(22.11.7) 菅政権の断末魔 情報隠蔽工作の失敗 中国漁船当て逃げ事件
菅政権が早くも退陣を迫られる状況になってきた。
尖閣諸島沖で起きた中国漁船の当て逃げ事件を、「那覇地検の政治的判断で船長を釈放した」と弁明し情報の隠蔽工作をしたが、隠したつもりの証拠の映像が全世界を駆け巡りどう見ても非道は中国漁船にあることが明らかになった。
菅政権の判断ミスは、この映像をすぐに公開して全世界に中国漁船の非道性を訴えなかったことにある。
ぐずぐずしているうちに中国から恫喝され、レアアースの経済制裁までちらつかされてすっかり弱気になってしまった。
外交にはタイミングがあり、特に相手が非道な場合はいち早くそれを公表しないと、そもそも外交交渉にならない。
自分に有利な情報を隠していると、「やはり日本は中国を恐れて何もしない」とみなされてしまう。
今回のビデオを見てつくづく思ったのは、海上保安庁は実に真面目に取締りをおこなっており、それに対し中国漁船が「挑発的に」当て逃げを繰り返していることである。
もし、私が千葉県警のパトカーに自動車で当て逃げをし、おってきた警官を恫喝して「謝罪と賠償」を要求したらどうなるだろうか。
まず精神鑑定をさせられるのが確実だ。
私は中国のような国家が恫喝外交を繰り返すのは当然だと思っており、それがヤクザ国家と言うものだと思っている。
それに対抗するためには真実を世界に向けて発信することで、これでようやくカードがイーブンになるのに、最初から中国側がいやがるカードを隠しては外交にならない。
菅政権のいやらしさは、すべてを「那覇地検の政治判断だ」として責任逃れをし、その説明と符合しないビデオ映像を隠蔽したことにある。
これは大阪地検の村木さんの裁判で担当検事が証拠物件を改竄したことと精神的には同じ構造だ。
「都合の悪い部分は国民に見せるな」
この映像を見れば誰でも非は中国漁船にあり、海上保安庁が船長を逮捕したのは当然で、法律を遵守するなら那覇地検は船長を起訴すると思うはずだ。
それを釈放したのは菅政権の政治判断であることは確かで、そうならば「中国との親善関係を重視して超法規的に船長を釈放した」と菅総理が言うべきだった。
そうした菅政権の超法規的対応が適切かどうかはまた別途問われるが、姑息な手段で嘘の上塗りをするよりはるかにマシだ。
このビデオ映像は本来隠すべきものではなく、すぐさま公開すべきもので今回この映像をユー・チューブに流した人は明らかに義憤に駆られて流したと思われる。
「問題は中国漁船か海上保安庁か? 政治判断をしたのは那覇地検か菅政権か?」と問うている。
思えば民主党政権の外交は失敗続きだ。鳩山前総理は辺野古への移設問題で迷走し、アメリカとの関係を最悪な状態にして自爆してしまい、今度は菅政権が嘘の上塗りをすることで中国関係を悪化させている。
外交とは互いにカードを最大限に使用してそれで妥協を図るもので、菅政権の今回の対応は、ポーカーで言えば自分の手がロイヤル・フラッシュなのに相手を恐れて降りてしまったようなものだ。
菅政権は今回の秘密の漏洩者が誰か政権を挙げて捜索するといっているが、もともとは秘密でもないものを国家最高機密にした菅政権の判断ミスのほうが罪が重い。
このような稚拙な政権をいつまでも続けさせるのは日本のためにならないというのが、このビデオを見た私の正直な感想だ。
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コメント
日本に、まともな長期政権が築けないのは残念ですね。
自民党は、少子高齢化に対するまともな政策を行わず、日本を半永久的な低成長サイクルに陥らせてしまった(しょうがない面もありますが、投げては政治家の意味がない)。
変わって出てきた、民主党は、これまた左的なお子様政権を露呈してしまった。
仕分けるのは、公共事業より、無駄な議員の多さだろう・・といいたいですね。
さて、話題は変わりますが、
このブログに使われている写真は、本当に魅力的なものが多いですね。
構図も良いし、色に深みがあるのです。
これらは、管理人さまが撮ったものなのでしょうか?
(山崎)写真は特に指定がない限りすべて私が撮っております。写真そのものの技術というより編集作業が得意で、ピカサというソフトで編集しています。
映画女優のメークアップのようなものです。
投稿: たか | 2010年11月 7日 (日) 11時30分