(22.11.6) 情報漏洩天国日本 警視庁国際テロ関連情報と中国漁船追突事件映像
これほどまでにトップシークレットの情報が簡単に流失していいものだろうか。何か日本と言う国は世界の物笑いになるほど情報について機密性がないらしい。
一つは警視庁公安部外事三課を中心とする国際テロ組織に関する情報114件であり、もう一つは中国漁船の追突事件の映像である。
警視庁の資料流失にびっくりしていたら、今朝(5日)のニュースを見ていて目が点になってしまった。
国会であれほどすったもんだして最後は衆参の予算委員会のメンバーだけに極秘で、それもたった7分間の映像に短縮して見せたという衝突現場の映像が、ユー・チューブに44分間に渡って流されていると言う。
「うそだろう・・・・」思わず声が出てしまったが、この映像は本物だと関係者が証言していた。
警視庁と言い海上保安庁・検察庁といい、本来はこうした情報漏洩事件で取締りの側に立たなければならない組織が、実際はユルフンで何でも見せてしまうというのだから組織としてのタガが外れている。
前者の警視庁公安部外事三課の漏洩資料は114ファイルあり以下のような内容だそうだ。
① 国際テロ組織周辺の捜査対象者(これでは捜査対象者として名前が上がった人はすぐさま外国に逃げてしまう)
② 国内・海外の警視庁への情報提供者の名前や住所(情報提供者は今後命の危険性がある)
③ FBIのテロ対策研修内容(FBIの手の内が丸見えだ)
④ 国際テロ発生時の初動捜査手順(警視庁の動きが丸見えだ)
こんな第一級の捜査関連資料がいとも簡単に盗まれ、外国のサーバー経由でウィニー利用者に公開されているという。
システムの世界ではいとも簡単にコピーできるから、一旦流出したファイルは消し去ることができず、時間が経過してその情報の価値がなくなるまで世界中で流通することになる。
警視庁としては前代未聞の不祥事であり、特に警視庁への捜査協力者のリストが流失したことが痛い。
これではアルカイダ等にこの捜査協力者を殺してくれと言っているようなもので、実際に殺人事件が起こる可能性がある。
こうした情報は警視庁の特定のパソコンから管理者パスワードを使用しなければ抜き取ることができない情報で、かつUSBメモリー等でダウンロードすると警告音が出るのだそうだ。
犯人像は現在特定できていないようだが、システム関連の職員で上司や警視庁に不満の持った人物の単独犯か、そうした人を買収して情報を入手した日本政府に敵対している国のエージェントの犯行が想定される。
私は長い間システム関連の仕事をしていたから知っているのだが、表向きはがっちりしたセキュリティーを構築していても、裏はがらがらに空いている場合が多い。
具体的に言うとこうしたセキュリティーシステムを構築したり、運用したりしているシステムマンはほとんどオールマイティーのパスワードを持っていて、簡単に極秘情報にアクセスできる。
しかもシステムマンの仕事は平日や休みが少なく、トラブルが発生すると回復するまで寝ることもできない。
そしてこれがもっとも重要なことだが、システムマンに対する組織の評価は低く、平安時代の貴族に対する武士のような立場で不満が鬱積しやすい。
単独犯であればこうしたシステム関連の担当者で「頭っまにきた」人の犯行の可能性が高い。
もう一つの可能性は外国のエージェントがこうしたシステムマンを金銭や女性で篭絡して情報を盗ませ、日本政府の評判を落とし、かつ内部かく乱を図ろうとしたと言う可能性だ。
私は現在までのところ組織に恨みを持つシステム関連職員が情報を流したと思っているが、そのうちに犯人が特定されるだろう。
システムでは操作の痕跡が残っている場合が多く、それを解析すると犯人を特定することができる。
注)今回の情報漏洩では、国際テロ関連以外に情報が漏れていないかどうかの問題がある。もし大量の未公開情報が有る場合は犯人逮捕を急がないと、次々に極秘情報を流されてしまう。
警視庁関連の情報漏洩に驚いていたら、今度は中国漁船の衝突映像が44分間に渡ってユー・チューブに流されたのにはさらに驚いた。
国会であれほどすったもんだした映像で、国会議員のそれも予算委員会のメンバーだけに極秘でさわりだけを見せた映像が、今では世界各地で自由に見れるのだから驚きだ。
こちらは明らかに政治的意図があり、政府の弱腰外交に対する意図的な挑発行為と言える。
「こんなに日本の巡視船が当て逃げされているのに、それでも無罪か?」と言っているようだ。
私も見たが(国会議員でなくても見れるのだ)、明らかに中国漁船は保安庁の船に体当たりをしている。しばらく前に見たシー・シェパードが鯨の調査船に体当たりした時の映像にそっくりだった。
注)このときはシー・シェパードの船長が裁判にかけられた。
情報漏洩先は海上保安庁か検察庁以外にはありえず、漏洩者は義憤で極秘情報を公開したようだが、それにしても海上保安庁等の情報管理の甘さには呆れる。
菅政権としては中国との関係改善を最優先事項として、腫れ物に触るような気持ちで情報管理してきたつもりが、これも完全に裏目に出てしまった。
現在菅政権は世界的に恥をさらしている。
警視庁といい海上保安庁(あるいは検察庁)といい、こうまでたるんでいると文句を言う前に口があいて唖然としてしまう。
なにか日本という組織が根底から瓦解しているのではないかと思われ、文明史的な反省が必要なのではなかろうか。
注)私の見た海上保安庁の映像は以下の通り(ただし映像が抹消されるかもしれない)
http://www.youtube.com/watch?v=1Di8406Z474
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コメント
これと並行して、ネット発。
小沢氏、ニコニコ動画に生出演(11/3)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv31110371
文字起こし版
http://sumichi7878.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-7653.html
第2回検察・検審を糾弾するデモ(11/5)
http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi#utm_campaign=twitter.com&utm_source=3532343&utm_medium=social
こちらは「前田元検事を特別公務員職権乱用罪で告発」してきた方のblogです。
最高検に告発状を出してきました
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-535.html
速報:告発書が受理されました
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-536.html
謎が謎を呼ぶ、この展開
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-537.html
さすがに、6日の夜は日本シリーズに釘付けでした。
投稿: 横田 | 2010年11月 7日 (日) 02時58分
中国漁船の件は驚きました。
現政権は、よほど、官僚を掌握できていないのでしょう。
「すべて那覇地検のせいである」と、思いつきで強引に幕引きをしたものの、おそらく、まったく、検察とのネゴなしだったのでしょう。
現場のささやかな反抗とも思えますが、どうでしょう。
現政権になってから、なんといいますか、思いつきに近い判断が多い気がします。
たとえば、あの代表選後の為替介入ってなんだったのでしょう。
2兆円突っ込んで、むしろ円高です。
※ちなみに、輸出企業は、半期決算、のきなみ増収増益。 私もメーカーにいますが、為替なんて関係が無いのです。
(山崎)現在円高で悲鳴を上げるのは、国内だけに生産基盤を持っている中小企業で、大企業はほとんど円高対策として世界各地に工場を分散しています。
今頃為替で悲鳴を上げているようでは企業として存続できません。
投稿: たか | 2010年11月 6日 (土) 15時39分