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(22.6.9) ハンガリー政府の愚かな対応

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 ハンガリーオルバン政権の愚かな発言で、世界市場に激震が走った。世界各地の株式市場は軒並み低下し、ユーロはドルと円に対し大幅に低下した。

 オルバン政権はこの4月、社会党の前政権を打ち破ったばかりの中道右派政権だが、政権公約の「減税と景気刺激策」を実施すべき財源がないことに気がついて、責任を前政権に押し付けることにした。

 この6月4日に「財政状況はかなり悪く、ギリシャ危機がハンガリーで起こる可能性があり、前政権はこの財政状況を隠蔽していた」と報道官が発表したのである。
オルバン政権の本音は「だから公約で言っていた減税も景気刺激策も無理だ」という国内向けメッセージだったが、市場はそうはとらなかった。

ギリシャ危機の次はスペインかポルトガルだと思っていたのに、ハンガリーなのか・・・・それなら東欧諸国はどこも財務状況を隠蔽しているに違いない
ハンガリーにはドイツオーストリアが多額の融資を行っている。
ユーロは売りだ。ドルか円か金に換えろ」ユーロから資金が逃げ出し大騒ぎになってしまった。

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 オルバン政権はこの世界的な激震に驚いた。
IMFEUからは「オルバン政権は金融のセンスがゼロだ。なぜ市場に対する配慮がないのか」と猛烈な抗議がきたので、あわてて修正した。
昨日の発表は間違いだった。わが国はIMFとの約束の下に10年度の財政赤字をGDP対比3.8%に抑えることができる

注)ハンガリーはリーマンショックのあと財政が破綻し、IMFとEUから200億ユーロ(約2兆2千億円)の財政支援を得た。その見返りに当時の社会党政権は緊縮財政をとったが、その緊縮財政を批判することで中道右派のオルバン現政権が政権を奪った。

 なんてことはない、前社会党政権の財務の隠蔽は嘘だったというのだ。

 日本では公約実現のための財源を埋蔵金と事業仕分で確保できると言ったが、最終的には赤字国債でつじつまをあわせた。
一方オルバン政権は赤字国債を発行できない理由があった。すでにIMFの管理下に入っていたからだ。
仕方なしに公約を実現できない理由を前政権の財務内容の隠蔽にしようとしたが、この方法はあまりに稚拙だった。

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 市場は最初の報道と訂正の報道のどちらが正しいか図りかねている。
銀行や専門家はIMFと約束した3.8%は無理にしても、せいぜい4.5%~5.0%位の財政赤字で、ギリシャの12%台の赤字ではないと見ている。

オルバン政権の馬鹿が、自分の公約を守れない理由を前政権に押し付け、ユーロを奈落に落とそうとしている」EUもIMFもかんかんだ。

 今回のハンガリー危機をEUの高官は「シャドーボクシングと言うべきで、実際の危機ではない」といい、ストロスカーンIMF専務理事も「特別な懸念の必要性はない」とハンガリー危機を打ち消した。

 それはそうだろう。既に2年前からIMFの管理下に置かれ、IMFのもとで財政再建をしていたのに、実際はIMFの目を盗んで財政悪化に歯止めがかからなかったなんてことになれば、IMFの立場がなくなる。

 オルバン首相は国内向けのアナウンスメントが国際的波紋を投げかけることにまったく気がつかなかった。
しかし今はグローバリズムの時代だ。どんな情報でも世界を駆け巡る。

 鳩山前首相は安全保障問題を知らずに「国外・県外」と言って政権を棒に振ったが、オルバン首相は経済・金融問題を理解せずに「財政数字が改竄されている」と言って、ユーロを谷底に突き落とそうとした。

 国際関係を無視して国内問題を解決しようとする愚かなローカル政治家はどこにでもいるが、それが首相の場合は世界の政治・経済に甚大な影響を与えることをオルバン首相(それと鳩山首相が実証して見せてくれた。

 

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