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(22.6.22) 中国人民元の為替の弾力化は本当だろうか?

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 中国人民銀行が今月19日に「人民元の為替の弾力化を高める」と報道したことに伴い、世界各国は一斉に歓迎のコメントを出したが、その期待に反し、実施予定日の21日には若干の元高に留まった。

注)中央値は変わらず、変化幅0.5%以内の6.80元で従来の6.83元から比べると0.4%の元高だった。

 中国の為替制度は日本などの変動相場制と異なり、リーマンショック以降はまったくのドル固定制と言ってよく、1ドルに対し6.83元に張り付いていたので、現状は微修正といった段階だ。

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 ここにきて中国が為替の弾力性を高めると表明したのは、6月26日にカナダのトロントで開催されるG20首脳会議で、胡錦濤国家主席に恥をかかせないためである。
中国は面子だけで生きているような国で、現在の中国皇帝といえる胡錦濤国家主席が満座の前で非難されたり、そのための弁解をしなければならない立場になることを何としても避けなければならない。

 「中国は為替を人為的に操作し、世界経済に甚大な悪影響を与えている」などとオバマ大統領に言われたら、胡錦濤国家主席の立場がない。
胡錦濤主席に恥をかかせるな」中国人民銀行に指示がとんだ。

注)胡錦濤国家主席は中国では皇帝の立場にある。
外国からの首脳を迎えるスタイルは、自分は動かず静かに立っており顔は無表情を決め込む。
日本の首脳がニコニコ笑って、腰をかがめて握手する様は朝貢外交の使節団のようだ。


 オバマ政権は大量の国債を中国に購入してもらっているてまえ、本音は中国を刺激したくない。
しかし一方民主党が多数派の議会は中国に対し人民元の切り上げを要請している。
中国が何も対応しなければオバマ大統領はG20で厳しい口調で中国を非難しなければならなかったのだから、ほっとして歓迎のコメントを出した。
建設的な一歩だ

注)民主党は基盤であるGM等の工場労働者の職場を守らなければならず、オバマ大統領は民主党議員から元安がアメリカ製品の輸出を阻害していると突き上げられている。

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 しかし21日から実施すると表明した元の為替相場はほとんど変動せず、為替関係者からは「中国は本気で為替相場の弾力化を測るのだろうか?」と疑問の声が出ている。

 中国としたら元相場の弾力化は痛し痒しだ。
輸出産業保護のためには元安が至上命令だが、一方そのための為替介入で国内には元が溢れかえり、不動産バブルが止めどもなく続いている。国内物価の高騰も気がかりだ。
若干の元高は容認してもいいのじゃないか・・・・・・

注)中国人民銀行は元相場をドルに固定するため、元が上がりそうになるとドルを買って相場を下げてきた。このためドルが急激に溜め込まれ外貨準備は200兆円を越えているが、その分国内には元資金が供給されたことになる。

 
おそらく中国人民銀行は元を若干ずつ切り上げると思うが、その速度はアメリカが期待したものには程遠いだろう。
中国は国内の消費市場の拡大を図っていると宣伝しているものの、実際は政府支出の拡大と金融緩和でどうにか景気を支えているのが実情だ。
だから本音は輸出拡大で、政府支出が限界に達する前に輸出主導型の経済運営に復帰したいと考えている。


注)日本が国内市場の拡大を唱えながら、常に輸出産業の業容回復で不況を脱出してきたように、中国もそれ以外の方法はない。

 
どこの国にもその国の経済運営のパターンと言うものがあり、そこから乖離することなどできないものだ。
胡錦濤国家主席に恥をかかせないために中国人民銀行は元高容認発言をしたが、実際の切り上げの足取りは亀の歩行のように遅いものとなるだろう。


 


 



 

 

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