« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »

(22.3.31) すべては政治に還元される  冷凍ギョーザ毒物事件

22329_035

 感心してしまった。毒物ギョーザ事件の中国の対応にである。
犯人が検挙され中国の警察の捜査能力が高いとか、よくここまで捜査を継続したとか言うことではない。
そうではなくてこの毒物ギョーザ事件政治的取扱についてである。

 08年1月にこの事件が発生してから当初はメタミドホスが混入されたのが中国か日本かで捜査当局が対立し、中国当局は「中国でメタミドホスが混入された可能性は限りなくゼロに近い」と言い切っていた。

 その後08年6月にこの当局の発表をまともに信じた天洋食品が、回収したギョーザ15万食を国営企業に転売して食中毒が発生したため、さすがに中国当局も本格的な取調べを再開した。
しかしその後約1年半にわたってなしのつぶてだった。

どうやら中国はこの事件を迷宮入りさせたいらしい
外務省も諦めて、「日中食品安全推進イニシアチブ」というわけの分からない取り決めをしてお茶を濁そうとしていた矢先だけに日本中が驚いた。

 逮捕された呂月庭容疑者は36歳の天洋食品の食堂の管理人で「自分と妻を正社員として雇ってくれなかった天洋食品に不満をもち、会社を困らせる目的で冷凍庫に保管されていた冷凍ギョーザに注射器で都合3回、メタミドホスを注入した」と供述したと言う。

22329_004

 逮捕のきっかけは呂月庭容疑者が妻や知人に「自分がやった」と話していたとの情報から発覚したとのことである。
その結果、(捜査を担当した中国公安省の発表によると呂月庭容疑者はつい最近当局に逮捕されたとのことであるが、これはかなり怪しい

 毎日新聞はこの取調べを行っていた責任者が昨年秋の異動で昇格しているので、その頃には犯人が特定され、呂月庭容疑者が拘束されていた可能性が高いと推定しているがそれが真実に近いだろう。

 中国の捜査方法は社会主義国特有の垂れ込み情報(今回もそれと思われる)と拷問の組み合わせだから、かなり早い段階で犯人が特定されるか、あるいは政治的にでっち上げられるかどちらかでないとおかしい。

 今まで呂月庭容疑者を逮捕したとの発表がなかったのは政治的に見て発表しないことが中国政府にとりメリットがあったからである。
この事件は迷宮入りにさせよう。わが国に落ち度などない

 ところがここに来て中国とアメリカの関係が急速に悪化してきた。オバマ政権が中国を為替操作国として認定して、元の切り上げを迫ることが確実になったことと、Google問題で中国の言論の自由を揺さぶる政策に出てきたからだ。

まずい、アメリカとの関係がギクシャクしてきた。この情勢をわが国に有利に展開するには鳩山を取り込もう
この5月に鳩山総理の中国訪問、その返礼としての温家宝首相の日本訪問が予定されている。
鳩山総理に対するプレゼントとして、呂月庭容疑者の逮捕を公表した。

22329_042

 中国ではいかなる事件も政治的に利用される。犯人逮捕の情報が中国にとって有利な場合のみ公表されるし、不利な場合は「捜査は継続中」と言って伏せられる。

 このように中国の情報操作は実に巧みで、とても日本の及ぶところではない。一方日本では岡田外相がアメリカとの関係がどんなに悪化しようとも核の持込の密約を公表したりしているのだから、とても外交で勝てそうもない。
情報の取扱は大人と幼児ほどの差がある。

注)岡田外相は普天間移設問題でゲーツ国防長官と話し合いをしているが、相手のすねを蹴っ飛ばしながら、一方で握手するのはとても無理と言うものだ。

 今回の中国の対応をみて、鳩山政権に中国の半分程度の政治的配慮があれば、日本も国際的に評価される国になるのにと思うが、実際はアメリカと中国に幼児扱いされる国で、とても残念な気がした。

 

| | コメント (0)

(22.3.30) 佐倉朝日健康マラソンを走ってきた

22329_023
スタート前。3時間半から4時間までのランナーの並ぶ位置

 久しぶりに佐倉朝日健康マラソンフルを走ってきた。この時期は多くの大会が開催され、私は主として荒川マラソンに参加していたので、佐倉に出たのは久しぶりだ。

 私が所属しているちはら台走友会はこの大会を走友会で出場する主要大会と位置づけており、今回もフルに9名、10㎞に3名、応援者2名、合計14名で出かけた。
ここから佐倉までは短縮路を取ると自動車で1時間余りでいける。

 今回も人間ナビと異名を取るTさんに先導されて、農道やらなにやらくねくねした道を通って運動公園陸上競技場に到着した。
私などは道路といえば自分が足で走った道しか知らないので、このように千葉界隈の道がすべて頭に入っているTさん人間ナビには舌を巻く。

 今日(28日)は実に寒い日だった。気温は5度前後で風もかなり強く体感温度0度近くに感じる。
しかしマラソンは暑いよりは寒いほうが圧倒的に走りやすい。寒さ対策としてはランニングの上にヤッケを着込んで走ることにし、暑くなればヤッケを脱ぐ予定だった。
しかし走っている間中寒く、とうとうヤッケを脱ぐことはなかった。

22329_025
この大会は印旛沼の周りを走る

 この大会は年々盛んになっているらしく、今回も全体で1万人以上の参加があったらしい。フルマラソンの参加者も7000名近くあり、実に盛大な大会だ。
今回、私はこのレースのためにかなり真面目にトレーニングに取り組んだ。
理由はライバルのゴールド姉さんが出場するからで、私とゴールド姉さんは宿命のライバルだ。
今度は私が勝つ」が二人が会ったときの合言葉だ。

 しかし正直に言えばここ数年肉体の衰えが激しく、フルの記録が4時間を切れない。
それでも目標を3時間50分に定め雨の日も風の日も走って調整に勤めた。

 ゴールド姉さんは私よりスピードがあり、そのため前半はいつも離される。
後半追いついて抜かすと言うのが私の必勝パターンで、私は前半と後半がほとんど変わらないイーブンペースで走る。

 今回は幸いにもゴールド姉さんが30㎞手前で失速しているところに追いついた。
ようやく捕まえた」と姉さんに会釈をして抜き去り、3時間53分でゴールした。
目標より3分遅れだったが、結果を見ると7000人1639位だから、この年齢としては健闘した方だ。

 私としては限界に近い走りで、身体に対するダメージは大きく、家に帰ってからほとんど身体を動かすことができない。
いてー、身体がギシギシいっている」うなってしまった。

22329_027
私のすぐ後のランナーのゴール

 今回はゴールド姉さんに勝ったが、姉さんはすぐにトレーニングを再開して、次回に備えるはずだから油断ができない。
走友会の他のメンバーは私たちよりかなり早く、私がようやく走友会の集合場所に戻ったときは、私とゴールド姉さんをのぞいてすべて走り終えていた。

 しかし他のメンバーとは実力が違いすぎるので、最初から目じゃない。これからもゴールド姉さんとの死のバトルが続くのだろう。
こうしてゴールド姉さんがいるおかげで私もがんばっていられるのだから、姉さんに大いに感謝している。

| | コメント (1)

(22.3.29) 鳩山内閣の最後の晩餐

22326_004_2

 鳩山内閣最後の晩餐が近づいている。昨年の九月衆議院選挙で圧勝し、国民の期待を一身に背負って発足した鳩山政権は、半年でダッチロールを繰り返し、今支持率はジェットコースター並みに落ち込んでいる。

 鳩山総理はこの支持率の低下を「真摯に受け止めている」と神妙な顔つきでコメントしたが人心はすでに離れ、後はいつ鳩山総理退陣するかにかかってきた。

 国民が鳩山総理を見限ったのには訳がある。普天間基地移設問題での迷走、郵政国有化への逆行、そして政治と金の問題3点セットがそろえば、人心が離れないほうがおかしい。

 鳩山総理自身は、「政治と金の問題が一番大きい」と言っていたが、私の見るところ普天間基地の移設問題と、郵政国有化への逆行の方がはるかに問題も影響も大きい

22326_006_2

 普天間基地移設は基本的には外交・防衛問題であるのに沖縄県の負担軽減という住民問題にスポットを当ててしまったため、混迷の度を増している。
沖縄県の知事や名護市の市長から「沖縄県内移設は絶対認められない」と釘を刺され、鹿児島県の徳之島を訓練場にしようとする案は、鹿児島県知事からクレームが付いている。

 米軍基地の移設に地方自治体の長が反対するのは当然で、誰も基地が住宅地の近くに建設されることを好まない。
一方外交・防衛は国政の専担事項で、ある特定地域の反対がどのようなものであったとしても、外交・防衛面から押し切らなくてはならないこともある。

 日本が外国に占領されたり攻撃されれば、そもそも住民生活などは成り立たないのだから、国全体の立場からそうしたことがないように防衛力を強化しなければならないからだ。
だから国政と地方政治はそうした意味で鋭く対立しており、両者が満足する結論などあるはずがない。

 鳩山総理の不決断は、自分が外交・防衛の責任者であることを忘れて住民の代表だと思っていることから来ている。
歴代首相の中でこれほど無責任な首相は、他に阪神・淡路大震災で多くの人命と財産を失わせながら何もできず、ただ呆然としていた村山元首相がいるだけだ。

22326_022

 郵政国有化も罪が重い。亀井金融・郵政担当相の勝手な国有化路線を許し、国民新党があたかも鳩山内閣の最大与党かと思わせている。
亀井氏の豪腕ぶりはつとに有名で、元大蔵事務次官斎藤次郎氏を郵政の社長に据えて、民主党がマニフェストで反対していた「霞ヶ関主導の政治」を復活させ、10年度予算では赤字国債の増発を声高に叫び、今度は郵貯と簡保の限度額を大幅に拡大して、世界最大の国営銀行と保険会社を作り出そうとしている。

 亀井氏のもくろみは明確で、国有銀行と国有保険から吸い上げた資金をすべて国債購入に回し、その資金で全国で公共工事を復活させ、日本に土建国家を復活させることにある。
景気対策にはさらに11兆円の補正予算が必要で、そのために赤字国債の増発は止む終えない」と言うのがそれで、亀井氏は故田中角栄氏の後継者を狙っており、あわよくば総理の椅子を手に入れようと野心満々だ。

注)さすがにこれには民主党の幹部が頭に来て、亀井氏の独断専行を阻止しようと立ち上がったため、亀井氏は限度額引き上げは絶対に譲れないが、国債運用は抑制的にするとの妥協案を出している

 鳩山総理亀井氏の半分でも決断力があれば、この国の未来も開けるのだが、亀井氏のような日本の最も保守的で土建屋気質丸出しの人だけが決断力を持っているのはまことに不幸だ。

 幸いに最後の晩餐は近づいており、鳩山政権普天間基地移設で何も決められず退陣を余儀なくされるだろう。
そのときは民主党は右の国民新党・左の社民党と手を切り、新たに発足しそうな自民党改革派みんなの党と連立して、中道右派政権として生まれ変わることを願うばかりだ。 

 

 

 

| | コメント (1)

(22.3.28) 去るものは日々に疎く 朝青龍

22326_021

 「去るものは日々に疎く」とはこのことを言うのだろう。引退した元横綱朝青龍のことである。
この大阪場所が始まった直後はアナウンサーが「朝青龍が引退して一人横綱になった白鵬の奮起が望まれますが・・・・」と言う言葉を連発していたが、場所が進むにしたがって朝青龍と言う言葉を聞くことが少なくなってきた。

200pxbaruto_kaito_2008_may1_2   それも当然で白鵬が白星街道を突っ走り、把瑠都(バルト)が大関取りに邁進し始めると、興味の中心はすっかり白鵬の全勝優勝と、把瑠都が何勝したら大関に昇進できるかに移ってきた。

 7時台のNHKニュースの相撲ではいまや把瑠都が主役になって、いつもはにこやかな顔の把瑠都が今場所に限っては厳しい表情で何回も映し出されている。
そして「今場所の把瑠都はひと皮むけて、武器の突き押しが威力を増していますね」と言うのが解説者の常套句になっている。

 個人的には把瑠都は好きな関取だ。とてもユーモアのある受け答えをするので、インタビューをするアナウンサーの人気の的になっている。
なにしろ関取はほとんどがまともな受け答えをしてくれない。
今日の相撲は実に右上手が有効でしたね」なんてアナウンサーが言っても「ああ」とか「はあ」とかしか返ってこないので、アナウンサー泣かせだったが、把瑠都は違う。

 白鵬との対戦を前に「あすはいよいよ白鵬戦ですが、楽しみですね」と言う問いに「はい、私もとても楽しみです」と人事のようなとぼけた回答をしたので、笑ってしまった。

 今相撲ファンはほとんど朝青龍のことを忘れようとしており、相撲人気も朝青龍がいないからといって特別落ち込んだとの兆候はない。
去るものは日々に疎し」とはよく言ったものだ。

 私も現役の頃は「山崎さんはシステム監査のエキスパートで、余人を持って代えがたいですね」なんて言われたが、引退しても誰からも何も問い合わせが来たことがない。
すっかり「余人を持って代えてしまった」ようで、実際組織が維持されるということはそうしたものだ。

22326_028

 朝青龍などは25回の優勝をし、歴代3位の好成績を残した大横綱だが、それでも簡単に忘れ去られていくのだから、私が職場から忘れ去られるのも当然だ。

 思えば朝青龍は功罪半ばする大横綱だった。強さは紛れもなく強かったが、不要な決め出しを繰り返したり、プロレスのように場外で大乱闘をしたりして引退に追い込まれた。
日本の伝統ある国技を汚したと言う意味では、私は罪のほうが重いと思っており、朝青龍の引退でようやく大相撲の持つよき伝統が復活するのではないかと期待している。

 幸いに白鵬は礼儀正しい横綱だし、把瑠都はユーモア溢れる関取だ。
大相撲人気がまた復活するだろう。

注)把瑠都の写真はWikipediaより転写。

 

| | コメント (0)

(22.3.27) ギリシャはギリシャ

22326_002_3

 ギリシャギリシャだとつくづく思う。
ドイツフランスが口角泡を飛ばしてギリシャ支援策を検討しているときに、当のギリシャは馬耳東風で、パパンドレウ首相は「ギリシャはいかなる金融支援を求めていない」と言い切った。

 さすがにこれにはドイツのメルケル首相が切れて「ギリシャが金融支援を求めていない以上、支援会議など無駄だから止めよう」とけつをまくった。
しかし実際はユーロの信任はますます地に落ちてきて、ポルトガルの格付引下げの影響もあったが、今日(25日)は対ドル相場で10ヶ月ぶりの最安値をつけている。

 それでもギリシャは実に落ち着いたものだが、一方市場の見方は厳しく4月から5月にかけて約2兆円の資金不足に陥るのではないかと見ている。
ギリシャ国債のレートは6.5%となってドイツ国債3.1%の2倍を越え、さらに上昇しそうだ。

22326_020

いくらなんでもギリシャ支援策を策定しないとユーロが持たない
フランスのサルコジ大統領が騒ぎだしたが、いつものようにフランスはケチで、実際に金を出すのはEUの金持ち国ドイツだから、メルケル首相はおいそれと同意するわけにはいかない。

