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(22.7.10) トヨタの苦悩  どこまで続くぬかるみぞ

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 トヨタの苦悩は一体どこまで続くのだろうか。アメリカでは一頃のようなヒステリックなトヨタバッシングは止んだが、水面下では執拗なトヨタバッシングが続いている。

 4月5日米運輸省がトヨタに「アクセルペダルの欠陥についてのリコールの報告遅れ」に対し15億円の制裁金を科すと表明し、トヨタはこの制裁措置を5月に受け入れたため、このことが100件以上のトヨタ車に対する訴訟に悪影響が出ることが予想される。
やはり、トヨタは欠陥を隠していた」となるからだ。

 さらにラフード運輸長官は「今回はアクセルペダルにかかるリコールの報告遅れに対する制裁金であり、新たに電子制御装置等の欠陥が明らかになればさらに制裁金を科す」と新たな制裁措置を散らつかせており、いつ欠陥問題が再発するか分からない。

 トヨタ側も非常に神経質になり、5月20日にはスポーツタイプの多目的車(SUV)が米消費者情報誌で「横転する可能性がある」と指摘されるとすぐに3万4千台のリコールを発表した。

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 これでトヨタの欠陥問題は峠を越したと私は思っていたが、7月2日レクサスとクラウンの27万台にのぼるリコールを発表したのには驚いた。
トヨタによるとエンジン部分に異物が混入した場合エンジンに亀裂が入り、最悪の場合はエンジンがストップしてしまうと言う。

 なぜ異物が入るかと言うとバブルスプリングが劣化してそれが異物となるのだそうで、そのためには細い劣化しやすいバブルスプリングを太いバブルスプリングに変えなくてはならないのだそうだ。
この作業はエンジンを分解する必要もあり、単なるソフトの変更とは大違いで手間隙のかかる作業になる。

 こうしてトヨタは5月の3万4千台のリコールに続いて、今度は27万台のリコールをしなければならなくなった。
今までのリコール数を加えると約1000万台になって、年間の販売量をはるかに凌駕している。

 トヨタは販売するよりもリコール対応のほうが忙しくなったが、これこそがアメリカが狙っていた目的だ。

 トヨタの連結営業利益はリーマンショックのあった09年3月期4610億円の赤字だったが、10年3期には1475億円の黒字になり、「ようやくトヨタの経営の悪化に歯止めがかかったか」と思ったが、実際はいつまでたってもリコールの罠から抜けられない。

注)08年3月期のトヨタの営業収益は約2兆円で、当時は世界のトヨタといわれていた。

 販売金額はピークの08年3月が26兆円だったが、10年3月期は19兆円30%も売上高が減少している。
当然アメリカでの販売も不振だ。

 もともとトヨタバッシングはアメリカ政府GMクライスラーを復活させるために、世界最大の企業トヨタを意図的に血祭りに上げたものだが、アメリカ政府としてもここまで効果があるとは予想もしなかっただろう。
トヨタはリコールでのた打ち回り、今は黒字を出すのがやっとの会社に陥った。

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 現在アメリカ政府の最大の関心事はトヨタから離れ、国際石油資本BPのメキシコ湾における原油噴出事故に集中している。
BPはアメリカ政府との間で200億ドル(約1兆8千億円)の基金を創設して事故の賠償に備えることになったが、オバマ大統領は「これがすべてではない」とBPを非難している。
おかげで、トヨタの事故どころではなくなってきた。

 また日本政府が鳩山政権のような嫌米政策をとらないと菅総理が言明したためオバマ政権としてはジャパンバッシングを控える方針であり、そうした意味ではトヨタバッシングは峠を越した。

注)鳩山政権の最大の被害者はトヨタだったと私は思っている。

 しかしそれはアメリカ政府が意図的なトヨタバッシングをしないということで、実際はこれからも長い間トヨタは米運輸省の技術的追求とアメリカ市民の集団訴訟に悩ませられるだろう。

 

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