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(22.4.30) 航空行政の大転換 羽田のハブ化とJALのリストラ強化

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 ようやく日本の航空行政も目が覚めてきたらしい。今までは発着枠がまったく足りない成田をハブ空港にしようとしたり、飛行機が飛ばない地方空港を作ったりしてむちゃくちゃな航空行政を行ってきたが、JALが倒産してようやく目が覚めた。
まずい、これでは航空会社も空港会社も共倒れで、日本のハブ空港は韓国の仁川空港になってしまう

 この4月28日に、2つの重要な航空行政の転換がなされた。
一つは羽田のハブ空港化と成田のローカル空港化の方針であり、もう一つはJALのリストラ策強化である。

 国交省成長戦略会議の試案では、羽田空港はこの10月の第4滑走路開設にあわせて、国際便の発着枠を当初は年に6万回、その後13年度からは9万回に増枠する方針が出された。

 従来羽田は国内便、成田が国際便のすみわけを行ってきたが、この国内・国際別空港という政策はまったく時代遅れだ
世界の主要な空港は国内・国際一体化がされていて、簡単に乗り継ぎができるのだが、日本では羽田から成田まで荷物を持って金と時間をかけて移動しなければならない。
もうやだ、こんな苦労をするなら韓国の仁川空港を使おう。安いし便利だし、食事だっておいしいじゃないか
仁川空港が実質的な日本のハブ空港になっている。

 一方成田はリゾート路線や格安航空会社の導入、ビジネスジェットの専用空港にしようという方針なのだから、これは茨城空港や静岡空港と同じで、はっきり言えばローカル空港としてしか生き残る道がないと言っているに等しい。

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もっともこの国交省の試案をおいそれと千葉県成田空港が受け入れるとは思われないが、客観的に見て成田は世界標準ではローカル空港でしかない。
滑走路が2本ではハブ化はとうに諦めなければならないし、24時間運用体制が取れない国際空港は国際空港としての資格がない。

 それに何より成田は首都圏から遠い。羽田・成田間を約50分の高速鉄道で結ぶといっても、一方仁川空港を使えばこの間の移動時間は0分だ。
いくら高速でも0分にはかなわない。

 私のように千葉に住むものにとって成田がローカル空港になるのに一抹の寂しさはあるが、日本全体のことを考えれば成田が国際空港だといってがんばっている限り、日本の航空界にとって未来はない。

 もう一つの変化はJALのリストラ強化策の発表である。この1月の会社更生法申請時のリストラ策に銀行団は鼻白らんでしまった。
こりゃダメだ。このまま行けばJALは再度倒産する

 支援機構が発表した1月時点の再建計画案は以下の通りだった。

① 3年間で国内17、国際14路線から撤退
② 3年間でグループ15661人を削減
③ 燃費の悪いジャンボ53機を3年間で退役

JALは本気でリストラをする気がない。3年間というのは企業再生支援機構が支援する期間のことだが、3年後にリストラがうまく行かないといって、また政府と金融団に泣きつくつもりだ。
1年目と2年目はリストラをやっているそぶりをするだけだろう


 金融団の強硬な申し出を受けて、ようやく国交省が動き再度のリストラ策を作らせたのがこの28日だ。

① 今秋以降、国内30、国際15路線から撤退
② 今年度中にパイロットを含む16452人のリストラ実施
③ ジャンボ機を今秋をめどに退役

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 最大の変更は本年度中に実施すると変更したことだ。
この結果JALは従来の事業規模が国際線で4割、国内線で3割縮小して黒字体質の企業に生まれ変わるという。
やれやれ、これでようやくJALも本気で再生を図る気持ちになったようだ」銀行団はほっとした。

注)現在のメガバンク3行の融資残高は1700億円だが、今後3年間の間にさらに日本政策投資銀行を含めて7000億円の追加融資を要請されている。金融団はリストラが進展せず、ただ融資だけが行われることを恐れている。

 一方JAL路線撤退で大騒ぎになってしまったのが地方空港だ。名古屋の小牧空港からは9路線すべてが撤退してしまう。
地方空港の収益は着陸料が主体だから、飛行機が飛ばなければ空港会社は大赤字になる。
もともと小牧空港は中部国際空港ができたら閉鎖する予定だったが、地元の要望で維持してきたのだが、倒産会社に地方空港を支える余力はない。

 他にも北海道の丘珠の2路線、函館の3路線、広島西の2路線等の閉鎖が発表された。
地方空港はほとんどが赤字で、地方自治体等が赤字補填をしてかろうじて維持しているいるのが実態だ。
当初から黒字になることなど想定せずに建設してきたのだが、今回のJALの撤退を受けて、本格的に地方空港の淘汰の時代が始まった

 ここにきてようやく国交省は拡大路線から縮小路線へと現実的対応をするようになった。

① 羽田のハブ化と成田のローカル化、②JALのリストラ強化とナショナル・フラッグからの撤退、③不採算地方空港の淘汰と、新たな航空行政の時代が始まったといえる。

 

 

 

 


 

 

 

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