(22.6.17) いつまで続くぬかるみぞ 大相撲不祥事
私のように大相撲のファンにとってはつらい日々が続いている。
大相撲の不祥事が際限なく続き、親方二人による維持員席の暴力団員への提供問題が部屋の閉鎖と言う措置で終了したと思ったら、今度は大関琴光喜の野球賭博問題が顕在化している。
当初琴光喜は野球賭博をしていることを否定していたが、6月14日になって一転してその事実を認めた。
暴力団関係者から「野球賭博をしていることをマスコミにばらす」と脅され300万円を口止め料として支払ったが、さらに1億円の口止め料を要求されていたと言う。
警視庁は本件を恐喝罪として立件するため、琴光喜を含め関係者の事情聴取を始めた。
琴光喜は謹慎の意味で名古屋場所の出場を辞退したが、どうやらそれだけでは収まりそうもない。
警視庁が立件を決めた段階で、琴光喜は引退せざる得ないだろう。
しかし問題は琴光喜だけに留まらない。
野球賭博をしたと相撲協会の行った調査に対し答えた現役力士が29名おり、さらに賭けマージャン等を含めると65名が賭博に関与したと言う。
これは現役力士の約1割相当だが、実際はもっと多くの力士や親方や床山が賭博行為をしていたと推定される。
私が現役のサラリーマンだった時も、賭けマージャンや賭けゴルフは日常的に行われていた。
私自身はマージャンもゴルフもしないからそうした賭け事と無縁だったが、マージャン好きな人から「あいつはまだ掛け金をはらってくれない。トンでもないヤツだ」など言っているのを聞いているし、ゴルフでは「X枚握ってX円稼いだ」と言う話は当たり前のように話されていた。
こうした行為は賭博行為ではあるが、少なくとも仲間内で実施され暴力団が関与しない限り警察もお目こぼしをしている。実際私がサラリーマンをしていた間、同僚が賭博行為で逮捕されたと言うようなことはない。
しかし暴力団が関与してくると警察としても黙って見逃すわけには行かなくなる。賭博行為に伴いテラ銭と称する手数料が支払われ、それが暴力団の資金源になるからだ。
今回琴光喜の野球賭博が社会通念として無視できないのは、暴力団関係者との癒着が疑われるからである。
日本を代表する国技の大関と言う地位の者が、反社会的集団と癒着して賭博行為をし、今度はそのために恐喝されるとあっては警視庁も放っておくわけには行かない。
しかも相撲協会は公益法人で国から税制上で優遇されている。
それにしても相撲界の不祥事がこれほど続くとなると相撲協会としても安直な対応で済ますわけには行かないだろう。
大相撲の将来を考えると、暴力団関係者との癒着が明確になった者には、温情主義は止めて即解雇するといった厳罰主義でのぞむ以外に方法はなさそうだ。
注)なお文部科学省は賭博に関連した全員の名古屋場所への出場停止と、外部の人員だけからなる有識者会議による真相究明を求めている。
本当に関係者全員が出場停止になると、名古屋場所自体が成り立たないのではなかろうか。
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