ドイツだけの支援では限界がある。IMFの支援を仰ごう」と言い返した。
これにはフランスが驚いた。
ダメだ。IMFはアメリカの手先だ。ユーロをドルに対抗する基軸通貨にしたいのに、再びドルにユーロが牛耳られてしまう。絶対にダメだ

なら、ドイツは金を一銭も出さないメルケル首相の言葉にテンヤワンヤの大騒ぎになってしまった。

 日本人の感覚としてはギリシャがドイツやフランスに頭を下げて、金融支援を仰ぐのが普通なのだが、ギリシャは絶対に頭を下げたくないらしい。

お前らの文明は元はと言えばこのギリシャが作ったのだ。哲学だってソクラテスやプラトンのおかげだし、数学はアルキメデスの亜流じゃないか。ギリシャ彫刻は世界の美の極致で、その証拠にルーブル美術館の至宝はミロのビーナスだ

だから、いざとなったらギリシャに恩返しとして金融支援をする義務がある」というところだろう。

22326_033

 しかしこの論理はドイツ人には通じない。
嘘つきのギリシャ人をユーロに入れたのが失敗だった。南国の太陽の下で遊んで暮らしているやつらに、悪天候の中でもくもくと働き、67歳になってようやく年金がもらえるドイツ人のお金をおいそれと渡すわけにはかない

それにフランスの野郎は、口だけ出して金融支援はドイツにさせようとは不逞やろうだ

注)ギリシャはユーロ加盟時もまた最近までも経済指標を改竄していた。

 一度は散開になるかと思ったが、結局ドイツとフランスが折れて、総額2兆6000億円の融資枠を設定することになった。
3分の2がユーロ加盟国、残りの3分の1がIMFの支援となる。

 ギリシャのパパンドレウ首相は「満足している」と平然と延べたが、それまで「一銭も支援を必要としない」と言っていたのだから、えらい変わり様だ。
ほれ見ろ、ギリシャが何もしなくてもドイツが金を出してくれる」と読んでいたのだろうか。

 ギリシャは実に食えない国だ。

 

| | コメント (0)

(22.3.26) 自由と検閲  Googleと中国政府の仁義なき戦い

22319_006

 Googleと中国政府の仁義なき戦いが始まった。06年1月Googleが中国で検索サービスを開始するに当たっては、「中国政府を刺激する内容の検索は自主規制する」との約束の下に開始した。

 当初は「天安門事件、法輪巧、チベット独立」と言った検索をブロックしていただけだったが、次々に検閲用語が増え、さらにGoogleの提供しているGmailの利用者で中国人権活動家のメイルが中国からサイバー攻撃されて、Googleが切れてしまった。

これでは自由と平等を標榜するインターネットの世界が崩壊してしまう
ついにGoogleは中国本土から撤退し、サイトの中心を香港に移してここから自主規制のない情報を提供すると発表した。

 中国は激怒して「一企業が国家主権に挑戦している」と声明を出したが、本当は「アメリカ政府の手先のGoogleが、中国に挑戦している」と言いたかったのだろう。

22319_007

 実はGoogle中国政府の戦いは、アメリカと中国の代理戦争だからだ。
Googleの中国進出は「トロイの木馬」だったと言える。Googleは中国政府の嫌がる天安門事件のような情報のブロックには協力したが、一方中国政府が何を検索しようとし、中国要人がGmailで何をやり取りしているかについては、慎重に調査をしてきた。
アメリカにとって21世紀の覇権を脅かす国は中国だから、中国情報の収集が情報機関の最大の課題になっている。

 アメリカはすでにイギリスと協力してエシュロンという諜報網を築いており、Google情報も当然このエシュロンによって把握されている。
中国政府はそのことに気が付いているので、Googleに自主規制させるだけでは情報漏えいが防げないと考え、独自に「万里の長城」と言うネット検閲・遮断システム構築した。

 この「万里の長城」の役割は、中国からの極秘情報の漏洩を防ぐと共に、中国国民が有害情報を検索するのを防ぐ役目を持っている。

 インターネットの世界は原則自由平等で情報が勝手気ままに飛び交うような印象を持っているが、実は違う。

 情報が通る主要回線はほぼ決まっていて、そこの回線に検閲サーバーを設置すれば、情報の遮断や検閲が自由にできるというのが実態だ。

 イメージ的には道路網とよく似ていて、たとえば東京から大阪まで自動車で行く場合はほとんどの人が、東名・名神高速道路を通る。
したがってここに監視カメラを設置しておけば事件が起きた時は、この監視カメラの映像をチェックすればいい。
もっとも犯人は中央高速を使うかも知れないので、そこにも監視カメラを設置する必要があるし、場合によったら国道一号線を通るかもしれないので監視網はだんだん細かくなっていく。

 中国の監視網はこの監視カメラの設置のように、回線にサーバーを設置することで整備されていった。

注)実際はそれでも抜け道を通る場合があるので、中国政府は中国で発売されるパソコンにグリーンダムという検閲ソフトを搭載するように各メーカーに要請したが、これはアメリカ等の反対で取りやめた。

22319_005

 中国が構築した「万里の長城」と言われる検閲・遮断システムはその名の通りほとんど鉄壁のシステムといっていい。
よく「天安門事件」と言うような検索を行っていて、検索速度が急に遅くなったりするのはこうした検閲ソフトが動いているからだと言われている。

注)個人のパソコンでもウィルスバスターが動き出すと急にパソコンの動作が遅くなる。

 アメリカはGoogleを利用して中国国内の情報をエシュロンで収集しては分析してきたが、最近中国政府の検閲・遮断システムが高性能になってきて、中国情報をGoogleの検索・メール網で把握することが難しくなってきた。

まずい、これではGoogleが無料で検索やメールを提供している意味がない
アメリカ政府と図って一旦撤退することにして、今度は政府間の通信の自由の問題として取り上げることにした。

 米通商代表が中国政府の検閲問題についてWTOに提訴を検討すると言っているのがそれで、このままでは「トロイの木馬」が単なる木馬になってしまうからだ。

 しかし中国の検閲システム網の整備には驚いてしまう。かつてインターネットが普及すれば中国も世界の情報を平等に知ることができて普通の国になると言われていたが、実際はますます情報鎖国の国になってきた。

 Google中国政府仁義なき戦いの第一回戦は、中国政府の検閲システムで押し戻され中国の優勢勝ちのようだ。

 

 

 

| | コメント (1)

(22.3.25) おゆみ野の森が変わった

22322_008

 おゆみ野の森は一般の公園と異なり、市民が自主的に管理する公園なのだが、実際はUR都市機構の子会社、新都市ライフの担当者の方に多くの負担をかけて、ここ3年余り管理してきた。

 事務所も新都市ライフが借りていたプラットおゆみ野を使用し、草刈機等の資材もここでほとんどを管理していた。
資金についてもUR都市機構からの助成金でまかなってきていたので、市民として参加してきたメンバーが資金負担を依頼されたことはない。
この団体の催し物はなぜ参加費用が要らないのですか?」とよく聞かれたものだ。

 しかしこうした状況がこの4月1日より変わる。
新都市ライフおゆみ野の森の管理事業から撤退し、完全に市民が管理する森の公園に生まれ変わる。
プラットおゆみ野からも撤退するので事務所もなくなってしまう。

 昨年の12月から総会を開催したりして、規約の制定や資金計画等の作成、新役員の選定を行ってきた。
私も長い間このおゆみ野の森の活動に参画していたので、副会長として選任されて、今後1年間は副会長としてこの森の管理に携わることになっている。

22322_011
おゆみ野の森のよもぎ団子

 今までは私は草刈隊長と呼ばれ、もっぱら草刈だけをしてきたのだが、今後はそれだけで済みそうもない。
会員リストの管理や、メイリングリストの管理ブログの更新メンバーへのメール送信を担当することになった。

 実は私はココログの環境の中でブログを作成してきたのでココログであれば右から左の操作でできるのだが、おゆみ野の森のブログはgooを使用している。

 ココログgooでは同じブログでも操作方法がかなり異なり、戸惑うことが多いが新都市ライフFさん等に操作方法をならって、ようやく作成する手順が分かった。
ブログならなんとかなりそうだ」確信が持てた。

 次に問題になったのはgooによるメール送信だ。私はマイクロソフトのアウトルック・エクスプレスYahooメールしか使用したことがないので、またまた頭を抱えた。何か細部で微妙に違っており、間違って一斉送信すると大変なことになりそうだ。
ちょっとした相違なのだが、不安がよぎる。
メールは厄介だな」愚痴が出てきた。
今日(24日)、プラットおゆみ野に出かけて再度確認をとって、ようやくgooメールの特色も分かった。
よし、これで問題解決だ

22322_014

 今日は新都市ライフFさんと、Yさんがここおゆみの森の窓口になっているの担当者とUR都市機構の担当者に引継ぎの挨拶に連れて行ってくれた。会って見ると前に森で見知った人たちだったが、今までどのような立場の人か知らなかったのは不覚だ。

 今日はかなり強い雨が降っていたが会長をはじめ役員4人での挨拶回りを済ませたので、これからは責任を持って我々がこの森を管理することになる。

 

 

 

| | コメント (1)

(22.3.24) オバマ大統領の苦い勝利 医療保険制度改革

22322_001

 すったもんだの挙句、アメリカの医療保険制度の改革案が議会を通過した。
当初は民主党主導の下院で国民皆保険制度を目指したが、共和党が上院で大反対を行い、結局妥協の産物として現在の 低所得者向け保険制度メディケイドの拡充 メディケイド対象外の無保険者への補助金の支給で妥協を図ることになった。

 オバマ大統領は「急進的な改革ではないにしても大改革だ」と自画自賛したが、本来目指した皆保険制度でないだけに本音は苦い勝利というところだろう。

 現在アメリカには約4600万人無保険者がいると推定され、今回の改革案が通ればそのうちの約3200万人が保険加入ができて、国民の約95%に保険がいきわたることになるという。
95%なら、ほぼ皆保険と言っていいじゃないか」という感度だ。

 アメリカで無保険者が多いのは、個人と保険会社が保険契約を締結することが原則だからである。
実際は企業や官庁が契約している保険会社と個人が契約するのだが、そのとき福利厚生の一環として企業が保険金の全額または一部を支払っている。

 もっともそうできるのは大企業だけで中小企業で業績がよくない企業はこうした福利厚生対応ができない。その場合は個人は直に保険会社と契約することになるが保険料は年間120万円程度で相当重い。

注)企業はあくまで福利厚生の一環として保険料の負担に応じており、法的に縛られているわけでないところが日本と違う。

 さらに問題なのは失業したりすると完全に自分で保険を負担することになるので、現在の10%近い失業率の状態では無保険者が急増してしまった。

22322_027

 もっともアメリカに公的保険制度がまったくない訳でなく、高齢者向けメディケアと低所得者を対象にメディケイドという公的保険制度が存在する。
今回の改革案はこのうちの低所得者向けメディケイドを拡充しようという案なのだが、問題はメディケイドという制度は州政府にとり財政逼迫の最大の原因になっていることだ。

注)メディケアもメディケイドも医療保険というよりも、日本的感覚では生活保護に近い。

 アメリカには貧困ラインという線引きがあり、親子3人家族の場合は年収が約140万円程度がこれに当たる。
メディケイド対象になるのはさらにこの貧困ラインの35%未満(ミシシッピー州の場合)というようにそれぞれ州ごとに基準があり、この場合は約50万円ということになる。

注)メディケイドは州の支出の約20%を占めており、貧困ライン全員を対象にすることができない

 この基準に達した貧困者はメディケイドの対象となりほとんどの医療費がタダになるので、非常に手厚い保護を受けている。
今回の改正案はこの貧困層の基準を緩和してたとえば100万円以下の場合は対象にするというような変更を行おうとしている。

注1)州には資金がないので連邦政府が州にメディケイド用補助金を増額して支給することになる

 一方医療保険を自分で支払っている人から見れば、「なんで俺は120万円も保険料を払い、メディケイドの連中はタダなんだ」ということになる。このあたりは日本の生活保護制度と似ており、メディケイド対象者とぎりぎりで非対象者になった人は天国と地獄の差がある。

 そのためメディケイドの対象になるほど貧困ではないが、無保険の個人や失業者、あるいは中小企業に勤めている無保険者に対しては補助金を支給して医療保険に加入させることにした。

 また企業に従業員が保険契約を締結できるようにする義務を課して、違反企業に罰則規定を設けたので、これで無保険者は大幅に減るだろうというのがアメリカ政府の読みだ。
22322_022

 こうした医療保険制度改革案が今回大反対にあったのは、金がかかるからである。
試算では今後拡充するメディケイド補助金のために10年間で約85兆円が必要となり、その資金は現在高額の医療保険を払っている人に対する増税メディケアの縮小によって費用を捻出するとオバマ政権が発表したからだ。

注)メディケアの縮小とは、メディケアとメディケイドの二重保護を受けている人たちもいて、これをメディケイドだけにするというような案

何てことだ。保険料を懸命に払っている国民はさらに増税され、失業者や母子家庭や障害者はさらに多くのタダの治療を受けられるのか。これが自由の国のアメリカの姿か。まるで社会主義国ではないか
共和党を中心に大反対の合唱が起こった。

 オバマ政権としたら、低所得者層はそもそも保険料の支払いなんてできない階層なのだからここから保険料を取ることはできないし、後は金持ちに増税するしか手はないとの判断だ。
しかし実際は増税はほとんど不可能と思われる。

 なにしろ今回の改革案でも僅差の勝利なのだから、増税なんて夢のまた夢で、結局資金は赤字国債を発行して穴埋めしなければならなくなるだろう。
しかしアメリカのGDPに対する財政赤字の比率は10%前後で、最も財政規律のない国の一つになっており、その悪い財政をさらに悪化させる。

 オバマ大統領の医療改革制度は財源の裏づけのないまま走り出したが、これは日本の子供手当てとまったく同じ構図になってしまった。
財源はないけど公約だから実現させよう」そんな感度だ。

 

 
 

| | コメント (0)

(22.3.23) 四季の道ランナーズとちはら台走友会との合同ジョグ

22320_021
(合同ジョグの参加者

 22日は快晴で、気温はやや低めであり絶好のJOG日和になった。
この日、四季の道ランナーズちはら台走友会との合同ジョグが行われた。

 四季の道ランナーズ四季の道駅伝をサポートしたおゆみ野周辺に住んでいるランナーが昨年立ち上げたランニングクラブで、現在は会員は5名だという。

 今年はじめてここおゆみ野ランニング大会を開催することにしたが、私も所属しているちはら台走友会にも声がかかった。
合同で大会を開催してみませんか

22322_009

 四季の道ランナーズの世話役のAさんが、地域新聞等に大会の開催を掲示して呼びかけたら、うれしいことに20名程度のランナーが集まった。
Aさんの当初の計画では調節池の周囲1.1km周回コースで大会を開催する計画だったが、この場所を管理している団体からクレームがついたため、急遽四季の道1周コースおゆみ野・ちはら台周回コースの2コースで大会を開催することになった。

 四季の道一周約6.5kmおゆみ野・ちはら台周回コース約14kmである。
このおゆみ野・ちはら台周回コースは私の好きなコースだ。
四季の道からちはら台のかずさの道に入り、京成ちはら台駅を越すと、田園風景が広がる。

