(22.8.15) 夏休み特集 NO7 からすなぜ鳴くの
(マッスルさん撮影、山崎編集)
思えばカラスとの戦いはもう数年に及んでいる。何か武田信玄と上杉謙信の川中島の戦いのようだ。
カラスはとても利発な鳥で、食料を確保できる場所を一度見つけると集団でやってきてゴミ漁りをする。
最近では少なくなってきたが、その当時はアパートのゴミステーションはふたがなく、ただ積み上げるだけだったからカラスの格好の餌場になってしまった。
特に私の家の前のアパートのゴミステーションが狙われた時は最悪で、玄関の前がゴミの山になった。
思い余ってD2でゴミネットを買ってきて、家の前のアパートをはじめ近所のアパートのゴミステーションにネットをかぶせた。
幸いに家の前のアパートの住人はこのネットを使用してくれたので、ゴミの山になることは以後なくなったが、せっかくの私のプレゼントを使用しないアパートもあって、そちらは相変わらずカラスの餌食になっていた。

(マッスルさん撮影、山崎編集)
(19.3.1)からすなぜ鳴くの
「カラスなぜ鳴くの カラスは山に かわいい七つの子があるからよ」と歌われた「七つの子」は野口雨情作詞、本居長世作曲の名曲である。
この歌に歌われるカラスはいかにもかわいらしいが、実際のカラスはタフで頭がよく、そしてゴミステーションの荒らし屋だ。
私が近所のゴミステーションを舞台に、カラスと死闘を繰り広げていたのは、2年前のことである。
この近くには古くから建てられたアパートが多く、そうしたアパートのゴミステーションは上部が開いたオープン型で、ネットは張られていなかった。
カラスはそおした場所を目ざとく見つけ、仲間を呼び集めてゴミをあさっていたが、日を追って数が増えはじめた。朝の蝉噪はすさまじく、私はカラスの鳴き声で目が覚めるほどになった。
当初はやや遠くのアパートのゴミステーションが狙われていたが、数が増えるに従って私の前のアパートもターゲットになってしまい、前の道一面にゴミが散乱し始めた。
「これは大変だ。家の前が夢の島になってしまう」
私はカラスの鳴き声がすると、起きてゴミステーションに群がっているカラスを追い払うのだが、回収車が来るまでがんばるわけには行かない。
カラスは頭がいい。サラリーマンの習性を知っている。
カラスの親「もう少ししたら、あのおっさんがエサアサリに出かけるから待ってようね」
カラスの子「うん、そうしたら腹いっぱい食べるんだ」
カラスは私が会社に行った隙を狙って、悠然とゴミをあさり、帰宅するとカラスに散らかされたゴミの清掃が日課になってしまった。
いくらなんでもこれでは身が持たない。私は思い余ってD2に行って、カラス対策用のネットを購入し、カラスが群がっていた4箇所のゴミステーションにネットを張った。そして張り紙をした。
「カラスがゴミを漁っているので、ネットを設置しました。ゴミはネットをかけて出すようにお願いいたします」
幸いにも、私の目の前のアパートともう1箇所はこのネットを利用してくれ、それ以来カラスの襲撃からは免れるようになった。住民も悩んでいたのだ。
(マッスルさん撮影、山崎編集)
ところが信じられないことに、他の2箇所のアパートではネットの上にゴミ袋を重ねて出し、相変わらずカラスの被害は減らない。
唯一の行幸はそこが私の通勤路を外れていたことだ。
「ここは、私の通勤路じゃないから、知らん」と一旦は居直ったが、それでは少し心が狭すぎると反省し、1週間に1度はゴミステーションの清掃をしはじめた。
ある日、そのゴミステーションの住人から声をかけられた。アパートの経営者に雇われた清掃員と思ったらしい。
「ネットをようやく設置してくれたのはいいけど、ここにはその筋の人がいてどうしてもルールを守らない。ちゃんと言ってってほしいのだが」
「はあ、そうですか。ですが・・・・・」
私は、この近くの住人で、ネットも私が張ったのだと説明したら、その人は目を丸くして驚いていた。
「この人、なに、どうしてそこまでするの」という感じがありありと見えた。理由を説明するのも大変だ。
私はその後もゴミステーションのゴミが荒らされていたら、清掃をしているが、どうしても会社から雇われた清掃員と間違えられてしまう。
「あんた、もっとちゃんときれいに掃除しなさい」と言われたら、なんて答えようか。
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