(22.5.9) 鳩山首相の幼児性見栄坊症候群
鳩山首相を見ていると、その幼児性と見栄坊が際立って混在しており、その性質ゆえに国政を混乱させていることが分かる。
鳩山首相がいかに幼児的でありかつ見栄坊であるかはいくらでも証拠がある。
① 地球温暖化対策としてCOP15開催に先立ち、日本は20年度までに90年対比で25%の温暖化物質を削減すると表明した。
これには世界が驚き、とくにヨーロッパでは絶賛を浴びたが、実際はできもしないことを約束しただけだった。
11年度中に行おうとした国内排出量取引の道筋も立っていない。
② 母親から政治資金規正法に違反した贈与を約13億円規模で受領していたが、これを支持者からの小口献金と偽って収支報告書に記載していた。
鳩山総理自身は本件については不起訴になり、すべて秘書が独自に鳩山首相の母親に贈与を依頼したことになっているが、それが本当ならば自身で資金手当て一つできないお坊ちゃんということになる。
注)実際は鳩山首相が母親に泣きついたと思われるが、いつまでたってもオシャブリではやはり自主性が欠如している。
③ 郵政問題で亀井金融・郵政担当相が国営化方針を打ち出し、貯金と保険の限度額の大幅引き上げを行うと発表したが、これに対し鳩山首相は閣議で決まったことではないと反対した。
私は鳩山首相もさすがに郵政国有化に反対なのかと思ったが、実際は閣議を開いてあっさりと亀井氏の案を了承した。
単に最終決定は自分にあると言うことを見せ付けたいだけのパフォーマンスだったことが判明し、一方亀井氏は「総理は立派な決断をされた」と皮肉をこめて激賞した。
④ 普天間基地の移設問題では「国外・県外」「最低でも県外」といって5月末までに決着すると大見得を切ったが、実際は辺野古への移設と、一部鹿児島県の徳之島への訓練場移設しか案がなかった。
誰が見ても辺野古は沖縄県にあり「最低でも県外」とは言いがたい。
鳩山首相以外はこの案でも決着はまったく不可能と思っており、岡田外相は「普天間基地の存続が止む終えない状況にある」と述べるし、北澤防衛相は、はなから辺野古以外の移転先を考えていなかった。
鳩山首相だけが徳之島への一部移転にこだわっているが、徳之島の住民が断固反対しており、とても移転できる状況下になく5月末の決着は不可能だ。
以上のような鳩山首相の行動を見ていると、自身をできるだけ格好良く見せたい願望と、しかしそうするための道筋と実行力の欠如が際立っている。
通常大人であれば、このありたい自分と、ありえる自分との乖離は、その間を埋めて両者を近づける工夫をするものだが、鳩山首相はそうした努力をまったくしない。
民主党の内部から「鳩山首相は夏休みの最後になってあわてて宿題をする小学生のようだ」と言われ嘲笑の的だ。
日本を取り巻く政治・経済情勢は厳しくなる一方で、日本の周りには中国や北朝鮮といった海千山千の政治家がゴロゴロしている。
日本の首相はそれに伍して行かなければならないが、鳩山首相は鷲に襲われる小鳩のようだ。
私は鳩山首相を何回も「無責任」と評価してきたが、はっきり言えば「子ども」で、そもそも責任能力がないというのが実態だ。
だからそうした人物に国政を任せている日本国民の方にも問題がある。
5月末までに普天間基地の移設問題が解決しないのは明白だから、鳩山首相には責任を取って辞任してもらおう。
しかし鳩山首相は「責任はぼくちゃんにはない。沖縄まで行って努力した」と居座る可能性も高い。
だから「ねえ、ぼくちゃん、ぼくちゃんの気持ちは分かったからもう政治ごっこは止めて遊園地で遊ぼうね」
そう言って国民から引導を渡すべきだと私は思う。
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