 農家や田んぼの中をしばらく走ると、この地域の水源で江戸時代は水争いがたえなかった小川が現れ、その横をこげ茶色に舗装した遊歩道が現れる。
私はここを川横の道(ピンクロードと呼ぶ人もいると呼んでいるが、その道を下っていくとおおど池公園にぶつかり、そこからまた四季の道に戻ることができる。

22322_025

 今日はちはら台走友会のメンバーで最近めきめきスピードが付いてきたO姉さんと一緒に走ったが、かなりあおられてしまった。
O姉さんははじめてのコースだったので、「ここからおゆみ野に戻れるのですか」とやや不思議そうに聞いていた。
始めてだととても周回コースには見えない。

 ちはら台走友会Y会長1kmを5分のペースで先導してくれたのだが、私にはややきつかった。
うぅーん、あごがあがる。キロ5分できついのか
併走していたO姉さんは余裕含みだったので、この程度であごがあがっては先が思いやられる。

 しかし今日は合同ジョグをして良かったと思う。四季の道ランナーズちはら台走友会の親睦にもなったし、今回はじめて知ったおゆみ野に住むランナーとも面識になった。

22322_031

 菩薩姉さんも大張り切りで、ボランティアでエイドのサポートをしてくれた。
この地域のランナーがこうしてだんだんと集まって、地域の活性化のために協力して盛り上げることができそうだ。
特に四季の道からかずさの道にかけては、日本有数の遊歩道なのだから、このコースを使って四季の道ランナーズちはら台走友会が大会を呼びかけたらずいぶん多くのランナーが集まるのではなかろうか。

 今度Y会長に提案して、今回の合同ジョグを一回り大きくした大会にしてみたら、きっとすばらしい大会が企画できるような気がする。

| | コメント (1)

(22.3.22) 海の男になった

223120_019_2
(海は大荒れで波しぶきが立っていた

 私は間違いなく海の男になってしまった。この道30年のベテランで、伊豆七島を往復し5mの荒波を走破したヨットマンTさんが言うのだから確かだ。
この日(20日)、海は荒れていた。

 Tさんクルーザー館山の修理場で補修が完了したので、母港にしている富浦まで、曳航していくことになっていた。
山崎さん、修理場の親方Yさんの話だと、午後から天候が大荒れになるらしい。早朝にヨットを海に戻すので午前中に富浦まで運んで行きたいんですが、山崎さん、手伝ってくれますか

 私はTさんに、前に一緒に行くことを約束していたので、「はい、何を手伝うのか分かりませんが、参りましょう」と答え、朝の4時半に起きて館山に向かった。
ここからは高速道路を使用すれば館山まで1時間半程度でいける。

 Yさんの修理場では修理が終わったTさんのヨットと、もう一艘が海に戻され、代わりに新たに修理するヨットが修理場に陸揚げされるのだという。
ヨットを上げ下げするクレーン代が高いので、こうして一時に実施して、みんなでクレーン代を按分するのですTさんの話だ。

 私は知らなかったがこの日は北海道の北に強烈な低気圧が発生して、時間がたつにつれて風雨が強まると天気予報が言っていたそうだ。
見ると沖合いが波立ち、館山の岸壁にも強風が吹きまくっている。

山崎さん、ちょっと風が強いけど富浦まで1時間半程度の航海です。もし危険だと思ったら陸で待っていてもいいですよ

 私は昔から一旦いくと決めたら嵐だろうが雪だろうが登山も、マラソンもしてきた男だ。波が少々高いぐらいで怖気づいては男が廃る。
連れって行ってください

223120_029 
この波をヨットでサーフィンした

 私は海を知らない。ましてヨットとの関係など何のことか分からなかったが、この日始めて海というものを知った。
館山港を少し離れると、波が逆立ち2m~3m程度の波頭が押し寄せてくる。風の強さは半端でなくブロウという強風が吹いたときなどは風速20m程度ありそうだった。

 Tさんはまことに豪胆なヨットマンで私に舵を任せて平然としている。進路と波の乗り方だけ教えてくれた。

大きな波が来たときはへさきをその波に向けるのです。ちょうど頂上付近に来たとき舵を押して、サーファーが波乗りをするように、波を斜めに下るのがコツです。そうしないとヨットが波に向かって真っ直ぐに落ちて行き、2階から落ちたようにヨットと人間にダメージを与えます

 見ると大波が次から次に襲い掛かってくる。後ろを見ると鯨の大群が背中を出して襲い掛かってくるような感じだ。
私は精一杯舵を操作してヨットを波に乗せてサーフィンをした。
山崎さんは、素質がある。実に上手だ
うまくサーフィンができるとTさんに褒められた。

223120_031
ここが大房岬

 ヨットは大房岬だいぶさみさき)という場所を迂回して富浦漁港に入るのだが、ここは定置網岩礁が多く、さすがにこの場所はTさんが舵を握った。
定置網を切断してしまうと、漁業補償で1億円程度のペナルティーを取られるのです

 この大房岬を過ぎると、波が急速に和らいだ。この岬が風を遮って、富浦港はほとんど凪状態だった。
信じられないでしょう。これだから富浦は天然の漁港なのです

 この日は午後になるにしたがって風が強くなり、富浦でも波立ち始めた。
午前中に曳航できてよかったですね。山崎さん、山崎さんはこれで確実に海の男です。2~3mの高波の中でヨットを操縦できれば本物です」また褒められた。

223120_045
Tさんがロープでしっかりヨットを係留している

 実際は大房岬に近づいたあたりから船酔いに悩まされていたのだが、今日はTさんの言葉を素直に信じよう。

 娘はヨットマンなのだが、この話をしたら「私はこんな強風だったら絶対に海に出ない。Tさんはよくお父さんに舵を握らせたわね。私だったら怖くて握らせないわ」と言っていた。
実際今日の強風は半端ではなく、御殿場の演習場の野焼きでは火の周りが早く3名が逃げ遅れて死亡したほどだ。

俺もとうとう海の男になった」なんとなくうれしくなってしまった。

注)Tさんは相当な冒険家で中学3年生の夏休みに自転車で日本縦断をしたそうだ。

 

 

 

| | コメント (2)

(22.3.21) 資産デフレはどこまで続くか  土地公示価格の低迷

22317_008

 公示地価2年連続下落の文字が新聞紙面に躍っている。
06年~07年にかけてここ日本でもミニバブルが発生して公示価格が上昇していたから、09年(正確には10年1月1日現在は確かに2年連続の低下だが、バブル最盛期の91年に比較すると、住宅地で約50%、商業地で約70%低下している

 ピーク時比較、住宅地で半分、商業地で3分の1になったのだから、(ミニバブルを無視すれば地価はここ20年余り低下してきたと言えそうだ。
日本の地価については2つの問題が存在する。一つはなぜこんなに地価が低下したのかという問題と、もう一つは今後いつまで地価の低下が進むのかという問題だ。

 私の父が不動産関係の仕事をしていたのはバブル真っ最中の頃で、当時は「土地神話」があり、父は顧客に「土地は必要な2倍を購入しなさい。家を建てるときはその半分を売って建てればお釣りが来ますよ」と勧誘していたし、実際にそうなっていた。

次郎、持つなら絶対に土地だ。土地は必ず上がる」と父は私に口癖のように言っていたが、私がこの教えを実行する頃はバブルがはじけ、価格は低下の一途をたどるようになった。
土地も商品である以上需要と供給で決まるという経済学の教科書どおりの動きだが、今度は私は息子に「土地は必ず下がる。不動産に手を出すな」という「土地神話」教えることになった。

22317_005_2

 客観的に見て、日本の土地は住宅地商業地も今後値上がりが期待できない。
少なくとも実需という面ではまったく期待ができず、06年~07年にかけてあったような世界的な資産バブルの余波が日本に及んだときのみ、価格が上昇すると思われる。

 住宅地価格が上昇しないのは、日本の人口が低下し始め老人人口が増大しているからである。人口が減れば土地価格が低下するのは当たり前で、日本の過疎地域は早くからそうなっているし、それが全国規模で発生したと思えばいい。

 また老人が増えるということはすでに住宅手当が終わった層が増えるということで、そうした層は新たに土地手当てをしようとはしない。
また子供が少ないということは将来親の不動産を譲ってもらえる可能性が高いので、若者も無理して土地の手当てに走らない。
だから実需という面では住宅地は供給過剰となる。

 一方商業地についても日本のGDPが低下したり停滞したりしている中で、企業は新たなオフィスビルの手当てをすることはない。
それよりもより家賃の安く、かつ広いビルに引っ越して少しでも経費を節約するようになるから、条件の悪いオフィスビルはよほどディスカウントしない限り顧客が集まらない。

注)有楽町から西部デパートが撤退したが、今後多くの場所でメイン商店の撤退が始まり、周辺の地価が低下する

 06年~07年にかけて外資が東京都心のビルを買いあさりミニバブルガ発生したので、不動産業界はその再現を期待している。しかし、そうした需要は新興国の不動産バブルが一巡して資金に余裕が出てからだから、すぐには発生しないし、当然のことにすぐに剥げ落ちる。

注)ミニバブルがあっても実需に応じたオフィスビル手当てでないので、金融が引き締まればすぐに収束する。

22317_001

 私は個人的には不動産価格がいくら低下しても今いる家を売ることはないので、「だからどうなの」という感覚だが、日本全体の将来を考えた場合日本の不動産の魅力が薄れていくことには問題がある。
一言で言えば、「日本が世界的規模で過疎化する」ということだからだ。

 商業ビルに限って言えば、ビルの空室率が増えるということは、企業が日本を捨てているということで、このことは即若者の職場がなくなるということを意味する。
現に今年の大卒の内定率は約80%だと悲鳴をあげている。
20%の就職できなかった学生は大学院に進んでさらに時間稼ぎをするか、ニートとなって親のすねをかじるか、新興国に飛び込んでそこで仕事を見つけるかのいづれかの方法をとるはずだ。

 新興国で仕事を見つけるような元気な若者が多いといいのだが、実際は勉強がそこそこできれば大学院に、そうでなければニートになる確率が高い。
本来は働いてほしい若者が働かず親のすねをかじっているのだから、日本からさらに活力が奪われてしまう。そして親の資産がなくなれば若者は放りだされる。

22317_003

 若者のことを思うと、今必要なことは日本を世界の企業から見て魅力のある場所に変える事で、実際新興国といわれる中国等は特別区を設置して、法人税を低くし、手続きの簡素化をはかり、必要なインフラを政府の資金で整備している。

 日本はインフラは非常によく整備されているが、なにしろ法人税が高く、やたらと手続きが煩雑だから、日本で事業を起こそうとする企業はほとんどない。
その結果若者の職場は年々縮小してしまった。

 日本は仕事をするには魅力のある場所でない。外国から企業が進出してこないのはそのためだ。
今は世界的に誘致競争をしている時代で、何も努力しないで愚痴を言っていると、日本は世界の過疎地になって、不動産価格は傾向的に低下する

注)ただし中国と同じような工場誘致は、日本の賃金水準から見て不可能だ。日本の特区は大都市周辺で、かつ知的産業の集積地にしないと成立しない

 くどいようだが、不動産価格がいくら低下しても私を含めた老人にはあまり影響はない。しかし、若者の職場が狭められていくのは問題で、不動産価格が上昇する場所でないと職場確保が難しい。

 

 


 

 

 

| | コメント (1)

(22.3.20) 金正日氏の最後の戦いと改革派

22317_037

 北朝鮮では常に改革派保守派がつばぜり合いを行っており、改革派が優勢になると中国をまねて改革開放が叫ばれ、一方保守派が優勢になると社会主義経済への復帰が叫ばれる。

 金正日総書記はそのバランスの上に立って国政を運営しており、ある時は改革派のポーズをし、またある時は保守派のポーズをしてきた。

 昨年11月に行われた100分の1のデノミは保守派が指導したもので、「自由市場でしこたま儲けた資本主義分子に鉄槌を加え、原爆製造に邁進する核心層の生活向上を目指し、輝かしい社会主義経済に復帰」する予定だったが、まったく裏目に出てしまった。

 誰も新たに発行された新ウォンを受け取らず、商人は商品を売らないから物価が急騰し、核心層に餓死者が出そうになった。
朴南基のやろう、俺をだましやがって。輝ける社会主義経済なんてどこにもないじゃないか。朴南基は反革命分子でわが国の裏切り者だ金正日が切れた。

22317_035

 この事業を推進した保守派の朴南基氏はかわいそうに射撃場で銃殺刑になり、76歳の命を終えた。
今度は改革派がはしゃぎだした。張成沢労働部長の指導で日本海沿岸に位置する港町、羅先市特別市に昇格して、ここの運営を自由に任せる代わりに、6000万ユーロ(約74億円)を上納させることにした。

金同志、羅先市の埠頭を中国やロシヤに貸与して、6000万ユーロの収益を上げて見せます。この資金で平壌に10万世帯の住宅を建設いたしましょう

 現在金正日総書記の頭には2012年が重くのしかかっている。
この年は故金日成国家主席の生誕100周年記念にあたり、この記念すべき年に三男、正銀氏を正式な後継者としてデビューさせたい。
そのためには国民にもプレゼントをしなければ総書記としての沽券に関わる。

平壌に新たな高層住宅を10万戸建設して、世界で最も優秀なわが国民に白米とキムチを食べさせることが私の使命だ。そうでないと父、金日成国家主席に顔向けができない

 あと2年しかないのに朴南基が経済運営でとちり、高層住宅が建設できなくなってしまった。残された道は改革派に乗ることだけだ。

張同志、お前が言っていた改革解放に舵を切ろう。経済特区も拡充し、中国に行って経済援助も依頼しよう。しかし単に物乞いでは男が廃る。
なにしろわが国はミサイル大国で、核大国なのだからな

金同志、それならばわが国にも立派な産業があることを中国に見せてやりましょう。咸興市にある、18年前に倒産したビナロン工場を復活させて、ビナロン生産を開始するのはいかがでしょうか。中国に負けない産業があり、単に物乞いではないと主張できます

注)ビナロンとは日本で言うビニロンのこと。

22317_032

 金正日総書記の命は後3年だろうというのがアメリカの見方だ。人工透析でかろうじて延命しているとも言われ、群集の前に出てくる姿はすっかり老人のそれになってしまった。
しかし健康状態が優れないにもかかわらず、咸興市で行われたビナロン工場復活式典張成沢氏を引き連れ、壇上から手を振って10万人の群集に答えていた。

後2年しかない。正銀を後継者にし、立派な国家を残してやらないと中国とアメリカの餌食にされてしまう。改革開放もそれまでの辛抱だ。平壌に10万戸のアパートが建設できたら、再び国を閉じてしまおう
金正日総書記の最後の戦いが残された命の中で続けられている。

 

 

 

 

| | コメント (0)

(22.3.19) トヨタバッシングは峠を越したか? アメリカで生き残る道

22317_012_2

 2月24日豊田章男社長米下院監視・政府改革委員会で証言し、改善策を約束したことにより、トヨタ・バッシングは峠を越したようだ。
一頃のヒステリックなトヨタ批判はなくなり、今はETCS電子制御スロットルシステム)が本当に急加速の原因かどうかの科学的な検討に移ってきている。

