(22.8.5) こりゃ大変だ。 最高齢者はどこに消えたのか? 年金不正受給者の怪
東京都の男女の最高齢者が男性は既に死亡しており、女性は失踪して行方知れずになっていることが判明した。
男性は加藤宗現さん111歳で、加藤さんは約30年前に死亡しており白骨死体で発見された。
一方女性は古谷ふささん113歳で、長女79歳と杉並区で暮らしていることになっていたが住民登録のある杉並区には住んでおらず、他の兄弟とも暮らしていないことが判明した。
毎日新聞の調査によると、100歳を超えて、所在確認ができない高齢者は18名おり、より詳細な調査をすればさらに不明者は増加しそうだと言う。
どうやら長寿大国日本は上げ底数字があり、すでに死亡している長寿者がかなりいそうだ。
注)09年現在100歳以上の高齢者は4万399人(男5447人、女3万4952人)。なおNHKの調査では100歳以上の所在不明者は30名になっている。
すでに死亡したにも関わらず生存していることにするのには経済的な理由がある。
加藤宗現さんの場合が典型的にそれで、年金の不正受給をするためである。
家族の収入のうち年金部分が大きい場合は、本人の死亡は子供や孫にとっては大問題になる(夫婦の場合は遺族年金が受けられるので問題がない)。
なんとか本人を生存させていることにしたいが、病院等に入って病死が確認された場合は「死亡診断書」を医師が記載するので、死亡を隠すのはかなり難しい。
一方自宅でひっそりと死亡した場合は、今回の加藤さんの例のように、そのままミイラ化させておけば、書類上は生存しているので、年金が支払われ子供や孫の生活費として利用できる。
注)なぜ加藤さんを火葬できなかったかの理由は、火葬するためには死亡届がいるため。死亡診断書を添付して市町村に死亡届を出すと、戸籍を抹消して火埋葬許可書を出してくれる。この許可書がないと火葬できない。
さすがに厚生労働省もこうした事例を放って置くわけには行かないので、長妻厚労相が「110歳以上の年金受給者全員に本人に面接して所在を確認するよう」指示をだした。
それでなくても年金財政は厳しいのだから当然の措置だろう。
現在、地方自治体が本人が生存している確認に使用するのは、介護保険の利用状況と医療機関の受診記録である。
この両者か一方があれば、本人の生存は確認できる。
一方、介護保険も利用せず、医療機関の受診記録もないのに年金だけ受領しているのはかなり怪しい。
100歳を越える高齢者で、老人介護も必要とせず、医者にもかからないような老人は通常はいない。
この年金の不正受給の他に、本人確認ができない例として古谷さんのように何らかの理由で本人が失踪してしまった場合がある。
こうした人は地下鉄やJRの通路や河原等で寝泊りしながら、最後は住所不定・無職のまま行き倒れてしまうから、家族が死亡届を出すことができない。
注)その後の調査で古谷さんの場合も扶助料(遺族年金に当たる)が数千万円支払われていることが分かった。この場合も年金の不正需給の可能性が高まった。
人間は最高120歳程度まで生きられるといわれるが、どうやら110歳を越えて生きることは不可能で、生きているとしたら年金需給か失踪のために生き続けているようだ。
当初は例外的な問題だと思っていたが、調査が進むにつれて次々と年金の不正受給や本人の所在が不明な案件が増えており、年金制度そのものと、日本の人口統計に対する不審が発生している。
注)韓国の公共テレビは日本の人口統計はイカサマだと放送していた。
どうやらこれは厚生労働省あげての政治問題に発展しそうだ。
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