。

注)このシーンは昔私がシステム開発担当だった頃、プログラマーが作ったソフトを一日中一人でテストをしていたことを思い出した。エンザイム社では数十人のテスターがテスト要員として働いていたので、「これなら確かにユーザの納得するソフトができるだろう」と感心してしまった。

 こうしてゲーム・エンジンと評価会社の組み合わせで欧米系のゲーム会社が急成長しているのだが、一方日本の場合はこの動きとはまったく異なり、ゲームとアニメの統合を目指しているのだという。

 日本のゲーム界の風雲児といわれている日野晃博氏(もちろん私は知らない)が率いるレベルファイブ社がそれで、スタジオ・ジブリと共同で「二の国」というソフトの開発を行っていた。
これはスタジオ・ジブリのアニメの中をゲーム操作者が動き回るようなゲームで、日本人の大好きな叙情性と映像美を兼ね備えたゲームになるのだという。

 しかしこのゲームはゲーム・エンジンを使用しておらず、伝統的なプログラミング技術で製作されており、わずかなシーンだけで約半年かけていた。
スタジオ・ジブリのアニメと同様、徹底的な手作業による開発で時間と手間隙をかけた巧みの技といるようなゲームだが、それだけ開発には時間がかかり、日本のゲーム産業が質の面ではともかくシェア面では劣勢にたたされるのは止む終えないのではないか思われた。

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 もっともこうした手作業ソフトだけではなく、マイクロソフトのキネクトというゲーム機を使用した世界最先端のゲームを水口哲也氏(この人も私は知らないが率いるキー・エンターテイメント社が開発していた。

 このキネクトというゲーム機はコントローラーがなく、人間の体がコントローラー(赤外線を放射して動きを感知する仕組み)になっていた。
映画マイノリティー・レポートトム・クルーズが両手で操作していたあの方法である。

注)この映画を見たときは感心したが、すでに現実になるとは驚きだ。

 水口哲也氏はこのソフトをフランスのユー・ビー・アイソフト社から資金提供を受けて製作していた。
日本のクリエーターは実績があり、海外で高く評価されているようだ。

 今回のNHK特集を見てしみじみとゲームの持つ力に驚いた。
映画では観客は映像のこちら側にいて、感情移入することはあっても、映像の中に入り込むわけでない。
しかしゲームでは映画のような世界で自身が主人公になって動き回り、自分の判断が周りの映像に変化を与えるのだから、現実とさして変わりがない。
しかも映像がスタジオ・ジブリのようにハイレベルだと、本当にこの世界に溶け込んでしまいそうだ。

 ロールプレイングゲームだといってしまえばそうなのだが、これに知覚作用痛い、熱い、風がしみる等)等が加われば完全に現実と変わらなくなる(口氏はコントローラーをバイブレーションとして使用する方法を検討していた)。

 ゲームと現実が未分離の世界が今急激に私達の眼前に現れようとしており、この仮想現実との付き合い方が21世紀の人類に変えられた課題になろうとしている。
長らく生きたおかげで信じられないような世界を知ることができそうだ。

注)昔、飛行機シミュレータというソフトで軽飛行機の操縦をしたことが私の唯一のゲーム経験だが、これからは何でもシミュレートできそうで、宇宙船の操縦も可能になりそうだ。

 

 

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