 ETCSが急加速の原因と委員会で証言したのは南イリノイ大学ギルバート準教授で、「実験で配線を変えることで急加速が発生した」と証言したものだ。

 これに対しトヨタは、米スタンフォード大学教授ゲルデス教授に再現実験を依頼し「アクセルペダルの電子回路配線に故意に傷をつけない限り急加速は起こらず、また同じような状況下では他メーカーの車も急加速すること」を実証し、また「このような特別な状況は通常の車の操作では発生しない」と公開実験をして反論している。

 現在は「ETCSが急加速の原因か否かは科学的には不明」という状況だが、米道路安全交通局は(原因は不明だが)「当面の対策としてBOS(ブレーキ優先装置)の搭載を義務付けることを検討している」とのことだ。
よく分からないが安全確保のためにブレーキ優先にしよう」ということだろう。

22317_031

 この米道路安全交通局の措置に対してトヨタを始め、主要な日本、西欧のメーカーはBOSを新規に製造する車から搭載することを約束している。

 どうやらETCS問題に限っていえば、ETCSが急加速の原因だとの科学的証明はかなり難しく、他のメーカーでは出現しない急加速がトヨタのETCSだけに出るとの実験は不可能と思われる。

 しかしそれでほっとできないのは、実は上記の問題とは別にトヨタにとり悩ましい問題が残っているからだ。
それはアクセルペダルそのものの問題(アクセルペダルが戻りにくいとの問題)であって、08年12月に欧州でクレームが付き、欧州での部品の交換に応じているが、アメリカでは部品の交換をしなかった問題である。

注)アクセルペダルの表面が磨り減ると、ヒーターの熱が流れ込んで結露をおこしヒーターとペダルがくっついて戻らなくなるといわれた。

 アメリカ人がヒステリックになったのは、この欧州に対する対応とアメリカに対する対応が異なっていたことで、「なぜ、アメリカを無視する。アメリカこそがトヨタの最大の市場ではないか」との感情から来ている。

 09年8月にカリフォルニア州でレクサスの暴走事故があり、4人が死亡したが、この原因がETCSの不具合によるものか、アクセルペダルの問題なのか、その他の問題なのか現在、調査がおこなわれている。

22317_036

 ETCSについては科学的な検証が可能であり、実際にゲルデス教授の反証実験もあるので、ETCSが原因だとの論拠は薄れつつある。

 一方、アクセルペダルの問題については、現段階でトヨタ側からの反証は出ていない。
レクサスの事故がこの原因だとすると、最大221万台相当のユーザが対象になって、賠償額は天文学的数字になりそうだ。
欧州ではアクセルペダルの不具合を認めていたのだから、アメリカで対応が遅れたのが事故原因だ」ということだ。

注)アメリカでの集団訴訟では対象範囲が最大221万台になる。だからトヨタが生き残るためには裁判に勝つか、最低限有利に取り進めないとアメリカで生き残ることはできない。

 アクセルペダルについても通常の使用でこうした問題が発生するのか、また他のメーカーでも同じなのか、等の冷静なトヨタの反論を期待したいところだ。
豊田社長の訪米でようやくヒステリックな対応が峠を越した今、科学的な論争でトヨタは巻き返しを図るべきだろう。

 アメリカは現在オバマ政権で、国内産業優先、輸出優先政策をとりはじめており、国内の職場確保が優先課題になっている。

 そうした流れの中で、幸いにアメリカの次のテーマ中国人民元の切り上げに移ってきた。
アメリカ国内産業の輸出競争力を取り戻すには、人為的に低く抑えられている人民元の切り上げが一番だ」との認識だ。

注)皮肉なことに中国からアメリカへの輸出は、アメリカ企業の中国工場がおこなっている

 アメリカトヨタとしてはこの流れを捉えて、20万人の雇用維持と、アメリカトヨタ車の輸出振興に勤め、アメリカ政府のいけにえにならないように注意深く行動することが必要だろう。

 

 
 

| | コメント (0)

(22.3.18) なぜ金融政策は効果がないか  新型オペと日銀の苦悩 

22317_004

 日本は完全なデフレ状態になっており、消費者物価卸売り物価も前年対比で1~2%程度の速度で低下し続けている。
すべての価格が下がるのだから、定年退職者や首切りの心配無い公務員には天国のような状況だが、一方生産者や流通業者はいくら経営の合理化を進めても収益改善が進まないという地獄の状況だ。

 政府は財政政策を思いっきり発動して、10年度予算では赤字国債を44兆円規模で発行するのでこれ以上の財政出動が不可能になってきた。

注)赤字国債をさらに増額できるが、財政規律の限界をとうに突破しているし、格付が低下する。

 菅直人副総裁兼財務相日銀白川総裁の尻を引っぱたいて「財政がダメなんだから、金融でなんとかしろ」と金融政策の一層の緩和を要請したが、だからと言って30兆円(09年10月から12月)といわれるデフレギャップが埋まることは無い

22317_007

 日本には今後ともデフレが継続していく要因があり、金融緩和はデフレに対してまったく効果が無い。

 日本が基本的にデフレなのは人口が低下し始め、老人人口が増加しているからである。人口減少はそれだけで需要は低下するし、若者が少なくなって老人が増えると、住宅投資が減少し、教育に金をかける必要が無くなり、衣食も何でもよくなり、レジャーも金をかけるよりも有り余った時間をかけておこなおうとする。

 これらすべての要因があいまって、日本ではデパートスーパーも最近ではコンビニさえも、売上が落ち込むようになり、自動車住宅も前年度対比減少している。
だからと言って工場学校スーパー等はすぐに縮小や撤退することができないから、需給ギャップが広がり、さらに物価は低下してしまう。

 国内に資金需要がなければ、日銀が金融緩和で放出した資金はすべて国外に向かうと思っていい。
そのことは最近の日本の金融緩和策の経験を見ても、また少しシミュレーションしてみてもすぐに分かる。

22317_017

 浜矩子同志社大学教授は、「日本が21世紀初頭におこなってきた長期の金融緩和策の結果が、サブプライムローンの肥大化につながり、リーマンショックを引き起こした」と分析しているが、今回の金融緩和策もまた同様な資産バブルを誘発する可能性が高い。

 日銀は昨年の12月以降、新型オペレーションと称して、金融機関に金利0.1%、期間3ヶ月の資金を10兆円規模で供給している。
だがデフレ回避に一向に効き目が無いので、さらに10兆円規模の追加措置を発表した。

 しかしこうした資金が日本の経済、特に設備投資を増大させてデフレギャップの解消に向かうかというとそうはならない。
たとえば金融機関にとってはタダのような資金を日銀が供給してくれたのだが、何しろ期間が3ヶ月では設備投資資金などには使いようが無い。

 一番可能性が高いのは銀行が自己ディーリングを行い、新興国等への株式投資や、流動性が高い国債や投資信託、あるいは金や石油への投資をおこなうことである。
3ヶ月間、タダの資金があるのだ。鞘を稼ごう

 日銀もさすがに期間3ヶ月では効果がないと判断したのか、期間の延長や供給金額の増加(3月17日に10兆円増額したを図ろうとしている。
しかしこれでも国内の設備投資増強には向かわないだろう。

22317_033

 たとえば自動車メーカーが金融機関からほぼゼロ金利と言ってよいような資金を無理やり借りさせられたとしよう。
何でもいいから、1000億借りてください。政府の依頼です

注)中国の金融緩和はこうした資金が不動産と株式投資に向かった。

 この自動車メーカーはその資金を国内の工場建設に向けるだろうか。
企業としては銀行と同じような鞘稼ぎを行うか、あるいは投資をするとしても中国インドブラジルといった新興国に最新鋭の工場を建設するはずである。
日本じゃ、車が売れないし、輸出だと貿易摩擦が起こるから現地に工場を建てて、現地に溶け込もう
だから日本の需給ギャップは金融緩和ではどのようにしても埋めることができない

 人口減少、老人天国の日本は毎年のように需要は減少していく。。
GDPは傾向的に低下していくので、生産設備や流通施設をそれに合わせて縮小させなければデフレギャップはうまらない

注1)日本でGDPを拡大させる唯一の方法は海外から若者を移住させて日本人の国籍を取得させることである。
貧しくエネルギーのある若者はハングリー精神に燃えており、かつ住宅や衣食に対する需要が旺盛だ。

 日本では大相撲の世界がそうなっており、上位力士はほとんどが外国人で、日本人はとても横綱になれそうも無い。
それでも私たちは大相撲をけっこう楽しんでいるのだから、これこそ日本に活力をもたらす起爆剤だと認識することだ。

注2)日銀がまったく効果のない新型オペレーションをおこなっているのは、政府から「国債の直接日銀引受」を要請してくるのを回避する代替手段だといわれている。
「国債を引き受けてハイパーインフレーションになるよりはマシだ」との判断だ。

注3)自民党政府は、このデフレギャップを埋めるために、無理やり地方空港やダムを建設してきた。しかしこれはただ無駄なことをしただけで、日本の国力をそぐ効果しかなかった。



 

 

 

 

| | コメント (4)

(22.3.17) 民主もダメ、自民もダメ、いったいどうすりゃいいんだ!!

Dscf7351

 昨年の9月、国民の圧倒的支持を得て発足した鳩山政権は半年で完全なダッチロールを繰り返し、御巣鷹山に墜落しようとしている。
当初こそ鳩山総理の言う「友愛」に好意的だったものの、「友愛とは不決断のことだ」と分かってからは鳩山総理の人気は急落した。

 予算編成では国民新党亀井金融・郵政担当相に鼻づらを引きまわされて、亀井内閣かと思ってしまったが、一方普天間基地移設問題では何も解決することができず、各閣僚が好き勝手な候補地を言い合っているにすぎない。
鳩山総理は「すべて白紙の状態で考えている」と平然と言っているが、誰が見ても何も考えておらず、ただ決断できないだけだと見抜かれている。

 歴代総理の中でこれほど意思決定能力の無い人は珍しい。戦前の近衛文麿氏がかろうじて鳩山総理の友達なだけだ。

Dscf7344

 この鳩山総理に輪をかけてひどいのが岡田外相で、自分が内閣の一員であることを忘れて、普天間基地の嘉手納基地への移設を(鳩山総理と相談することなく)、クリントン長官とサシで話し合いをしようとしたり、政治的配慮をすることなく「アメリカとの密約を暴いた」といって一人ではしゃいでいる。

 おかげで日米間の信頼は地に落ちてしまい、トヨタ自動車は政府間の反目のためにアメリカでいけにえにされている。

 岡田外相が言うように、「アメリカが事前協議なしに日本に核を持ち込んでいる」のは事実だが、それは今でも継続していることだ
だからこれは自民党政権だけの話ではなく鳩山政権の問題でもあるのに、鳩山総理は「非核3原則を堅持する」と他人事だ。

 本来なら日米同盟崩壊の危機を深めるこの岡田外相の「火遊び」をすぐに止めさせなくてはいけない。しかし鳩山総理の友愛内閣は各閣僚が勝って気ままに何をしても止める人がいない。

 それに加えて小沢幹事長、鳩山総理、輿石民主党参議院代表の政治と金の問題が明るみに出れば、人気が低落しないほうがおかしい。

Dscf7350

 本来ならこうした場合、野党第一党の自民党が政権奪取の好機と狙いを定めるはずなのだが、こちらは民主党に輪をかけて内部分裂が激しい。
ついに昨日(15日)、鳩山総理の弟の鳩山邦夫元総務相が自民党を離党した。

 このほかにも与謝野前財務相舛添前厚労省が新党結成に動き出しており、とても政権を狙う体制ではない。
もともと国民が自民党にNOを言い渡したのは、無駄な地方空港道路ダム漁港を作りすぎ、建設業以外の産業を無視して日本経済の活力を失わせた罪が大きすぎたからだから、おいそれと自民党を支持するわけが無い。

 国民は思い余って、まだ海の物とも山の物とも分からない「みんなの党」を支持し始めた。
民主党や自民党よりましだろう」そんな感覚だ。

 この5月の参議院選挙では当初は民主党が圧勝する勢いだったが、月を追って民主党の支持率は低下してとても過半数に届きそうも無い。
一方自民党も分裂選挙だから政権奪取など夢のまた夢だ。

Dscf7348

 人気NO1みんなの党が今度はキャスティングボートを握って、政界再編になだれ込むというのがありそうなシナリオだ。
おそらく、民主党は社民党や国民新党との連立を解消して、新たに登場する自民党改革派みんなの党との連立政権になる可能性が高い。

 そのときは鳩山総理は自らの意思決定能力の欠如を恥じ「分は総理の器ではなかった」と潔く退陣するのが日本国民に対する最大のプレゼントになるだろう。

 

| | コメント (0)

(22.3.16) 大西洋クロマグロが消える日

2132_047
(勝浦漁港の朝市 クロマグロではない

 現在、カタール・ドーハで開催されているワシントン条約締結国会議大西洋クロマグロの国際取引が禁止される公算が高くなっている。

注1)22.3.19追加

締結国会議の委員会でモナコ案は圧倒的多数で否決された。この理由は今回大西洋クロマグロが取引禁止になると、次はあらゆる種類のマグロの操業が禁止になるとの日本の説得に、漁業国が応じたためである。

モナコは委員会で否決されたので、全体会議で再可決をもとめることはしないと述べているので、今回はモナコ案は否決されたと見てよさそうだ。
モナコを隠れ蓑にした、環境ヤクザ、グリーンピースの野望は回避することができた。


注2)大西洋クロマグロと太平洋クロマグロは一般的には亜種、あるいは別種と認識されているため、今回は大西洋クロマグロに限定された措置。

250pxbluefinbig1_2   私のような食通とは縁のないものにとって、そもそも「大西洋クロマグロとは何だ」というような感覚だが、日本に輸入されているマグロ類のほぼ10%がこのクロマグロで、かつては高級すし店や料亭でしか食べられないものだったという。

 しかし、その後地中海沿岸諸国(イタリア、スペイン、ギリシャ等蓄養幼魚を捕獲していけすで育てる養殖)90年代半ばから始まり、その結果輸入量が増えてスーパーや回転寿司でも食べられるようになった。

じゃー、私も食べたことがあるのかな」と思ったが、メバチ、キハダ、ビンナガ、ミナミマグロ、クロマグロとマグロに色々な種類があっても、まったく区別が付かないのだから何を食べたのか分からないと言うのが実情だ。

2132_044

 今回のワシントン条約会議で大西洋クロマグロが会議参加国の3分の2の多数絶滅種Ⅰに指定されると、その後国際取引はできなくなる
もっともワシントン条約には色々な抜け道が用意されていて、「90日以内に決定を留保する」との届出をすれば、その国は条約の拘束からは免れる。

注)たとえばイタリアと日本が留保すれば、日本はイタリアから大西洋クロマグロを輸入できる。

 また、200海里以内での自国向け捕獲は自由なので、地中海沿岸諸国の漁業国がクロマグロを食べられなくなるわけではない。

 日本の水産庁は大西洋クロマグロの資源は十分にあり、捕獲しても問題はないとの立場だが、実際は激減しており約30年前の4分の1程度になっている。
この原因は地中海沿岸諸国が行っている蓄養にあり、産卵前の若いクロマグロを巻き網漁法で一網打尽にするからといわれているが、たしかに蓄養こそが元凶だとの自然保護団体の主張は正しそうだ。

