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(22.7.17) ユーロを守れ 孤軍奮闘のドイツ

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 ドイツのメルケル首相が、ユーロを守ろうと孤軍奮闘をしている。
ドイツはGDPに対する財政赤字が09年3.3%で先進国の中では突出して優良なのに、6月7日にまとめた財政再建策はどこのどの国よりも厳しいものになっている。

 直接の動機は10年度の対GDPに対する財政赤字がギリシャ支援等で5%水準になることが予想されたため、メルケル首相が危機感を募らせたからだ。
ユーロの信任はドイツ経済にかかっている。ドイツがこければユーロが崩壊する
まったくそのとおりなのだが、実に悲壮な決意だ。

 再建策の内容を見て驚いた。もし日本でこのよう なことをしようとしたら、政権がつぶれそうだ。

① 公務員の15、000名、国防軍の40、000名の削減
② 失業保険金、生活保護費の削減
③ 耐用年数が過ぎた原発への課税
④ ドイツの空港を利用する航空機に対する環境負担金の徴収


注)ドイツでは長期に失業手当を支給してもらって遊んでいる階層がいる。

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 このような内容で11年度から4年間で約9兆円の歳出を削減し、16年にはGDP対比財政赤字を0.35%まで落とすと言う。

0.35%、嘘だろう!!」思わず目を疑った。

 日本では対GDP対比財政赤字が10%を越しても、「赤字国債を増発してでも景気対策を推進しよう」なんて議論がでて来るのに、このドイツの財政再建策は財政再建症候群というパラノイア患者のように見える。

 もともとドイツは第一次世界大戦後の天文学的インフレーションの経験から、健全財政の権化のような国になっていた。
ところがユーロの仲間に入れたギリシャ、スペイン、ポルトガルが放漫財政で国家破綻の瀬戸際に追い込まれたため、ドイツが一身にこうした国の面倒を見なければならなくなった。

なんで、放蕩息子の面倒を、真面目に生活しているお父さんが見なければならないんだ。このままでは俺がしっかりしなければユーロがつぶれてしまう」そんな気持ちだろう。

 EU加盟国に号令をかけて、財政再建策に取り組むよう指示したが、真面目に取り組んだのはイギリスくらいで、他の諸国はどこまで本気かさっぱり分からない。

注)イギリスは保守党政権に変わって、付加価値税を11年1月より17.5%から20%にあげることになった。

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 当のギリシャも10年6月に財政再建関連法を制定して、公務員給与の2割カット、年金支給金の削減、付加価値税の増税、公共投資の削減、国営企業の民営化等を打ち出したが、もともと法律など鼻から守ろうしない脱税天国の国なので、どこまで浸透するか分からない。
なにしろギリシャは国家を挙げて粉飾数字をでっち上げる国だ。

 謹厳実直で法律をきっちり守ろうとするドイツ人から見ると、「あいつらはまともに財政再建に取り組むはずがないので、自分たちが努力するより仕方ない」ということになって、ドイツはますますパラノイヤ患者のように緊縮財政に転換してしまった。

 こうしてリーマンショック後、世界があげて放漫財政に突っ走った時代がドイツのおかげでようやく収束しようとしている。

注)ただしドイツの上院は日本の参議院と同様にねじれ現象になっているのでメルケル首相の意図が100%通るかどうかは不明。

 

 

 

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