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(22.3.15) 農地法と民主党輿石(こしいし)参議院会長のせこい脱法行為

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 日本の農地法ほど魔か不可思議な法律は存在しない。法律そのものは非常に厳格で罰則規定もばっちりあるのだが、違法な農地転用が絶えず、しかも違反したからと言って実質的にペナルティーが科されることがほとんどない。

 休耕田のような耕されていない農地を、宅地業者が資材置き場として使用する申請を農業委員会にだし、許可されるといつの間にか地目変更宅地として売る出すのがほとんどだ。

 農業委員会は一旦農地を資材置き場として使用許可した後は、ほとんどの場合チェックをしないので、農地はこうして次々と宅地や駐車場やファミレスの敷地に変わっていく。

注)農地法が09年度に改正され、宅地業者が違反転用(資材置き場を宅地に変えるような例)した場合は最高1億円の罰金を支払うことになった。ただし、この罰則が実際に適用されることはほとんどない。

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 農水省によると08年度の違反転用の件数は8197件で広さは566ha東京ドーム121個分だと発表したが、こうして毎年農地が減少していく。

 実は農地と言っても法的には2種類あり、①振興地域整備法対象の農地(農振農用地というと、②それ以外の農地に分けられる。

 「農振農用地は食料安保の視点から農水省が絶対に譲れないとしている農地であり、実際に農業振興地域に指定されると、農地以外の使用ができなくなる。
一方「それ以外の農地」は実質的には転用が自由に認められている農地と思えばいい。

 実は農水省と地方自治体の間には基本的な対立があり、このことが農地法の取扱を複雑にしている。

 農水省は食料安保の視点から農地を何とかして守ろうとするが、一方税収不足に悩まされている地方公共団体は農地を宅地にして固定資産税と相続税の確保を図ろうとする。
それ以外の農地」が農地法の建前では転用ができそうにないのに、実際は簡単に転用されているのはそのためである。


注1)農地の場合は宅地の100分の1程度の固定資産税しか確保できない。はっきり言えば農地の固定資産税はほとんどタダ。

注2)また2ha以下の農地転用許可は知事の権限でできるので、農水省の意向を無視して対象農地が簡単に転用許可される。


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 今回の輿石東こしいし あずま)議員の場合は、住宅地として使用した1298㎡のうち、779㎡がこの農振農用地で、農地以外の使用が禁止されていたが、そこを車庫や舗装路として使用していた。

注)正確に言うと1298㎡のうち、969㎡が農地で、さらにこの中で779㎡が農振農用地

 この場合の問題点は二つあり、① 農業委員会に宅地への転用許可の申請をしていなかったこともっともしても農振農用地の場合は許可されない)、② 地目が農地であったため、固定資産税がほとんどゼロになって、実質的に脱税をしていることである。

注)輿石氏の農地を宅地並み課税をすると約8万円程度。この場所を約20年間使用していたので脱税金額は160万円程度。

 ①については、転用できないことを知りながら宅地として使用した確信犯的行為であり、については実質的な脱税行為だから、民主党参議院会長としては不見識だといわれても仕方がない。

 もともと輿石氏は元教員で、日教組の山梨県連が押す日本社会党の衆議院議員だったのだが、その後民主党に移り参議院議員となり、民主党参議院のドンになった人である。
現在は民主党の重鎮(幹事長代理)の一人だから、こうした脱法行為は即民主党のイメージ悪化につながる。
先生が脱税しちゃずるいや」というところだ。

 輿石氏は「農業委員会の指導に従う」と言っているが、新聞報道された後の事後処理との印象は免れず、「知られなかったら脱法行為を続けていただろう」と世間は見るはずだ。

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 このところ民主党の人気低落はなはだしい。小沢幹事長鳩山総理政治資金問題鳩山総理の普天間基地移設に対する判断喪失岡田外相の日米同盟に対する幼児外交、そして今回の輿石参議院会長の農地法無視と脱税事件、こうしたすべてが国民の民主党に対する信頼喪失につながっている。
民主党は自民党以上に金に汚く、かつ判断能力が欠如しているのではないか・・・・・・・

 当初、この5月の参議院選挙で圧倒的に有利だった民主党が、今では過半数を取る目はなくなっている。最も自民党も分裂状態だから、どうやら参議院選挙後は大々的な政界再編成が行われる公算が強くなってきた。

  

 

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