 しかも間の悪いことに、蓄養された大西洋クロマグロの主たる輸出先は日本なので、捕鯨禁止団体グリーン・ピースの標的にされてしまった。

注)グリーン・ピースがモナコを説得して国際取引禁止の提案を出させている。

2132_042

 当面は太平洋クロマグロは漁獲できることと、日本の漁法は巻き網ではなく成魚を狙う延縄(はえなわ)漁法なので(太平洋でのクロマグロは特に減少しておらず)、太平洋クロマグロまで禁止される状況にはない。
だから今回のモナコの提案が通ったとしてもすぐに、クロマグロが食べられなくなるわけでは無い。

 しかし日本はといいクロマグロといい環境ヤクザグリーン・ピースの格好の標的にされてしまい、だんだんと食文化が狭められている。
フランスなどは大西洋クロマグロの国際取引禁止に賛成しているが、その一方フォアグラなどというガチョウ虐待を平気で行っている。

 しかしフランスは「これは文化遺産だ」と居直っているのだから、「さしみだって日本の食文化」だと居直りたいくらいだ。

注)捕鯨反対王国オーストラリアもかなり勝手で、オーストラリアではミナミマグロの蓄養がおこなわれているため、モナコ案には反対するのだという。
鯨とマグロは違うらしい。


 日本の漁業環境は日追って厳しくなっており、自由に漁業資源を利用することができなくなっている。

 最後は巻き網でも延縄でもなく、また蓄養でもない、完全養殖人工孵化させた稚魚を育て、成魚にし、さらに卵を産ませる養殖で、ブロイラーの生産のようなもの)が切り札になるのだろう。

 すでにクロマグロ完全養殖の技術は近畿大学水産研究所で試験段階では成功しているので、将来はこうした技術を実際に活用してクロマグロを食べるより他に手は無いのかも知れない。

 環境ヤクザグリーンピースの標的にされてばかりいないで、自らの食物は自ら作り出すのがこれからの日本の行き方だと腹を決めることだ。

 

| | コメント (0)

(22.3.15) 農地法と民主党輿石(こしいし)参議院会長のせこい脱法行為

22225_016

 日本の農地法ほど魔か不可思議な法律は存在しない。法律そのものは非常に厳格で罰則規定もばっちりあるのだが、違法な農地転用が絶えず、しかも違反したからと言って実質的にペナルティーが科されることがほとんどない。

 休耕田のような耕されていない農地を、宅地業者が資材置き場として使用する申請を農業委員会にだし、許可されるといつの間にか地目変更宅地として売る出すのがほとんどだ。

 農業委員会は一旦農地を資材置き場として使用許可した後は、ほとんどの場合チェックをしないので、農地はこうして次々と宅地や駐車場やファミレスの敷地に変わっていく。

注)農地法が09年度に改正され、宅地業者が違反転用(資材置き場を宅地に変えるような例)した場合は最高1億円の罰金を支払うことになった。ただし、この罰則が実際に適用されることはほとんどない。

22225_014

 農水省によると08年度の違反転用の件数は8197件で広さは566ha東京ドーム121個分だと発表したが、こうして毎年農地が減少していく。

 実は農地と言っても法的には2種類あり、①振興地域整備法対象の農地(農振農用地というと、②それ以外の農地に分けられる。

 「農振農用地は食料安保の視点から農水省が絶対に譲れないとしている農地であり、実際に農業振興地域に指定されると、農地以外の使用ができなくなる。
一方「それ以外の農地」は実質的には転用が自由に認められている農地と思えばいい。

 実は農水省と地方自治体の間には基本的な対立があり、このことが農地法の取扱を複雑にしている。

 農水省は食料安保の視点から農地を何とかして守ろうとするが、一方税収不足に悩まされている地方公共団体は農地を宅地にして固定資産税と相続税の確保を図ろうとする。
それ以外の農地」が農地法の建前では転用ができそうにないのに、実際は簡単に転用されているのはそのためである。


注1)農地の場合は宅地の100分の1程度の固定資産税しか確保できない。はっきり言えば農地の固定資産税はほとんどタダ。

注2)また2ha以下の農地転用許可は知事の権限でできるので、農水省の意向を無視して対象農地が簡単に転用許可される。


22225_015

 今回の輿石東こしいし あずま)議員の場合は、住宅地として使用した1298㎡のうち、779㎡がこの農振農用地で、農地以外の使用が禁止されていたが、そこを車庫や舗装路として使用していた。

注)正確に言うと1298㎡のうち、969㎡が農地で、さらにこの中で779㎡が農振農用地

 この場合の問題点は二つあり、① 農業委員会に宅地への転用許可の申請をしていなかったこともっともしても農振農用地の場合は許可されない)、② 地目が農地であったため、固定資産税がほとんどゼロになって、実質的に脱税をしていることである。

注)輿石氏の農地を宅地並み課税をすると約8万円程度。この場所を約20年間使用していたので脱税金額は160万円程度。

 ①については、転用できないことを知りながら宅地として使用した確信犯的行為であり、については実質的な脱税行為だから、民主党参議院会長としては不見識だといわれても仕方がない。

 もともと輿石氏は元教員で、日教組の山梨県連が押す日本社会党の衆議院議員だったのだが、その後民主党に移り参議院議員となり、民主党参議院のドンになった人である。
現在は民主党の重鎮(幹事長代理)の一人だから、こうした脱法行為は即民主党のイメージ悪化につながる。
先生が脱税しちゃずるいや」というところだ。

 輿石氏は「農業委員会の指導に従う」と言っているが、新聞報道された後の事後処理との印象は免れず、「知られなかったら脱法行為を続けていただろう」と世間は見るはずだ。

22225_013

 このところ民主党の人気低落はなはだしい。小沢幹事長鳩山総理政治資金問題鳩山総理の普天間基地移設に対する判断喪失岡田外相の日米同盟に対する幼児外交、そして今回の輿石参議院会長の農地法無視と脱税事件、こうしたすべてが国民の民主党に対する信頼喪失につながっている。
民主党は自民党以上に金に汚く、かつ判断能力が欠如しているのではないか・・・・・・・

 当初、この5月の参議院選挙で圧倒的に有利だった民主党が、今では過半数を取る目はなくなっている。最も自民党も分裂状態だから、どうやら参議院選挙後は大々的な政界再編成が行われる公算が強くなってきた。

  

 

| | コメント (0)

(22.3.14) 冤罪の構図 元厚労省局長 村木厚子氏はなぜ犯人にされたのか

2233_035

 昨年6月、障害者向け郵便割引制度を悪用した不正事件で、偽証明書の作成に関与されたとして逮捕起訴された元厚労省局長、村木厚子氏冤罪であることが明らかになってきた。

注)障害者向け郵便は通常120円のところ8円で郵送されるため、障害者向けを装って通常のダイレクトメールが8円で出された事件。この制度を悪用した広告会社は約130億円の不当利益を得た

 実行犯の上村係長が以下のように第8回公判で証言して、単独犯であることが明確になったからだ。

「(この時期は)予算の仕事が中心だと思っていたので、証明書は勝手にだしてしまえばいいと思っていた。(証明書を発行するような片手間な仕事は)いつまでもひきずらず自分の前から消してしまいたかった。
5月中旬あたりから予算の仕事はどんどん忙しくなった。(
特に)制度が変わったので去年の予算をいじればよいというものではなかった。・・・・・

夜中に偽の証明書(決裁の下りていない証明書)を作り、朝8時に課長の印を(黙って)押して、その日のうちに厚労省近くの喫茶店で河野さん(凛の会)に手渡した。・・・・

注)上村係長は09年4月に係長になったばかりであり、最初の予算編成作業に忙殺されていた。このため証明書発行のような片手間な仕事は早く片付けたいと思っていたという。

また証明書に係長が課長印を押印することは、このほかにもかなりの事例があったらしい(代理押印が日常化されていたようだ)。

2233_020

 上村係長の証言の前に、村木厚子氏の上司塩田部長村木氏から「証明書を発行したという報告を受けて石井氏(代議士)に電話したのだろう」と検察官に供述したが、これは間違いだったと法廷で証言している。

 上村係長塩田部長村木氏の関与を否定したことで、村木厚子氏が冤罪であることがほぼ証明された。

注)現在唯一の証言の不一致は、倉沢被告(凛の会)が裁判で「証明書を受け取りに出向いたときに上村係長がいなかったので、村木課長から証明書を受け取った」と証言したことだ。
これによると受け取りは河野氏でなく倉沢氏で、受け渡し人は上村係長ではなく村木課長ということになる。
この不一致については裁判で徐々に真相が明らかになっていくだろう。


 現在は、なぜ大阪地検はこのような冤罪を引き起こしたのかが興味の対象に移ってきている。

原因は以下のような場合が想定される。

① 担当検事が無能で、出世欲が強かった(担当検事単独説
② 検察庁が意図的に厚労省をたたこうとしていた。担当検事はその流れに乗っただけ(
検察庁の組織的関与説
③ 偶然が重なって村木氏の冤罪が発生した(
偶然説


 ①はかなりの確率で言えそうだ。上村係長によると「この事件は厚労省の組織犯罪だ。あなたはトカゲの尻尾きりをされているのだ。厚労省の膿を出して良い組織にするためには、事件を正さねばならない」というのがこの担当検事の口癖だったと証言している。

 明らかに担当検事はこの事件を組織犯罪として立件しようとしていたことは分かるし、そのためのストーリーにあわせて供述調書を作成したのだろう。

 殺人事件のような刑事事件の場合は証拠第一主義がとられて、証拠がなければ無罪になることが多いが、一方今回のような権限違反の証明書発行事件のような場合は証拠物件による立証が難しく、関係者の供述がほとんど唯一の証拠になる。

 そのため担当検事は意図的な誘導で供述調書をでっち上げ、サインさせたのだろう。

 については、意図的に検察庁が厚労省をターゲットにしていたという証拠はない。唯一いえるのはこの時期は厚労省に対する世間の風当たりは強く、特に年金問題にかかる社会保険庁のずさん管理に世論は沸騰していたから、厚労省バッシングの雰囲気はあったことは確かだ。
だから検察庁首脳が、ありうる事件と認識した可能性は高い。

 の偶然説はかなり無理がありそうだ。上村係長が「単独で行ったと何度説明しても担当検事に納得してもらえなかった」と証言しているので、やはり担当検事が意図的に誘導したというのが実態だろう。

2233_090_2

 私の想定は、大阪地検の担当検事が出世欲に取り付かれ、この事件を厚労省の組織犯罪という形で立件できれば将来の自分の地位が確保できると思って、勇み足をした事件に見える。
検察庁の組織的犯行に思われないのは、証言者が次々に「担当検事の誘導によった」と取り調べ段階の証言を覆していることで、組織的犯行としてはお粗末過ぎるからだ。

 かつて私も大阪で仕事をしたことがあるから分かるのだが、大阪にいると何かと東京に対する対抗心が強くなる。
東京何するものぞという気持ちと、できれば大阪でなく東京で仕事をしたいという気持ちがない交ぜになった複雑な気持ちだ。

 この冤罪事件を引き起こした担当検事は大阪地検ではなく花の東京地検で仕事をしたいと思い、自分の功をあせって無理やり組織犯罪をでっち上げたというのが私の見立てだ。

 どう見ても村木厚子氏は無罪である

 

 

 

| | コメント (0)

(22.3.13) 海の男になれるだろうか

22312_015
(館山漁港

 私の趣味の一つにペンキ塗りがある。それも通常のペンキ塗りではなく、落書きけしのペンキ塗りで、四季の道や公園に落書きがされようものならすぐに飛んで言って落書きを消してしまう。

 当初は剥離剤を使用していたがうまく落書きが落ちないことが分かってから、ペンキで上塗りをすることに変えた。ただし実際にしてみると分かるが、ペンキの色は二つとして同じものがなく、同じメーカーの同じ種類のペンキでも色落ちがあって微妙に違う。
だから結果的には全面塗装になることが多い。

 こうした話を友達のTさんにしていたら、「そんなにペンキ塗りが好きなら私のヨットの船底のペンキを塗ってくれませんか」と頼まれてしまった。
Tさんは千葉の富浦漁港外洋型の8m程度のヨットを持っているのだが、ちょうど今は2年に1回程度のメンテナンスの時期で、館山ヨット修理場で外装の塗り替えをしているのだという。

22312_002
(修理場の親方 Yさん

 私はクルーザーといわれるこのヨットに関してはまったく知識がない。2回ほど友達の斎藤さんに乗せてもらい一回はひどい船酔いで「ヨットとはこんなに苦しいものなのか」と思った経験があるだけだ。

 Tさんによるとこのヨットは建造されてから30年程度経っていて、一時は廃船同様の状態で、水が室内に入ってジャブジャブしていたのだそうだ。
それを5年前Tさんが引き取って修理を繰り返し、今は昔の見違えるような姿まで回復させたのだという。

 エンジンを取替え、腐ってしまった室内の床や壁の板を張替え、しらっ茶けた木材にニスを塗り、新たに魚群探知機深さを測るのだそうだ)や、自動操縦装置GPS船舶無線を設置し、室内にはテレビまでついていて、非常なハイテク船になっていた。

ここまでするには大変だったでしょう
天気がいいときはほぼ毎週やってきて、舟の補修をしていたのです
おゆみ野から富浦までは自動車で1時間半程度かかる。

 Tさんと館山の修理場に行ってみると、ここの修理場の親方Yさんが黙々と舟の外装の補修をしていた。
見るとヨットの喫水線の下はこげ茶色の塗料が塗られており、今回はその上に特殊な塗料を塗るのが私の仕事だという。

22312_007
(この底のペンキを塗った)

 Tさんによるとその塗料はフジツボが付着するのを防ぐためのもので、フジツボが付くと塗料と一緒に剥がれ落ちていくのだそうだ。
昔は一種の毒の塗料を塗っていたのだが、環境保全の立場から禁止され、今は自然にフジツボと一緒に落ちていくこの塗料を使用しているのです

 この日は午前中は船底の塗料塗り、午後はチーク材のニス塗りをしたが、正直言って油性塗料油性ニスの匂いには悩まされた。
海岸の風通しのいい場所での作業でマスクまでしていたのだが、私はシンナー系の匂いに弱い。
自分が使用するときはシンナーが入っていない水性塗料を使うことにしているが、クルーザーのような日常的に海水に洗われるものは、油性塗料でないとダメらしい。

 しかしクルーザーの船底の塗装なんてめったにできることではない。はじめての経験はできるだけすることにしているので、勇んで出かけたが経験としては面白かった。
Tさんクルーザーはこの補修で見違えるような美しい船体に変わってきている。
山崎さん、補修が終わったらヨットに乗りませんか」誘われた。
私は前にヨットに乗ったときの船酔いを思い出して、「はは」とあいまいに答えておいたが、Tさんの誘いを無下に断るわけにもいくまい。

 この年になって「海の男」になるとは想像すらしなかった。一度は外洋に連れて行ってもらうのも悪くなさそうだ。

22312_011
作業員の私

   

 

 

 

| | コメント (1)

