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(22.12.10) 欺瞞に満ちた会議 COP16(国連気候変動枠組み条約)

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メキシコのカンクンで開催されているCOP16国連気候変動枠組み条約第16回会議)ほど欺瞞と戦略に満ちた会議はない。
世界の温暖化を防ぐために産業革命以来の気温上昇を2度以内に抑える」という基本的方向性は世界で確認していても、その方法論は同床異夢だ。

 現状の枠組みであるCOP3京都議定書 12年まで有効)はひどい条約だった。
もっとも問題なのは削減義務を課せられている西欧や日本やロシアの二酸化炭素排出量は世界全体の27%に過ぎないということだ
アメリカ中国もそっぽを向いており、はっきり言ってしまえば西欧諸国と日本だけの条約だと思えばよい。

注)COP3が批准されるためには世界全体の二酸化炭素排出量の55%の排出参加国の批准が必要で、05年にこの数字まで到達し条約は批准された。しかしその後中国を中心とする新興国の排出量が増加したため、現状では27%まで落ちている。

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 今から思えば97年のCOP3京都議定書が締結されたのは奇跡とも言えるが、これは日本が条約締結のために大譲歩をしたからである。
条約締結国には90年対比の削減幅が示され、日本は90年対比6%の削減義務を課せられたものの、すでに産業部門は十分な環境投資を行ってきてこれ以上の削減はかなり困難な状況にあった。

 一方ヨーロッパはこの頃から環境産業が立ち上がり、90年以降盛んに環境投資を行っていたので90年対比の削減目標は楽々とクリアーできる状況にあった。
その結果COP3の目標年度である12年末までに目標をクリアーできそうもない国は日本だけになり、約5000億円規模のペナルティーを支払われそうになっている

注)目標が未達の国は、達成した国から排出権を購入しなければならない。

 この国連気候変動枠組み条約はもともと環境先進国になった西欧が仕掛けた戦略で、西欧以外の各国からペナルティーを支払わせる謀略だったが、アメリカと中国、そしてインドやブラジルといった新興国は馬鹿馬鹿しいので早々とこの枠組み条約から抜けてしまった。
残ったのは日本だけで日本が西欧の餌食になる条約だ。

 今回のCOP1613年以降の枠組みをどうするかを決める会議で、さすがに日本も馬鹿馬鹿しくなって、京都議定書の延長には応じず、新たな枠組みを作るべきだと主張している。

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 確かに地球規模の異常気象は発生しており、海水面の上昇やハリケーンの大型化、穀倉地帯の日照り等上げればきりがないが、だからといって各国は西欧諸国にペナルティーを払ってまで条約には参加しようとしていない。
地球温暖化は今までの先進国が放出してきた二酸化炭素の累積が問題で、単年度で見るべきではない。京都議定書を延長して先進国だけ義務を負べきだ」と中国や途上国は主張している。

 アメリカはさすがに戦略の国だから、西欧の仕掛けがよく分かる。
アメリカの富を西欧に渡す訳には行かない」この条約に参加する気はさらさらない。
西欧は「仕方がない。京都議定書が失効してしまうと日本から金を搾り取る枠組みがなくなる。中国やアメリカが入ればいくらでも富の収奪はできるが、最低限の条件は日本から搾り取ることだ」と決心したようだ。
条件付で京都議定書の延長に応じると言い出した。

 だからこの国連気候変動枠組み条約は日本をターゲットにした不平等条約そのものだといえる。さすがに日本が京都議定書の単純延長に反対の態度を表明したため、今年もCOP16は何も決定されないだろう。

 中国、アメリカ、インドが加入しない条約など温室効果ガス削減には何の役にもたたない。 だから、日本はこの条約から抜けるのが一番だ。
日本は相対的に気候変動の影響が少ない国だが、中国は黄河が干しあがり、揚子江はどぶ川になって、南部は大干ばつに襲われている。
またアメリカは巨大ハリケーンの餌食になってきた。

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 この条約締結には自国の痛みが限界を超えない限り、中国やアメリカは参加しないのだから、13年以降の温室効果ガス発生は各国の自主的な削減に任せて自然災害で身にしみさせたほうがよい。
こんなにひどい災害が発生しているのだから、みんなで削減努力をしよう」そう思うまで何もしないのが一番だ。

 鳩山前総理は愚かにも90年対比25%削減目標を掲げていたが、世界はすべて戦略的に動いているのだから、子供のようなナイーブな発言は「また鴨がねぎをしょってきた」と馬鹿にされるだけだ。

注)ただし太平洋の島嶼諸島のように本当に海に沈没しそうな国があるので、それには個別に援助をするのがよい。

 

 

 

 

 

 

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