(22.12.12) おゆみ野夏の道のケヤキの治療
先日緑土木事務所の所長さんと地区住民が立ち上げた「おゆみ野夏の道と夏の道公園を歩く会」の成果がさっそく出てきた。
この9日の木曜日に夏の道のケヤキ2本について、みどりの協会が治療措置をすることになったからだ。
みどりの協会のTさんから私に「治療現場に立ち会いませんか?」との連絡が入った。
さっそく出かけることにしたのは、夏の道のケヤキについては私は日頃から気にかけており、特に歩く会で先日見ていただいた2本のケヤキの木は「このままにしておくと死んでしまうのではないか」と思っていたからだ。
みどりの協会が樹木医の中村さんにケヤキの治療を依頼してくれた。
私はこの種の治療行為は始めての経験なので、とても興味深く中村さんのグループが治療している措置を見ていたが、概要以下の通りだった。
1. 表面の樹皮が剥がれていた木の場合
(これが表面の樹皮が剥がれているケヤキ)
(腐った部分をノミで丁寧に取り除く)
(防腐剤を塗る)
(布をまく)
① キノコや木部が腐っている部分を取り除く
② 木が傷口を覆うようにしている部分も、木部が腐っている部分を取り除く
(ここまでの措置は歯医者で歯石を取り除く作業にそっくりだった)
③ 綺麗になった表面に防腐剤を厚く塗る
④ 防腐剤が乾いたら、周りを繊維質の布で覆って外から触れられないような措置を取る
⑤ このまま1年間程度放置して樹木がどこまで再生しているか見る
2. 強剪定をした部分から木が腐って中がすかすかになっている木の場合
(ここがこぶになっている場所)
(チエンソーで削り取ってさらにどこまでスカスカか確認している)
(実際はどこまで掘ってもスカスカだったので途中で止めて炭をいれ、その上を布で覆った)
① 強剪定をして木がこぶのようになっている場所をチエンソーで切ってしまう。
② 中の木部のスカスカになってしまった部分を取り除く
③ 防腐剤を丁寧に塗ってから、その上に炭をつめる
④ 周りを繊維質の布で覆って外から触れられないような措置を取る
⑤ このまま1年間程度放置して樹木がどこまで再生しているか見る
(この木はかなり中まで腐食菌に犯されていて、すべての腐った木部を取り出すことができなかった。中村さんの話では、この木は周りにつっかえ棒等の措置をしないと、いずれ倒壊する危険性があるとのこと)
私は今回始めて樹木医の治療に立ち会ってみたが、表面からは分からなくても木部が腐朽菌に犯されてスカスカになっていて(人間で言えば癌に侵されているのと同じだそうだ)、死に絶えそうになっていることを知った。
「そうか、だからこの木は夏場にすべての葉を落としてしまったのだ(癌治療をしている人の毛髪が抜けていくのと似ていた)」
歩く会の成果として2本のケヤキの治療ができたが、1本は再生可能であり、もう一本は後何年生きられるかという状況だった。
今回の立会いは私にとって実に有意義だった。
木の治療法を初めてみることができたし、どのような状態の木が再生でき、再生できないかの判断というようなものを知ることができた。
夏の道のケヤキについて、今後問題が発生したら重篤な場合はみどりの協会のTさんに連絡し、初歩的な場合なら私が応急処置で対応できそうだ。
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コメント
さっそくの処置、素晴らしいです。
昔はコンクリやウレタンを詰めてたそうですが、
炭なんですね!勉強になります。
中村さんは名医と聞き及びますので心強いブラックジャック先生の登場ですね
投稿: ささき | 2010年12月12日 (日) 08時03分