(22.3.12) 岡田外相の幼児外交と民主党の将来

22213_008

 岡田外相の外交センスについて、どう判断したらよいのだろうか。

 普天間基地移設問題ではありえない嘉手納基地への移設を提唱し、クリントン国務長官とサシで話し合うとして一人でアメリカに飛び立とうとしたり、鳩山総理が「移設問題はまったく白紙の状態で考える」と言っているそばから、「(これでは)普天間基地をそのまま使用するほかに道はない」と軽率な発言をする。

 今度は日米間の密約を暴露するといって外務省の尻をたたき、当初は1月末までに報告を上げさせることにしていたが(もう取りやめたのかと思っていたら)、この3月11日有識者委員会から核持込について報告が出された。
報告書では「核持込について日米に暗黙の合意ができ、広義の密約があった」との報告だったが、それをうけて岡田外相は有頂天になっていた。

自民党政府の「事前協議がないため核搭載艦の寄港・通過はなかった」という説明は誤りで「核の持込がなかったとは言いきることはできない」というのが真実だという。

 私はこの岡田外相の発言を聞いてあきれ返ってしまった。理由は二つある。

22213_009

 一つ目は「外交に密約はつきものでないほうがおかしい」というのが常識だからだ。
外交文書が両国民を納得する形で締結できることはまれで、どちらも不満を残す。

 今回の日米安保条約改定時の「核搭載艦の寄港・通過」においてアメリカ側からしたら日本に立ち寄るたびに核を取り外すことなどできるはずがない。
もし本当に日本に立ち寄るときに核を取りはずしたら、敵国(ソビエトや中国)にとって、米艦船が最も多く日本に寄港したときが先制攻撃の最大のチャンスになる。

 核抑止力とは反撃ができる能力なのだから、日本に停泊している米艦船はまったく抑止力を持っていないことになり、敵から見たら海に浮かんだ鴨のようなものだ。
だから絶対に米艦船が核を取り外して寄港することはない。

 一方日本側からすれば唯一の被爆国で核アレルギーが世界で最も強い国なのだから、「米艦船は当然に核を搭載してます」なんて国民に説明できない。そんなことをすればすぐに選挙で負けてしまう。

 だからこの問題は密約レベルとして大人の判断で自民党は核搭載艦の寄港を黙認してきた。
これ以外の方法はないからだ。

 私が岡田外相に不満なのは外交に密約はつき物であり、密約があったからと言ってそれが善悪の対象にならないのに、あたかも密約があったことが悪だと思っているからである。
暴露した俺が正義で、隠した自民党が悪だ
しかし、そんなことはない。

注)密約が悪だと思われているのは日本ぐらいで、特に外交の先進国であるヨーロッパでは密約は政治の一つの側面と、大人の判断をしている。

22213_010

 二つめはこの岡田外相のこの密約暴露で鳩山政権が窮地に陥ってしまったことにある。
鳩山総理はいつものように平然と「非核3原則はこれまでどおり。日米関係に影響を与えないように対処することが大事だ」とコメントを述べたが、自分でも何を言っているのか分からなかっただろう。

 岡田外相は密約の存在をすっぱ抜き、「今でも核搭載艦は核を搭載したまま寄港している」と実質的に言っているのに、「非核3原則はこれまでどおり」では従来の自民党政権の説明と同じではないか。

 本当に鳩山政権非核3原則を守るのであれば、寄港する米艦船に乗り込んで実査をする以外に方法がない。
もし実査をしないのであれば、従来の自民党政権と同じように「事前協議がなかったのだから核持込はなかったと信じている」と答弁することになる。

 この岡田外相と鳩山総理の閣内不一致はほとんど危機的だ。
鳩山政権は自民党の歴代首相を国会に呼んで証人喚問をするといきまいているが、私なら鳩山首相を国会に呼んで「なぜ現在非核3原則が守られていると言い切れるのか」と聞くところだ。

 わが国は岡田外相幼児外交によって、日米間の亀裂をさらに深かめようとしている。
鳩山総理普天間基地問題で自己決定能力を失い、今度は岡田外相が日米安保条約の根幹にあるタブーに挑戦し、それを白日の下にさらしたと騒いでいる。

 私は岡田外相の外務大臣としての資質はかつての田中真紀子外相と同じで、歴代外相の中で最低のクラスに位置すると思っている。
この岡田外相スタンドプレーは日本の安全保障を危うくすることだけでなく、民主党の自己矛盾を拡大して、民主党そのものの政権担当能力も失うことになるだろう。

 

 

 

 

 

| | コメント (1)

(22.3.11) 撤退戦の研究 茨城空港の事例

22310_015

 日本人が最も苦手とする戦略の一つに撤退戦がある。戦況が厳しくなって敗北が明らかになればすぐさま撤退して、戦線が整えられる場所まで後退する戦略だが、ほとんどの場合失敗している。

 特に太平洋戦争で日本軍が多用した「万歳突撃」は最悪で、敗北が分かると撤退するのではなく「天皇陛下万歳」と叫んでアメリカ軍の機銃掃射の餌食になった。
当時アメリカ軍はこれをかも撃ちと称して楽しんだという。

 日本政府が特別会計で日本国中に作りまくった地方空港も最悪の事例で、開港を迎える当初からいくら赤字になるか悩まされている。
この3月11日に茨城県で茨城空港が開港するが、当初のでっち上げ計画、年間81万人の利用計画には遠く及ばない20万人の計画で開港することになった。

注)でっち上げは常態化しており国土交通省の発表では約9割の地方空港が需要予測を下回っている。

 しかし実際はこの20万人過大計画といえる。
現在、アシアナ航空ソウル便スカイマーク神戸便毎日1便就航して、年間20万人の利用客があると試算しているのだが、アシアナ航空側の見積もりは約8万人に過ぎない。
スカイマークが同じく1便で残りの12万人を運ぶとは思われず、実際は4万人も乗れば御の字のはずだ。

注)廃港が危ぶまれている松本空港の例で見ると、3路線(札幌・大阪・福岡)の地方便を持っているが、08年の搭乗者は6万人だった。

22310_009

 この20万人を基礎に県空港対策課は当年度は2000万円の赤字と試算している。しかし実際は億単位の赤字になり、それも時間の経過に伴って拡大していくと私は見ている。

 県空港対策課の試算を見ると、空港会社の収入・支出ともほぼ4億円を計上している。支出の4億円は確かだとしても、収入の4億円はありえない。
収入の太宗は航空会社からの賃貸料約2億3社が入ると想定)だが、実際はアシアナ航空1社で、スカイマークはすでに事務所の開設を断ってきている。したがってこの段階ですでに1億円以上の収入不足が発生していることになる。

注)空港会社の収入は ①着陸料や施設使用料の航空系収入と ②免税店・物品販売・飲食店・駐車場等の非航空系収入からなる。
空港会社の経営が成り立つためには非航空系収入を増加させ、一方で着陸料を値下げして多くの航空会社を呼び込むのが最も効果のある戦略といわれている。

 茨城空港は着陸料が成田や羽田の3割も安く、最初からあまり期待できない。
また非航空系収入はそもそも乗客が20万人以下81万人を想定に8ブーツが用意されている)では飲食店もグッズ売り場も経営が 成り立たない。

22310_003_2

 当初茨城空港に出店を予定していた飲食店すぎのや売店亀印製菓もすっかり逃げ腰になり、県の懸命な説得と賃貸料の引下げでかろうじて出店が決まった。
なぜ赤字とわかって出店しなければならないんだ。わが社の経営問題だ」大ブーイングだ。

注)現在8ブーツあるが、レンタカー、コインロッカー、宅配便、それにすぎのやと亀印製菓が赤字覚悟で出店することになったものの、空き店舗がある

 着陸料はディスカウント、スカイマークからは事務所開設を逃げられ、飲食店や売店もテナント料の引下げでかろうじて留めている茨城空港の収入が4億円であるはずがなく、せいぜい2億円赤字幅は約2億程度というのが私の想定だ。

 日本人は実に撤退戦が下手だ。当初から赤字で、今後とも乗客数が伸びることはありえないのだから、すぐに茨城空港を閉鎖するのが最善の選択になる。
しかし橋本知事はありえないLCC(格安航空会社)の誘致に一縷の望みをかけ、首都圏の第3空港として発展すると「万歳突撃」を命令した。
どうやら誰が見ても閉鎖已む無いと思われるまで、赤字を垂れ流す気持ちらしい。

注)マレーシアのLCCが一時茨城空港に乗り入れを検討したが、羽田の第4滑走路開設に伴うハブ化が明確になったため取りやめた。
茨城空港は首都圏へのアクセスが極度に悪く、水戸駅・石岡駅経由でも2時間程度はかかる。
LCCが成り立つ条件は格安なのだから、時間も費用もかかる茨城空港に降りたら、乗客にとって何のための格安か分からなくなってしまう。

 


 

 

 

| | コメント (2)

(22.3.10) 24時間走でクタクタだ

2238_010

 この土曜日(6日)から日曜日(7日)にかけて24時間走をしてきたため、今日(8日)はまったく身体が動かない。
朝からグダグダ炬燵にはいってはうつらうつらと寝ている。
身体の節々が痛んで二階に登るのもことだ。足だけでは身体を支えられないので手を使って四足で登っている。

 24時間走などと言っても普通の人は何のことか分からない。24時間かけて、「人間はどのくらい走ることができるのか競う競技」で、日本でもいくつかの団体が主催している。

 今回の24時間走海宝道義さんが主催したものだが、海宝道義さんは超長距離界では非常に著名な方で、もともと自身も長距離ランナーでトランスアメリカというアメリカ横断マラソンに参加した後、日本各地で長距離レースを主催するようになった。

 海宝道義さんが主催するレースはサポート体制がしっかりしており、エイドに用意される食料などは他のどの大会で出されるものよりも豊富だが、これは海宝道義さんが大会費用をほとんど参加選手に還元してしまうからである。
非常な人徳を持った方で、海宝道義さんを慕うランナーは多く今回の大会も役員は手弁当で参加していた。

注)他の競技では主催者が参加費用で生計を立てている場合があり、その場合はエイドで用意される食料は最低限度になる

2238_009

 こうした競技に参加する人たちはかなりマニヤックな人が多く、顔ぶれもかなり固定されていて人数も多くない。
いやー、また会いましたね。どうです調子は?」なんて会話があちこちから聞こえる。

 この大会には24時間走の他に、12時間6時間の競技や24時間リレーも用意してあるが、何と言っても人気があるのは24時間走149人がエントリーしていた(全体では500名程度)。
場所は臨海副都心のお台場臨海公園船の科学館周辺1.5km周回コースで行われる。

 しかし正直に言うと、24時間走ほど面白みのない競技はない。周回路をただただ走るだけだから、景色は変わることなくその単調さにあきあきする。
この競技は忍耐力を鍛えるだけのために行っているようなものだ。

 6日の午後3時スタートしたが、あいにくの雨模様でとても寒かった。私も最初はマニヤックに走っていたが、すぐに飽きてしまいその後はエイドステーションに用意されている豊富な食べ物や飲み物を食することだけに専心してしまった。

 通常の100kmのレースではエイドステーションは5km~10km置き位に設置されているのだが、この大会は周回コースなので1.5km走れば食料にたどり着く。
通常の菓子類やアンパン類だけでなく、海宝さんが自宅で飼っている鶏の燻製、卵、それにあらゆる種類のスープやホットドックやそば等、何でもござれだから、「次は○○を食べよう」なんてことばかり考えて走ってしまう。

2238_019
(夜半の東京湾

 雨は夜半には上がったのだが、また明け方から再び降り出し、信じられないことに日曜日の日中の方が寒かった。例年このコースは夜半に海に向かって吹く風が強いのだが、幸いにこの日は風はそれほど強くはなかった。
この風が吹くと身体全体が凍ってしまう。

 しかし、まあよくこの種の大会に出るものだと自分でも思う。149名のうち私より年配者は7名だったから、私も最高齢者の一員ということになる。
トップクラスの選手は200km以上は走ったようだが、私は当初150km走ることにしていた。

 2年前に走ったときは約130kmだったので今回は150km程度は走れると思っていたが浅はかだった。年齢がかさんで体力も気力も低下していることに気づかなかった。
7時間程度走った頃から身体が揺れだし、隣のランナーにぶつかりそうになりめまいがする。
こりゃ、まずい。睡眠をとったほうがよさそうだ
休憩所で3時間程度の仮眠をとった。

2238_027
(この人はこのスタイルで走っていた

 再び走り出したのだが朝がた雨が強くなったので再び1時間程度の仮眠を取ってしまった。
結局走れたのは124.5kmで2年前より少なくなっている。
うぅーん、寝ないでシリアスに走るのは難しい

 それでも参加者の中で真ん中より上だったので、まあ良しとしよう。
老人なのによくがんばりましたね」というところだ。
しかしこの24時間走は身体にこたえる。命を縮めるために走っているようなものだから、これを最後にしたほうがよさそうだ。

2238_020
(夜になると仮眠を取る人が増える)

 

 

 



 

| | コメント (0)

(22.3.9) 地上げ天国の中国 中国の光と影

2233_006

 「親の心子知らず」とはこのことを言うのだろう。温家宝首相全人代で「積み残された(都市と農村の)格差是正」を訴えている足元で、黒い頭のねずみが徘徊している。 
中国はどうやら地上げ天国で、黒い頭のねずみのおかげで都市と農村の格差はますます拡大しそうだ。

注)都市と農村の所得格差は04年には2.5倍程度だったが、09年には3倍を超えてしまった。

 毎日新聞3月5日に報道した「地上げ、腐敗、苦悩の中国」という記事はとても興味深い。

 中国の大都市部の地上げの実態が、かつて日本でもバブル期に行われた地上げとまったく瓜二つであり、違いといえば日本がもっぱら金で有無を言わせず地上げしたのに対し、中国は公権力共産党幹部)と国営企業や同族企業がタッグを組んで行っていることぐらいだ。

 記事によると北京市郊外にある芸術区アメリカのソーホーのような場所らしい)に住む芸術家劉さんら6名が、マスクと黒服に身を固めたヤクザ19名に袋叩きにされたのが2月22日のことだそうだ。

 この場所に劉さんは350平米の住宅兼アトリエを借りて住んでいたのだが、突然地元幹部の弟から立ち退きを要求された。
中国では土地は国家のものだから、個人はそれを賃借することしかできない。

注)中国では同族間のつながりが強く、権力者の周りにはそれを利用して私腹を肥やす同族がたむろしている。

2233_012

 地元幹部の弟が「土地利用計画が変更になったので、賃貸借契約は無効だ」と主張し、劉さんがこれに反対すると水道、電気、暖房をたたれ、それでも退去しなかったため、ヤクザを使って追い出しにかかったのだそうだ。

 この場所は北京市朝陽区政府が昨年9月に、約26万平米の「土地備蓄」に当てると発表し、約17万人の住民に立ち退きを迫っている場所の一部だという。

注)中国の地上げの方法はこのように公権力が有無を言わせず行うところが日本と違う

 現在中国では財政・金融を総動員した景気対策を実施している。
財政政策はもっぱら公共投資に向けられ、また金融政策は国営企業や同族企業に対する融資の押し付けになっていた。
政府の指導です。何でもいいから資金を借りてください」そんな感じだった。

 公共投資はその前提に土地の収用が必要になるのはどこも同じで、多くの場所で住民が土地を追い出されているが、一方国有企業や同族企業に振り向けられた資金は設備投資に回らず、もっぱら大都市周辺の不動産投資に向けられている。

