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(22.10.22) アメリカのシェールガス革命  天然ガスが安くなる

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 私はこうした知識が少ないために知らなかったが、毎日新聞の10月18日の記事を読んで驚いた。
今アメリカでシェールガス革命と称するエネルギー革命が進行中だという。
シェールガスとは従来の天然ガスと成分はまったく同じものだが、閉じ込められている場所が異なり、今まで利用されずに放っておかれたほぼ無尽蔵にある天然ガスだという。

 従来の天然ガスは地層の隙間にたまっているガスで、これをストローのようなもので吸い上げて採取する。
一方シェールガス岩盤の中に閉じ込められているガスで、これを取り出すためには高圧の水を岩盤に注入して岩を砕いて採取するのだと言う。

 従来の天然ガスの採取方法に比べて技術的に難しかったため、今までは採取が不可能だったがアメリカがついに技術開発に成功し実際に採取を開始した。

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 世界の天然ガスに対する需要予測で供給者側が強気だったのは、将来的にもアメリカと中国が大量に天然ガスを輸入すると予測されていたからだ。
ロシアや中東諸国はこの需要をあてに天然ガス採掘施設を次々に建設していた。
ところがシェールガスの採掘に成功したアメリカが需要者側から供給者側に変わってしまいそうになってきたので、大騒ぎになってしまった。

注)アメリカの天然ガスの産出量は09年は6240億㎥、うちシェールガス900億㎥で全体の約15%で、今後はこの割合が飛躍的に増大するという。

 ロシア、カタール、イランといった従来の天然ガス産出国が新規投資を手控え、ガスOPECを作って対抗しようとしたが、天然ガスの価格は低下の一途をたどり、英熱量(100万BTU)が07年には13ドル台だったのに、現在は3分の1以下の4ドル台に落ちてしまった。

 ロシアはこの天然ガスを戦略物質としてロシアと敵対関係にあったウクライナを締め上げてきていたのに、近い将来ポーランドシェールガスの生産が始まりそうになり、天然ガスが戦略物質である時代が終わろうとしている

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 なにしろシェールガスの埋蔵量は従来の天然ガスの5倍以上はあると推定され、ほとんどの国でこのシェールガスの産出が可能と言われている。
残念なことに日本にはこうした岩盤がないそうだが、一方で世界各地から有余った天然ガスが供給されるようになるので消費者側は天国のような話だ。

 石油から天然ガスへの代替も進んで、石油価格の乱高下に一喜一憂することもなくなりそうだ。
現在スポット価格は劇的に下がっているが、日本の天然ガスの輸入契約は20年以上の長期契約なので、このスポット価格低下の恩恵をすぐに受けるわけではない。

 しかし今まで石炭や石油を使用していた工場や火力発電所等が今後は天然ガスに切り替えていくだろうから、その時点で安価な天然ガスの恩恵を受けることになる。

 問題は現在盛んに議論されているクリーン燃料の利用にブレーキがかかることで、せっかく盛り上がってきた風力原子力に対する需要がなくなり、もっぱら安価な天然ガスを使用することになりそうだという。

 それとシェールガス採掘時に岩盤を砕いた後、ある種の化学物質を使って岩盤を固定しているがこれが環境に対する影響があるのではないかと懸念されている。

注)ただしこれは技術問題だから代替品はあり、解決可能な課題と思われる。

 はたしてどうなるのだろうか。今後の世界はもっとも安価で大量に存在している天然ガスを燃料に使用する「シェールガス時代」が来るのだろうか。
そして石油の時代が終わるのだろうか? とても興味ある話だ。

 

 

 

 

 

 

 

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評論 世界経済 石油・ガス」カテゴリの記事

コメント

なるほど
北方領土に対するロシアの強硬な態度の理由は然ガスが戦略物資である時代が終わることに対するロシアのあせりでしょうね

投稿: 通りすがり | 2011年3月 6日 (日) 15時09分

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