(22.11.25) ヤクザ国家北朝鮮の暴発 韓国のつらい我慢
ヤクザ国家北朝鮮がまた暴発した。今度は黄海に浮かぶ南北軍事境界線(NLL)近くにあるヨンビョン島に突如100発以上の砲弾が打ち込まれた。
韓国軍も応戦したが、韓国兵2名が死亡し、15名が重軽傷を負い、一般人2名が死亡(基地で作業中)、3名が負傷したと言う。
民間人の被害が少ないのは、北朝鮮の攻撃が軍事施設を狙ったものだからだろう。
今回の北朝鮮の砲撃は「韓国が先に仕掛けてきたからだ」だとのレトリックを使っている。
今年3月の韓国海軍哨戒艇の撃沈については「知らぬ存ぜぬ」と言う態度を貫いたが、今度は北朝鮮からの砲撃と明確に分かるので、その手は使えない。
この日、韓国海軍がNLLの近くで軍事演習を行っていた。当然砲弾も発射している。北朝鮮によるとこの軍事境界線NLLは国連軍が一方的に決めた境界線で、北朝鮮が認めている国境はそれよりもはるか南に設定されていると言う。
この北朝鮮の主張を敷衍すると、韓国海軍の演習艦は不当に北朝鮮領内に入り発砲したことになり(だから北朝鮮軍は反撃した)、ヨンビョン島は韓国に不当に支配されている北朝鮮の領土(だからここの韓国軍の軍事施設を攻撃するのは当然だ)と言うことになる。
しかしこの主張は休戦協定に明らかに違反しており、休戦協定でNLLが南北軍事境界線になった以上は、休戦協定を守るために韓国軍が演習することも、ヨンビョン島が韓国領であることも当然認められなくてはならない。
韓国政府はさっそく安全保障会議を招集し「追加の挑発があれば断固これに対応する」とイ・ミョンバク大統領が声明を発表し、危機管理レベルを5段階の上から2番目に引き上げた。
韓国にとってはまったく迷惑至極だが、本音を言えば「また北朝鮮がいつもの瀬戸際政策を始めた」という認識だ。
この砲撃が始まる前に北朝鮮は信じられないようなトップシークレットをアメリカの元朝鮮半島和平担当特使に伝えている。
「寧辺に100メガワットの実験用軽水炉を建設しており、これにより濃縮ウランの生産が可能になった」というのである。
この軽水炉を使用すれば年間2発の原爆の製造が可能になる。
なぜこのようなトップシークレットをわざわざアメリカの元特使に公開したかといえば、「原爆を作られたくなかったらアメリカは北朝鮮との間で平和条約を締結し、軍事境界線NLLを北朝鮮の主張する線まで南に移動させ、かつ十分な経済援助をしろ」という意味だ。
北朝鮮経済は昨年末のデノミに失敗して、もはや自力で回復することは不可能な状況まで追い詰められている。
国民の食料は中国や韓国の援助に頼らざる得ない。
しかし物乞いは誇り高い北朝鮮の将軍様の欲するところではない。
「何としても韓国を脅しあげて、食料と経済援助を引き出そう」
「砲撃されたり、艦船が撃沈されたくなかったら、食料をよこせ!!!」
韓国は北朝鮮との全面戦争は何としても避けたいと思っている。なにしろこの11月に20カ国首脳会議を韓国で開催したばかりで、「これで韓国も世界の20ケツに入り先進国として認められた」と喜んだばかりなのに、戦争で一挙に疲弊しては大変だ。
一方北朝鮮は軍事力以外には何もない国だから、戦争になったらめっぽう強い。ちょうど北ベトナムとアメリカの戦争のようなものになると思えばいい。
「しかたない。全面戦争にならないように国連への制裁決議の要請だけにしておこう」韓国の我慢がまた試されている。
日本は中国が尖閣諸島で巡視艇に当て逃げされたのに、中国から「謝罪と賠償」を要求されて欲求不満が爆発しそうだが、この韓国の我慢に比べればはるかにレベルが低い。
中国はさすがに日本の巡視艇を撃沈したり、尖閣諸島を砲撃したりしないが、北朝鮮は韓国に好き勝手に振る舞い、それでも中国とロシアが北朝鮮の肩を持つので、国連での制裁もママならない。
となりにヤクザな国家があるというのは本当に気苦労なことだとしみじみ思った。
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