注)なお中国政府はバブルを懸念し最近引締めに転じたが、今まで貸し与えた資金が市場に大量に滞留して引締めの効果がない。

 これはバブル期の日本を思い出してみれば誰でも納得するはずだが、当時はまともに業務拡大を図るのは愚かな経営者で、不動産投資としてゴルフ場や別荘地の開発をおこない、株式で儲けるのが有能な経営者と思われていた。

 中国でもまったくバブル期の日本と同様の現象が発生しているが、土地が国有のため地方政府のほうが住民より強い立場にある。
なにしろ共産党三権司法、行政、議会)を束ねており、かつ警察を掌握しているのでやりたい放題だ。

今回の事例では警察がヤクザ19名を逮捕したが、この場所が北京政府のお膝元で温家宝首相の目に留まる場所だったからで、他の地方では警察もぐるになって住民追い出しを行っている。

2233_013

 中国では瞬く間に大都市が建設され、高速道路も新幹線も空港も思いのままに建設でき大前研一氏などは手放しで賞賛している(大前研一氏の経済観
しかし実態は公権力を握る地方幹部と資金面で潤沢な国営企業や同族企業が結託して甘い汁を吸い続けているだけだ。

 思い余って地方の住民が北京に出てきて直訴しようとしても、江戸時代の日本と同じで直訴はご法度で、たちまちのうちに警察官に蹴散らされてしまう。

 北京政府としても腐敗幹部を追放したいが、その腐敗こそが中国躍進の原動力でもあるので、きれいごとだけでは済まされない。
限度を越した腐敗は一罰百戒の意味で公開の場で弾劾されるものの、北京政府自身も腐敗の温床なのだから、あまりに追求すると天に向かってつばすることになる。

注)共産党組織は利権であり、好き勝手に懐を肥やせる。これが中国躍進の一つの側面だ。

 しかし温家宝首相も頭が痛いだろう。
腐敗が進みすぎると農民が反乱を起こし、腐敗がないと躍進ができない。
中国と腐敗は王朝の昔から切っても切れない縁があり、「優秀な官僚とは適当に腐敗した官僚で「賄賂を受け取らない官僚は悪官僚」なのが中国の伝統だ。
だから現在の胡錦濤王朝もそれに習っているだけに過ぎないともいえる。

 こうして温家宝首相がいくら全人代で格差是正を訴えても、都市と農村間の格差はますます広がり、中国の光と影は増幅される。

注)中国人の性質を最も理解していたのは毛沢東だった。中国人はすぐに走資派(金儲け)に走るのでそうならないように文化大革命で根絶やしにしようとした。しかしその努力もむなしく鄧小平の指導で走資派の中国が開花したと言うわけだ。



 

 

 

 

 

| | コメント (0)

(22.3.8) 難聴が進んでいる

2233_007_2

 悲しくなってきた。又一段と難聴が進んでしまった。右の耳はほとんど聞こえないのだが、今度はかろうじて聞こえていた左の耳の具合が悪い。

 先日録画をしておいた八代亜紀の歌を聞こうとしてびっくりした。八代亜紀の「かもめの街」という歌を聞こうとしたのだが、ほとんど聞こえないのだ。
あれ、ボリュームが小さいのかな?」
確認してみたらボリュームレベルはいつもと同じだ。
もしかしたら、テレビか俺の耳か、どちらかが壊れている・・・・・・・・」不安感がよぎった。

 いつも聞いているNHKのニュースで確認してみたら、ボリュームレベル18で聞こえていた音声が20にしないと聞こえない。
まずいな、これは難聴が進んでしまったようだ・・・・。そう言えば昨日かみさんが『2階の電話の子機で呼び出ししたのにパパさんが出なかった』と言っていたけ
何かこの世から音声が消えてしまったような感覚だ。

2233_029

 音声が聞こえないというのは実に厄介なものだ。会議などで誰かが発言していても、こちらはほとんど聞こえないので反応のしようがない。
最近、会議というと参加する気が起こらないのは、この難聴のせいでもある。

 また電車や自動車の中での会話も苦手だ。騒音と音声を識別する機能が衰えているので、まともな会話ができない。仕方がないので適当に「そうですね」とか、「はは」なんていっているが本当は何を話されているのか分からない。

 テレビを聞くのも厄介で、私がレベル20位で聞いていると、かみさんが「うるさすぎる」と言って16位に下げてしまう。かみさんがいなくなれば又20にあげるのだが、私が席を離れているとまたレベルを下げられている。
いたちごっこだ。

 私が見る番組はほとんどがNHKなので、NHKは難聴者のために日本語字幕を入れてくれることが多いので助かる。日本語字幕があるときは消音にして見ているのだが、音楽番組だけは消音にすると面白みがまったくない。
八代亜紀長山洋子が出てくると、音声を目いっぱいに上げるので、かみさんがまたいやな顔をする。

 電話も実に苦労だ。常に聞きづらい感じがしてボリュームはいっぱいにあげて設定してあるが、音声が割れて何を言っているのか分からないことが多い。
私がほとんど電話を使用しないのはそのためで、携帯などはまず携帯したことがなく、私の書斎に固定電話のように置いてある。

 留守電を聞くこともまずないので、私に電話をしても無駄というものだ。一方で電子メールは必ずチェックしているので、私とコンタクトを取りたいと思われる方は(こうした実情を理解の上)、電子メールを使用していただきたい。

2233_064

 こんなにも苦労しているのだから、補聴器を使用したほうがいいのだが、過去何回か使用した経験ではまことに扱いづらく、かつすぐに落としてしまう。
デジタル補聴器は1個20万前後するので、落とすと馬鹿馬鹿しくなって再度購入する気も起こらない。

 今日鎌取駅前の双葉耳鼻咽喉科に行ってみてもらった。前回の検査時よりは進んでいたが、補聴器をしたほうがいいか、しないで過ごすかの限界値程度の状況だそうだ。
うぅーん、どうしたもんだろう」悩みが尽きない。

 はたしてどうなるのだろうか。このままベートーベンが難聴になっても作曲し続けていたように、私はブログを一生書き続けるのだろうか。 

 

| | コメント (4)

(22.3.7) コメントの採用基準について

2233_009

 最近再びコメントに対する対応で苦慮する事例が増え始めた。最近私のブログを見てくださる方が増加しているのだが、それにつれてコメントも増えてきている。

 従来は知人や、面識はなくてもブログ上の知人である方からのコメントがほとんどだったが、最近はまったく面識のない方からのコメントも増えだした。

私としてはコメントをいただくことはとても嬉しいことで、コメントがまったくないと「この記事は興味の対象でなかったのかな」なんて悩んでしまうが、一方記事とは全く無関係なコメントがあったりすると、「一体なぜこのようなコメントを書くのだろう」とこれまた悩んでしまう。

 従来からエロ関係のコメントや商売の案内などは採用することはなかったが、最近悩んでいるのはかなり極端な「思い込み」と思われるコメントが増えてきていることにある。

 私はその意見がたとえどんなにとっぴであったとしても、論証がしっかりしていれば採用するつもりだが、論証抜きの思い込み意見については、今後は採用を見合わせることにした。

 理由は、先日掲載したコメントについて私のブログの読者から「あのコメントは本当ですか」と聞かれたのだが、「いえ、コメントをそのまま掲載しただけです」と答えたものの、割り切れなさを感じたからだ。

注)コメントに対する私のコメントをつける方法はあるのだが、「思い込み」と思われる意見にそれをすると深みにはまってしまい、一種の終わりなき言い合いになってしまいそうだ。

 
2233_066

 そこでもう一度コメントを採用しない基準を明確にして置いたほうがいいと思うようになってきた。

 以下にこのブログでのコメントに対する基本的対応について記載します。

1.基本的にはコメントはそのままこのブログに掲載しますが、以下の場合は掲載しないことがあります。

(1) 個人的な私への依頼

* この場合はメールで連絡してくださいブログの右上にメール送信機能が記載してあります)。

 個人的な依頼は知人の場合は、なぜ依頼するかの背景が分かるので、特別な理由がない限り応じることにしています。
全く面識のない方の依頼は、その必要性が理解できた場合にのみ、応じることにしています。

(2) 記事とはまったく関係のない意見等の記載

* このブログとは関連がないので、基本的には掲載しません。
 なお、内容が自分の意見と同じか、または参照に値すると判断された場合は私の記事の中で、その人の意見と断って掲載します。

* 通常記事と関連ない内容については、そのような内容を扱っている他の掲示板、またはスレッドをご利用ください。あるいは自分でブログを立ち上げることをお勧めします。

(3) 商品販売や、儲け話等のコメント

* 私のブログではこうした記事は扱いませんし、コメントも掲載しません
私のブログはどう見ても金儲けとは無縁のブログです。

(4) 論証ぬきの思い込みと思われる意見

* 結論だけの極端な意見は採用しません。必ず論証をするようにお願いします。(今回この基準を追加
  

2233_027

2.
コメントの記載内容が不明であったり、公序良俗に反すると判断された場合は、加筆訂正をして掲載するか掲載しないことがあります。


3.私のブログではコメントは一旦留保され、私が確認した後に掲載しております。これは上記1-(1)、(2)、(3)、(4)のケースがあるためです。

 それ以外のコメントについては大歓迎ですので、どしどしコメントをしてください。私が間違ったことがわかった場合は、必ず訂正してお詫びいたします。

| | コメント (0)

(22.3.6) 四季の道駅伝の写真の整理に大忙しだ

P1030313

 この時期の作業の一つに四季の道駅伝の写真の整理がある。駅伝大会では写真班が組織され、各ポジションで写真を撮ってくれるのだが、それを整理してブログホームページで公開する作業がある。

 前回は写真の枚数が1000枚以上だったが、今回は700枚程度だった。ただ単に場所別に分類してWebで公開するだけならなんてことはない作業なのだが、写真に重複があったり、逆光で顔がつぶれていたり、何を撮ろうとしたか不明な写真があったりして、どうしても整理・編集をしなければならない。

 枚数が少なければほとんど右から左の操作で済むのだが、700枚もあると物理的に疲れてしまう。
最初こそ真面目に編集を行っているが、そのうちにくたびれきって作業がおろそかになってくる。
まあ、いいや。適当にやっておこう

Img_9941

 そう思うのだが、「子供たちが一生懸命走ってくれた写真を、少しでも見栄えよくしてあげるのが大人の役目だ」ともう一方の私がささやくので、手抜きもできない。
それに私は編集のプロを自認しているので、手抜き作業では名前に傷がつく。

 一見編集作業などなんと言うことのない作業と思うかも知れないが実は違う。第一700枚もあると私の使用している編集ソフト、Picasaが重たくなってなかなか動いてくれない。
分割して小さくすればいいのだがそれも面倒なのでそのまま使用しているが、何か坂道をあえぎながら登っているトラックのようだ。

 また大抵の写真に不要部分が写っているので切り取りをするのだが、なかに携帯で写した画素数の小さな写真があり、切り取ると本当に小さくなり、一方それを拡大すると粒子が飛んでしまう。
しまった。携帯での小さな写真はダメだと事前に言っておくことを忘れた
悔いたが、後の祭りだ。

Img_0273

 上記以外の問題点としては以下のようなものがある。

① ピントが甘い(この種の写真は没にせざる得ない。なお若干の甘さであればピントを補正する)

② 逆光で顔がつぶれている(明度をあげて顔が識別できるようにする)

③ 色があせている(彩度をあげて見栄えをよくする)

④ 同じ写真が何枚もある(見比べてもっとも良いものを残す)

⑤ 何を撮ろうとしたか分からない写真がある(没にする


 そんなことをしていると一日仕事になる。もっとも一日中この整理・編集作業をしているわけにいかないので、結局は数日仕事になってしまった。
しかし、がんばるのだ。走ってくれた子供たちのためだ」叱咤激励しながら少しずつだが、四季の道駅伝のブログ(これが私の担当)に写真をアップしている。 

 

| | コメント (0)

(22.3.5) イギリス 財政破綻の懸念

2233_014

 今市場では財政破綻するのはギリシャではなくイギリスではないかとの懸念が広がっている。

 ギリシャイギリスもGDPに対する財政赤字12%台で同じようなものなのだが、ギリシャがEUに対し財政再建を約束したのに対し、イギリスの現政権労働党は放漫財政を続けるといっているからだ。

注)正確には、労働党政権は財政再建は11年以降の課題だといっている。

 もっとも少し前までは労働党政権はこの5月の総選挙までで、その後は保守党が勝利し財政再建に取り組むと見られていたのだが、2月末の世論調査で今まで劣勢だった労働党が保守党に肉薄したため、市場はパニックに落ちてしまった。
まずい、労働党が政権を維持すればイギリス経済は破綻するのではないか

注)最近の世論調査の支持率で、英労働党(35%)と英保守党(37%)の差が2%に縮まった。

 ポンドは昨年の半ばから急落していたが、ここに来て低下の速度を速めている。昨年の半ばまでは160円台だったものが、今は130円に近づいた。
さらに悲惨なのはイギリス国債で10年物の利回りが4%を越えだし、これはイタリアスペインよりも高く、これより上はギリシャ6%台なのだから、イギリス国債はギリシャ国債のちょっと下と言う位置づけだ。

2233_008

 英労働党のブラウン政権は日本と同様、財政・金融を総動員してイギリス経済を支えてきたが、他の先進国が09年第3四半期あたりからGDPが回復してきたのに、一人低迷が続いていた。
しかしようやく第四4半期になって前期比+0.3%と回復の兆しを見せ始めた。

 これを見て英国民はほっとしてしまったようだ。
労働党の政策がようやく効をそうし始めた。これなら労働党を支持して、大きな政府で行こう

注)財政規律を無視すれば、国民にとっては増税と福祉切捨ての保守党より、国民に優しい労働党がいいに決まっている。

 イギリスユーロに加盟していないから、財政規律3%の枠にはとらわれない。そうした意味でいくら国債を発行しても購入者がいる限り問題がないのだが、今問題なのはそのうちにギリシャ並みに購入者がいなくなってしまうのではないかとの懸念が生じている。

注)実際に40年国債の売却に失敗した。市場で売却できなければ、イングランド銀行が国債を購入するという方法で売却ができるが、この方法は紙幣の増刷と同じ。

2233_010

 他に財政規律がまったく存在しない国はアメリカ日本だが、この2国とイギリスが決定的に異なる点がある。

① アメリカとイギリスとの相違は基軸通貨とそうでない通貨との相違。

 基軸通貨であれば通貨そのものの実需があるので国債はレートが高くなっても売却することができる。一方基軸通貨でない場合は、単なる紙切れなので購入者は自国の中央銀行以外には購入者がいなくなる。

② 日本とイギリスとの相違は経常収支が黒字か赤字かの相違

 日本は慢性的な黒字国家であり、一方イギリスは慢性的な赤字国家。日本は財政赤字があっても国全体としては儲けているので、ファイナンスを自国内でできる。
一方、イギリスは損失が発生しているので、海外から資金を導入しなければバランスしない。

 現在のイギリスの置かれている立場は、赤字国家が海外からの資金の導入ができず、中央銀行の紙幣の増刷に頼って国家運営をしている状態といえる。
しかも労働党政権が継続して今後ともこの方針を変えないとすれば、ポンドは低落し、国債レートが上昇するのは当然と市場は見ている。

