(22.10.27) 自転車の時代がやってくる 歩行者と自転車の分離
私は趣味でマウンティンバイクに乗っており、時々江戸川堤を走っている。
この江戸川には自転車と歩行者が通れる専用道が関宿まで約60km続いており、折り返し120kmの快適なサイクリングが楽しめる。
しかし我が家から江戸川の河口まで出るのが一苦労で、一般道の歩道の上を約40km走らなくてはならない。
最近整備された道路は歩道も広く歩行者がいても問題はないが、戦前から有るような幹線道路は歩道の幅が1m程度の場所が多い。
こうなると自転車と歩行者は完全に競合状態になって、スピードを上げようものなら事故になってしまう可能性が高い。
もともと自転車は道路交通法の規定では車道の左側を走ることになっていたが、狭い道路で左側を走ろうものならたちまちのうちに自動車に引っ掛けられて事故が絶えない。
1970年と言うから今から40年前だが、警察庁が自動車と自転車の接触事故に悲鳴をあげて、道路交通法を一部改正して自転車の歩道走行を認める措置を取った。
私などは自転車は歩道を走るものだとずっと思ってきたが、法令制定者の意識では一時的な緊急避難措置だったという。
「自転車道を整備するまでは、しかたない、歩道を走ってもよい」そんな感覚だった。
しかしその後も自転車道の整備は一向に進まず、一方日本の老人人口の増加するにつれて自転車と歩行者との接触事故が激増し、今度はそっちの方が問題になってきた。
一般に自転車道とは3種類あって、
① 完全に自動車道とも歩行者道とも分離された自転車専用道路、
② 自動車道の脇に白線や色の違ったレーンを設けてそこを自転車を通らせる自転車専用レーン、
③ 川の堤で整備されている自転車と歩行者が通れるサイクリング道路、である。
日本では①の整備はほとんど行われておらず、②は178km程度で、自転車道といえばほとんど③のサイクリング道路だけのような状態だそうだ。
今問題になっているのは全国に3万キロにわたって張り巡らされた幹線道路に、何とかして②の自転車専用レーンを整備できないかとの検討で、国交省の研究所の試算では、3万キロのうち約8000kmには自動車道の脇に約1.5m以上のスペースがあるため可能だと言う。
「なら早く自転車専用レーンを引けばいいじゃないか」と私は思ったが、信じられないことに法令の整備が未整備なために行政(市町村)が自転車専用レーンの指定を躊躇しているのだそうだ。
行政は国交省の「道路構造令」の規定にしたがって自転車道を整備しているのだそうだが、ここには①と③の規定しかなく、一方②は警察庁が管轄している「道路交通法」の規定なのだそうだ。
「道路構造令に記載がないのだから、下手に自転車専用レーンなんか設定して事故が起こった時に責任を問われたら大変だ」と言う感度で行政の自転車レーンの設置は進まないのだと言う。
なんともひどい話だが、時代はクリーンエネルギーの時代に大転換しており、自転車こそは究極のクリーンエネルギーで走行される乗り物だ。
最近は自転車通勤も増えて自転車の量も増え、一方老人人口も激増しているので、自転車と老人の接触事故が後をたたなくなりつつある。
「新交通戦争の第二幕」といった状況で、さすがにこのままではダメだと国交省も重い腰を上げ始めた。
ようやくヨーロッパ並みに自転車と歩行者が分離され、快適な走行ができる時代が始まろうとしている。
注)この自転車と歩行者の分離については、このおゆみ野でもチャリ会を中心に社会実験をしている。
また自転車通勤については、私がよく見ている「バイオマスおやじの日々」と言うブログの管理者yokuyaさんが、最近自転車通勤を始めた記事を掲載していた。
http://biomass.exblog.jp/14851799/
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