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(22.3.26) 自由と検閲  Googleと中国政府の仁義なき戦い

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 Googleと中国政府の仁義なき戦いが始まった。06年1月Googleが中国で検索サービスを開始するに当たっては、「中国政府を刺激する内容の検索は自主規制する」との約束の下に開始した。

 当初は「天安門事件、法輪巧、チベット独立」と言った検索をブロックしていただけだったが、次々に検閲用語が増え、さらにGoogleの提供しているGmailの利用者で中国人権活動家のメイルが中国からサイバー攻撃されて、Googleが切れてしまった。

これでは自由と平等を標榜するインターネットの世界が崩壊してしまう
ついにGoogleは中国本土から撤退し、サイトの中心を香港に移してここから自主規制のない情報を提供すると発表した。

 中国は激怒して「一企業が国家主権に挑戦している」と声明を出したが、本当は「アメリカ政府の手先のGoogleが、中国に挑戦している」と言いたかったのだろう。

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 実はGoogle中国政府の戦いは、アメリカと中国の代理戦争だからだ。
Googleの中国進出は「トロイの木馬」だったと言える。Googleは中国政府の嫌がる天安門事件のような情報のブロックには協力したが、一方中国政府が何を検索しようとし、中国要人がGmailで何をやり取りしているかについては、慎重に調査をしてきた。
アメリカにとって21世紀の覇権を脅かす国は中国だから、中国情報の収集が情報機関の最大の課題になっている。

 アメリカはすでにイギリスと協力してエシュロンという諜報網を築いており、Google情報も当然このエシュロンによって把握されている。
中国政府はそのことに気が付いているので、Googleに自主規制させるだけでは情報漏えいが防げないと考え、独自に「万里の長城」と言うネット検閲・遮断システム構築した。

 この「万里の長城」の役割は、中国からの極秘情報の漏洩を防ぐと共に、中国国民が有害情報を検索するのを防ぐ役目を持っている。

 インターネットの世界は原則自由平等で情報が勝手気ままに飛び交うような印象を持っているが、実は違う。

 情報が通る主要回線はほぼ決まっていて、そこの回線に検閲サーバーを設置すれば、情報の遮断や検閲が自由にできるというのが実態だ。

 イメージ的には道路網とよく似ていて、たとえば東京から大阪まで自動車で行く場合はほとんどの人が、東名・名神高速道路を通る。
したがってここに監視カメラを設置しておけば事件が起きた時は、この監視カメラの映像をチェックすればいい。
もっとも犯人は中央高速を使うかも知れないので、そこにも監視カメラを設置する必要があるし、場合によったら国道一号線を通るかもしれないので監視網はだんだん細かくなっていく。

 中国の監視網はこの監視カメラの設置のように、回線にサーバーを設置することで整備されていった。

注)実際はそれでも抜け道を通る場合があるので、中国政府は中国で発売されるパソコンにグリーンダムという検閲ソフトを搭載するように各メーカーに要請したが、これはアメリカ等の反対で取りやめた。

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 中国が構築した「万里の長城」と言われる検閲・遮断システムはその名の通りほとんど鉄壁のシステムといっていい。
よく「天安門事件」と言うような検索を行っていて、検索速度が急に遅くなったりするのはこうした検閲ソフトが動いているからだと言われている。

注)個人のパソコンでもウィルスバスターが動き出すと急にパソコンの動作が遅くなる。

 アメリカはGoogleを利用して中国国内の情報をエシュロンで収集しては分析してきたが、最近中国政府の検閲・遮断システムが高性能になってきて、中国情報をGoogleの検索・メール網で把握することが難しくなってきた。

まずい、これではGoogleが無料で検索やメールを提供している意味がない
アメリカ政府と図って一旦撤退することにして、今度は政府間の通信の自由の問題として取り上げることにした。

 米通商代表が中国政府の検閲問題についてWTOに提訴を検討すると言っているのがそれで、このままでは「トロイの木馬」が単なる木馬になってしまうからだ。

 しかし中国の検閲システム網の整備には驚いてしまう。かつてインターネットが普及すれば中国も世界の情報を平等に知ることができて普通の国になると言われていたが、実際はますます情報鎖国の国になってきた。

 Google中国政府仁義なき戦いの第一回戦は、中国政府の検閲システムで押し戻され中国の優勢勝ちのようだ。

 

 

 

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コメント

■Gmail不正ログイン警告機能―もうすでに警告が出ました!!
こんにちは。最近、中国からのGoogleユーザーに対する検閲が話題になっていますね。Googleは、中国からの検閲を牽制するためもあってか、Gmail不正ログイン警告機能を強化しました。これに関して私は、この発表の一週間ほど前に、すでにこの機能をのことを知っていました。そうです、中国に対する批判の記事をしょっちゅうブログに書いたり、中国本土の人々と頻繁に連絡をとる私には、もうすでにそのときに警告が出ていたのです。Googleは時々何の知らせもなく、新たなサービスを導入するので、びっくりすることがあります。これも、その例の一つで、いきなり何の前触れもなく警告をみたときにはびっくりしました。でも、この警告機能がついたおかげで、安全に使えるようになり、ますます便利になったと思います。私のブログでは、警告がでたときにどのような対処をしたのかなど掲載しました。詳細は是非私のブログを御覧になってください。
http://yutakarlson.blogspot.com/2010/03/gmail.html

(山崎)記事を読ましていただきました。とても参考になりました。ありがとうございます。

投稿: yutakarlson | 2010年3月26日 (金) 13時34分

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