ポンド危機は近そうだ。ポンドは売りだ」どうやら市場はそう判断したようだ。

 

| | コメント (0)

(22.3.4) 今年も「かつうらビッグひな祭り」に行ってきた

2233_039

 今年も勝浦雛祭りを見に行くことにした。昨年は私一人で行ったのだが、かみさんも「都合がつけば是非見に行きたい」と言っていたので、この3月3日の雛祭りの日に出かけることにした。

 我が家は自動車を処分してしまったので、こうしたときはJRを使用することになるのだが、幸いに友達のKさんは、勝浦出身で高校生のときまで勝浦に住んでいた。
頼んだら「一緒に自動車で連れて行ってくれる」という。

 喜び勇んで勝浦まで行くことになった。我が家からは自動車で1時間半程度の距離にある。

 勝浦雛祭りは前年のブログにも書いたが、「徳島県勝浦町で開催されていた『ビッグひな祭り』を東と西の勝浦で同時に開催しようとしたのが始まりで、当初は徳島県勝浦町から約7000体の雛人形を里子として譲り受けて開催した」ものだそうだ。

 今年で10回目だが年々盛んになり、雛人形を寄贈人が増えて勝浦市では人形の保管場所に苦慮するぐらいになっているらしい。

2233_019

 私は昨年と同様、市民会館1万体以上の雛人形が見れるのかと思っていたが、今回は会場が分散されていた。
聞けば市民会館が老朽化して使用に耐えなくなったため、現在は使用禁止になっているという。

じゃー、一体あの壮観な雛人形はどこで見れるのだろうか
聞いてみると旧行川小学校で開催されている雛人形がもっとも華やかだという。街の中心から5km程度の距離にある。

 昨年は徒歩圏でほとんど見れたのだが、今回は巡回バスに乗らないと行けない距離になっていた。Kさんの車に乗って海岸端を走り、旧行川小学校に行ってみたが正直言って昨年の圧巻はなかった。
高いひな壇を作るだけのスペースがない。

うぅーん、残念だかみさんに昨年の壮観な雛人形を見せたかったので少しがっかりした。

 しかし市民会館の雛人形はなかったが、新聞でよく紹介される遠見岬(とみさき)神社の石段には1200体の人形が飾られていて、相変わらず見ごたえがあった。

2233_081

 私は勝浦を含め、外房の海岸を訪れるのがとても好きなのだが、それには理由がある。
かつて私が大学生の頃水泳部に所属していたのだが、この外房の海はクラブの資金集めに欠かせない場所だった。
私は二線級の選手だったのだが、二線級選手のもっとも大事な仕事は女子高校生の臨海学校の指導で、指導料の3割を部費として納めるのが慣わしだった。

注)一線級の選手は練習が忙しく、資金集めをする暇がなかった。また、女子高は当時卒業生に水泳を指導できる人材がいなかったので、私の所属する大学にその要請が来ていた。

 おかげで私は夏になると外房の各地を転戦し、ほぼ1ヶ月間はこの海のほとりで過ごした。勝浦市の海岸にいたかどうかは記憶にないが、指導の合間に時間が空くと外房の海を散策し、夜になるとそのまま浜辺で寝たものだ。
外房と聞くとあの海の香りと、若かった頃の赤銅色の肉体を思い出す。

2233_042

 今日は朝方は小雨模様の状態だったがだんだんと天気は回復して、夕刻には晴れていた。
途中でよった漁港で猟師のおじさんと話しをしていたら、このおじさんが「さばを持って行け」という。
思わぬところでとれたばかりの大量のさばをもらってしまった。

 Kさんが土地勘を生かして案内してくれたし、さばまで入手してしまったし大変楽しいひと時を過ごすことができた。

| | コメント (0)

(22.3.3)バンクーバー・オリンピックの勝ち組と負け組

2232_009

 2週間にわたって開催されたバンクーバー・オリンピックが終わった。私はスポーツそのものの愛好家だからオリンピック放送はずいぶん楽しませてもらったが、一方で寂しさも隠しきれない。

 日本選手の活躍がいま一つで、特に体格がさほど変わらない韓国や中国の選手の活躍を目の辺りにすると、「なぜ、日本はこんなに弱いのだろうか」という気持ちになるからだ。

 今回のオリンピックで明らかな勝ち組カナダ、アメリカ、韓国で、一方明らかな負け組ロシアそして日本だった。

 カナダは主催国として金14個という最多のメダルを獲得したし、アメリカは今まで冬の大会では今一歩だったが、今回は総メダル数37個と最多の獲得数だった。
隣の韓国金6、銀6、銅2と堂々たる成績で、国別メダル数でも5位なのだから、必ずしも冬季に強いと思われていなかった韓国の成績には目を見張る。

2232_004

 一方惨憺たる結果だったのはロシアで、かつては「冬季オリンピックといえばソビエト」と言われていたほどの強豪国だったのが、今回は金3つの11位だった。
メドベージェフ大統領は頭に血が登り「責任者は辞表を書かなければならない。できないというなら手助けする」といかにもロシア的表現で怒りを爆発させた。
次回の開催地ソチのロシアが、主催国レースで打ち負かした韓国に大きく遅れをとったのだから、「あわせる顔がない」ということだろう。

 日本も明らかな負け組といえる。橋本聖子団長は長野のメダル数10個を目標にしたが、半分の5個であり、何より金メダルがゼロだったのが敗北を象徴している(長野では金5個だった)。

 さすがに鳩山総理が見かねて「として何か積極的に強化すべきところがあれば、考えて行きたい」と述べたが、私の気持ちとしてはメドベージェフ大統領のようにより直截な表現をしてほしかった。

日本は弱すぎる。この原因を分析し適切な対処をしない限り、日本のオリンピックに未来はない」私だったらそう言いそうだ。

2232_010

 日本の冬のスポーツ界が低迷する原因は次のように言われている。

① 過去ウインタースポーツを支えてきた企業の業績悪化や倒産で、選手が十分な練習ができる環境にない

注)ニッカウィスキー、池崎工業は廃部、拓銀は倒産、雪印乳業はジャンプだけを残して他は廃部

② 企業スポーツに変わる国家のサポート体制が弱い。

注)北京五輪前の1年間の強化費
・ドイツ 274億、・アメリカ 165億、・英国 120億、・中国 120億、・日本 27億

③ スポーツ選手に対する制度的な報奨金や年金の仕組みがない。

注)韓国の国家報奨金
・金 4000万ウォン(約320万円)
・銀 2000万ウォン(約160万円)
・銅 1000万ウォン(約80万円)

韓国の物価水準は日本の約半分だから、実質のイメージは日本円を倍にすると合う。またこの他にスポンサーや競技団体からの報奨金もある。

 韓国の年金制度
・国際試合で110ポイントを獲得すれば、月100万ウォン(8万円)
 なおオリンピックの金メダルを獲得すると80ポイント


④ スポーツ選手の中にオリンピックの代表が国を代表して参加しているとの意識が低く、個人の競技と思っている傾向が強い。

注)男子ハーフボードの国母選手の場合を見ると分かるが、服装は個人の自由だとの意識で、国家の代表だとの意識はなかった

2232_008

 以上のような要因がすべてからまって日本選手が活躍できない状況を作り出している。
最初に言えることは、かつてのように企業スポーツに頼ることができないのだから、早急にそれに代わるシステム作りをしなければ、選手は十分な練習もできない。
スポーツ省を新設して育成環境を整える必要がある

 また日本選手は国家を代表してメダルの獲得に努力してくれたのだから、それに対する報奨金や年金の支給は当然のことといえる。
これほど日の丸を背負って努力してくれる人は、オリンピック選手とサッカーのワールドカップに出場する選手ぐらいだ。
不要なダムや熊が遊ぶ高速道路を作るよりよほど生産的だ

 選手の意識も重要で、所詮個人競技だと思うと最後の最後で力を発揮できない。日本が概して団体競技女子スケート団体追い抜き、陸上400mリレー等)に強いのは、自分が失敗すれば他に迷惑がかかるからと思って奮闘努力するからで、これは日本人の性格といえる。
この日本人の性格を生かしたメダル獲得方針も大事だ

 オリンピックはギリシャの昔から戦争に代わる国別の力比べだった。この力比べに負けることは国民の意識を沈滞させる。
どうせ、俺たちは弱いんだ。努力なんて止めよう

 そうした気持ちに陥らないために、韓国や中国並みの成績が取れるように国家は選手が努力できる環境を整えてほしいものだ。

注)画像はすべてNHKの放送を録画したもの。


 

  

 

 

| | コメント (0)

(22.3.2) 市原市健康マラソン・駅伝の部に参加

2231_008
(雨の中をスタート)

 最近私は駅伝と聞くと燃えてしまう。四季の道駅伝が終わったばかりのせいもあるが、個人レースよりはるかに面白い。

 しかし私は年齢がかさんできたので最近はゆっくり長く走ることばかりしてきて、走力がすっかり衰えてしまった。
短距離では小学校3年生の女の子にも負ける位で、練習でチームを組むとき私が入ろうものなら「先生が入っちゃイヤダ」なんていわれている。

 さすがに私も反省してスピード練習に励んだ結果、ようやく少しはまともに走れるようになってきた。

 しかも駅伝で自分もメンバーの一員になっていればいやがうえにもハッスルする。
他の人の足を引っ張ってはならない」バンクーバーの女子団体追抜き(パシュート)の選手になったような気持ちだ。

 昨日(28日)、市原緑地運動公園で市原市の健康マラソン大会が開催された。あいにくの雨模様で、しかも気象庁から大津波警報が出されており、ここ市原市の災害無線放送も「海岸に近づかないように」と再三の注意を呼びかけていた。

2231_003
(陸上競技場は閑散としていた)

 私はちはら台走友会のメンバーの一員として駅伝に参加したのだが、一チーム4人で、一人2km、合計8kmを走ることになっていた。
ちはら台走友会からは3チームが編成され、走力に合わせてトップクラス、中間クラス、その他クラスに分かれていた。

 全体で18チームの参加だったが、雨と大津波警報で参加を取りやめたチームも多かったようだ。本来はいっぱいになるはずの第二駐車場には車が一台もなく、第一駐車場だけで車がさばけていたので、おそらく参加人数は昨年の半分もいなかったのではなかろうか。

注)駅伝のゼッケンNOが23番の選手がいたので、少なくとも5チームは参加を取りやめたことになる。

 私は中間チームに入れてもらったが、このチームではもっとも遅い。ただひたすらみんなの足を引っ張らないことを願って走ったが、1km過ぎたらあごが上がってきた。
まずい、足が重くなっている」たった2kmだが全力で走っているのでフルマラソンのラストのようにつらい。

2231_021
(人間全力になるとひどい顔になるものだ。ゴール)

 それでも何とか1kmを4分ちょっとで走る事ができた。このペースは私の最盛期のハーフのペースなのだから立派なものだ。
ちはら台走友会Aチームは断トツの記録で優勝。私が一員になっていたBチームは7位だった。

 主催者としてはせっかくの市民大会だから盛り上げたかったろうが、氷雨と大津波警報にたたられて参加者が激減しがっかりしたと思う。
しかし私は十分楽しく走らさせてもらった。なにしろ私が全力で走るのは駅伝のときしかないのだから、自分の走力の実態を確認するためにもまた駅伝に出たいものだ。

 

| | コメント (3)

(22.3.1) トヨタは集団訴訟に耐えられるか

22226_019

 24日、米下院公聴会豊田章男社長が「世界のお客様に同じサービスを同じ深度で行う」と発言したことで、議会とマスコミを中心としたトヨタバッシングは峠を越した。

 今後はトヨタ社長の約束が本当に守れるかどうかの監視と、過去のトヨタの対応に問題がなかったかの検証に移ってきた。

 現在もっとも問題になっている争点は以下の4である。

① 米国トヨタが07年のリコールをマット問題に限定させ、約1億ドル(90億円)の費用を節約したというのは本当か(北米トヨタ社長稲葉氏への引継ぎ文書

② 急加速はマットやアクセルペダルの問題ではなく、電子制御システム(ETCS)の欠陥ではないのか(
ラフード運輸長官は調査を継続する事を約束

③ 07年以降のリコールや自主回収に遅れがなかったか(
不具合が見つかった場合は5日以内に当局に報告しなければならない

④ 03年から07年の間の訴訟において、トヨタは裁判所の命令に反して欠陥情報を隠していたのではないか(
元顧問弁護士ピラー氏の告発



 もし対応の遅れ不適切な対応ETCSに欠陥があったことが証明されると、法律違反となり最大で15億円の制裁金がかせられる。
しかし問題は15億円の制裁金ではなく、北米各地で提訴されている集団訴訟へのこの「法律違反の影響」にある。

22226_012

 米国の集団訴訟は日本の集団訴訟と異なり、裁判当事者だけでなく関係する全員に効力が及ぶという恐ろしい訴訟形式で影響の範囲はとてつもなく大きい。

 かりにトヨタ車保有者で裁判当事者Aに1億円の賠償金を払うことになれば、それと同様の状況にあるトヨタ車保有者に同額の補償をしなければならない。
トヨタ車は全米で年間200万台から300万台販売されているのだから、仮に200万台全員に1億円補償するとなると200兆円になり、日本のGDPの約4割に相当する金額となる。

 実際はこのような金額をトヨタとて払えるわけがなく、また集団訴訟では集団訴訟になじむかどうかがまず争点になるので、どこかで和解するのが普通なのだが、それにしても恐ろしい裁判形式だ。

 現在提訴されている集団訴訟の提訴理由は以下のようになっている。

① 改修でトヨタ車が一時的に使用できなくなった経済的損失を補填しろ。
② リコールで保有者のリセール価格が下がったので、その分を補填しろ。


 その他にも提訴しようとすればいくらでも理由がつく。

・急加速の恐怖感で精神的苦痛を加えられ病院通いを始めた。医療費を負担しろ。
・トヨタ車を保有している事がステータスだったのに、今では笑いものにされている。トヨタにだまされた精神的苦痛を補填しろ。
・トヨタの車が欠陥車であることの真実を隠蔽してきた。消費者に対する背任行為だ。


22226_018

 このように集団訴訟はなんでもくっつく膏薬のようなものだが、さらに輪をかけて恐ろしいのは社会的制裁という金額が加算されるからである。

 かつてマクドナルドコーヒーをひざにこぼして火傷を負った老婆がいたが、そのために皮膚の移植手術をすることになった。
このときの賠償金が20万ドル(約1800万円)だったのに対し、加算された社会的制裁金は300万ドル2億7千万円)だった。

注)その後上級審で示談を行ったので実際の金額は分からない。

 法律違反ということになれば、必ず社会的制裁金が加算されるから、金額はますます天文学的数字になってしまう。
これではGMと同様に、連邦破産法11条を申請して破産するほうがましだ」ということになりかねない。

 トヨタにとり北米市場は日本以上に重要な市場で、トヨタ売上げの約3割が北米だ。
しかしトヨタはここで制裁金の支払いだけのために、一生働き続けることもできないだろう。
裁判王国アメリカトヨタはこの裁判に勝つか、最低限有利にとり進めない限り北米市場を失うことは確実で、場合によっては破産法の申請をしなければならなくなる。



 

 

 

| | コメント (0)

« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »