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(22.7.22) JRは変わっていた 塩尻駅にて

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 JR塩尻駅若い改札係にはほとほと感心してしまった。実に顧客対応が親切なのだ。

 先日「おんたけウルトラトレイル100km」を走ってきた記事を書いたが、実は事後談がある。
当日のゴールが夕方の7時頃で、私はそのまま会場にセットしたテントで寝たのだが、翌日テントをたたんで帰宅することにしたものの、肉体的にも精神的にもまったく回復していなかった。

 肉体的には当然で、右足の打撲でまともに歩けなかったが、実は頭も朦朧としていたらしい。一日寝ないで走ると翌日少々寝たぐらいでは回復しない。

 行きは高速バスを利用して2時間遅れになったので、帰りはJRの普通電車で帰ることにした。
塩尻駅で待機中の普通電車に乗り込み、急に尿意を催したのでトイレを探したが、あいにくその普通列車にはトイレがない。

 案内板を見ると反対側のホームの端にトイレがあると書いてある。
出発時間を確認するとまだ10分余裕があることが分かった。
いくら身体が動かないといっても10分あれば帰ってこれるだろう

 荷物を車内に置いて、階段の手すりにつかまりながらトイレに入り、さて外に出てみると信じられないことに列車がない。
あれ、何、それはないよ・・・・・・なぜ・・・・
さんざん確認したのに、発車時間を見間違えたらしい。頭が朦朧となると時間も間違える。

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 リックにテント、寝袋にトレイルラン用の靴、そうした登山兼マラソン用具一式が私を残して列車とともに消えている。
すべて使い古してはいるものの、私にとっては最も大事な財産だ。

 慌てふためいて塩尻駅の改札の窓口に飛び込み、「あのー、トイレに行っている間に電車がでて、時間があると思って、私の登山用具がなくなって、あのー、何処かで荷物を回収していただけないでしょうか・・・」しどろもどろだ。

 改札には新人らしい改札係と、その指導者係と思える若い職員がいたが、すぐに時刻表を確認し、鉄道電話で確認をしてくれたのだが、電車がトンネルに入ると通信ができないらしい。
私が普通電車で帰ることを聞いて、どの駅で回収するのが一番便利か二人で相談し対応策を検討している。

 私はひどく恐縮して「お手数をかけて本当に申し訳ありません」といったのだが、二人の職員は私ために何とか手間隙かけずに荷物を回収する方法で、悪戦苦闘だ。

 いろいろ連絡をしているのだが、どうもうまく通じない。
先輩の駅員が時間がかかっていることを気にして「申し訳ありませんが、すぐに連絡がつかないのであちらの待合室でお待ちください」という。

 やや不安な気持ちで待っていたら先輩の職員がやってきて、
時間がかかって申し訳ありませんでした。諏訪駅で回収できたので、そちらの改札係で保管しています」と対応が遅れたことにわびにきた。

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 もとはといえば私が朦朧として出発時間を間違えたせいなのだが、落ち着いてみると、そうしたことに対し文句を言わず懸命に対応してくれ、対応に時間がかかったことに詫びまでする姿勢に感動してしまった。

 実を言うと私はかつての国鉄のイメージを心の底で引きずっていて、きっとおこられるのでないかと思っていたからだ。
お客さん、出発時間をちゃんと見なかったの。荷物を探すと時間がかかって定時運行に支障が出るんだよ。そこ、考えてくれた」なんていわれると思っていた。

 私が学生の頃の40年以上も前、国鉄は毎年のようにストを決行していたが、その中にスト権ストというものもあり、公務員のスト権を確立するためにストを起こすという政治的なものがあった。

 郷里の八王子の機関区ではこの時期、手に腕章をした組合員と管理職と思しき人が、プラットフォームで罵声をだして殴り合いの状態になっていた。
当然改札には職員がおらず、勝手に駅に入って間引き運転の電車を静かに待っていたものだ。
国鉄は階級闘争に熱心で、顧客のことはそっちのけだ」これが国鉄に対する私に原風景になった。

 87年のJRの民営化後も私はそうしたイメージを引きずっていたようだ。
しかし実態はまったく異なり、朦朧とした私のような顧客にたいしても若い職員が精一杯の対応をしてくれる。
そういえば上諏訪駅の改札で荷物を引き渡してくれた女性の職員もとても感じが良かった。

 JRが変わったといわれて既に久しいが、それを間違いなく実感したのが今回の若いJR職員の対応だ。
塩尻駅の若い職員さん、お世話になりました。とても親切な対応をしていただき感謝の言葉もありません
すっかり感激し、JRのファンになってしまった。

 



 

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