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(22.8.6) 民主党政権のレームダック 菅総理の落日

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 こんなにも早く政権がレームダックになっていいものだろうか。
この6月8日に菅内閣が発足してから早2ヶ月で、すでに末期症状に陥り、9月の代表選を乗り切れるかどうかの瀬戸際に立たされている。

 すべては参議院選挙の敗北が原因だが、参議院過半数割れを起こし、衆議院では再可決が可能な3分の2を下回ってしまった。
このため法案国会の承認人事は野党に主導権を握られ、衆院が優先権がある予算も法案がらみの案件は何一つ決めることができなくなっている

 管首相としては個別案件ごとの部分連合を模索しているが、たとえば公務員制度改革などでみんなの党と組めば、国民新党がそっぽを向きそうだから、実際は時間と労力だけかかって何一つ決められないと言うのが実情だろう。

 参議院選挙で民主党が大敗した最大の原因は、菅総理が争点として掲げた消費税の増税であることは確かだ。
民主党のマニフェストでは消費税は増税せず、埋蔵金等でこども手当て等を捻出することになっていたから、これは公約違反であり特に無党派層が民主党からみんなの党に流れてしまった。

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 現在の選挙では固定的な支持層だけでは過半数を取れないので、常時30%程度はいる無党派層をどの政党が取り込めるかによって選挙の帰趨が決まる。
しかもこの無党派層はその時のムードによって動く傾向が強く、「抵抗勢力を排除しよう」といえば小泉首相を支持し、「自民党は賞味期限が切れた」といえば鳩山政権を発足させる原動力になった。

 今回の菅首相の「消費税を上げよう」はまったくベクトルが逆をむいており、無党派層の心を捉えるものではなく、徹底的な公務員制度改革と無駄の排除(これはもともとは民主党の公約でもあった)を主張したみんなの党に票は流れてしまった。

 私は正直な菅首相を個人的には好きだが、残念ながら選挙を勝ち抜くマキャベリストとしての能力は小沢氏に2歩も3歩も劣ると思っている。
小沢氏は選挙で勝ち抜くために消費税を封印したが、政治とは数であることを知悉している小沢氏らしい戦略だった。

選挙で勝てば後は何でもできる。だから選挙のスローガンは選挙民を喜ばすことだけを言え小沢マキャベリの本心だ。
菅総理は選挙で勝つために最低限「消費税の増税」には触れるべきでなかった。
消費税の増税を言えば必ず選挙で負けることは歴史的に明確で、選挙で負けたら後は何も決められなくなるからである。

注) 97年当時の橋本内閣が消費税を5%にアップしたが、その後の選挙に破れ首相を退陣したし、近くは麻生首相が増税論議を前面に打ち出して民主党に大敗した

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 だから消費税を上げたかったならば「消費税を上げない」と公約し、過半数を確保した後に、「もろもろの事情により公約が守れなくなった」といって消費税を引き上げる以外に手はない。
まさにマキャベリ的手段だが、それが政治というものだ。

注)これを政治のパラドックスという。国民が嫌がる消費税アップのような政策を実施する場合は、その政策を実施しないといって政権をとり、あとは数の力で押し切る。
もし正直に消費税アップを行うと公約すれば選挙で大敗するので、菅首相の例を見ても分かるように、何も実施できない。


 9月の民主党の代表選で菅首相が勝とうが負けようが、参議院で過半数割れをしている実態は何も変わらない。
参議院で安定多数を得るには自民党との大連立か公明党との連立以外に選択肢はない。
他の少数政党では過半数に届かないが、一方自民党も公明党も連立には消極的だ。。

 もちろん連立が成立すれば政権は安定するが、そのような寝技が可能なのは再びマキャベリスト小沢氏以外にはいない。
菅首相は民主党小沢派を排除して参議院選挙に臨み大敗した。
菅首相が生き残る道は小沢氏の軍門に下り、小沢氏の豪腕で連立を組むより他に手はなく、それ以外に政権を維持する方法はない。

小沢さん、俺が悪かった。助けてくれ」これだけだ。
政治は常にマキャベリズムによって、動いていく。

 

 

 

 

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