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(22.3.12) 岡田外相の幼児外交と民主党の将来

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 岡田外相の外交センスについて、どう判断したらよいのだろうか。

 普天間基地移設問題ではありえない嘉手納基地への移設を提唱し、クリントン国務長官とサシで話し合うとして一人でアメリカに飛び立とうとしたり、鳩山総理が「移設問題はまったく白紙の状態で考える」と言っているそばから、「(これでは)普天間基地をそのまま使用するほかに道はない」と軽率な発言をする。

 今度は日米間の密約を暴露するといって外務省の尻をたたき、当初は1月末までに報告を上げさせることにしていたが(もう取りやめたのかと思っていたら)、この3月11日有識者委員会から核持込について報告が出された。
報告書では「核持込について日米に暗黙の合意ができ、広義の密約があった」との報告だったが、それをうけて岡田外相は有頂天になっていた。

自民党政府の「事前協議がないため核搭載艦の寄港・通過はなかった」という説明は誤りで「核の持込がなかったとは言いきることはできない」というのが真実だという。

 私はこの岡田外相の発言を聞いてあきれ返ってしまった。理由は二つある。

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 一つ目は「外交に密約はつきものでないほうがおかしい」というのが常識だからだ。
外交文書が両国民を納得する形で締結できることはまれで、どちらも不満を残す。

 今回の日米安保条約改定時の「核搭載艦の寄港・通過」においてアメリカ側からしたら日本に立ち寄るたびに核を取り外すことなどできるはずがない。
もし本当に日本に立ち寄るときに核を取りはずしたら、敵国(ソビエトや中国)にとって、米艦船が最も多く日本に寄港したときが先制攻撃の最大のチャンスになる。

 核抑止力とは反撃ができる能力なのだから、日本に停泊している米艦船はまったく抑止力を持っていないことになり、敵から見たら海に浮かんだ鴨のようなものだ。
だから絶対に米艦船が核を取り外して寄港することはない。

 一方日本側からすれば唯一の被爆国で核アレルギーが世界で最も強い国なのだから、「米艦船は当然に核を搭載してます」なんて国民に説明できない。そんなことをすればすぐに選挙で負けてしまう。

 だからこの問題は密約レベルとして大人の判断で自民党は核搭載艦の寄港を黙認してきた。
これ以外の方法はないからだ。

 私が岡田外相に不満なのは外交に密約はつき物であり、密約があったからと言ってそれが善悪の対象にならないのに、あたかも密約があったことが悪だと思っているからである。
暴露した俺が正義で、隠した自民党が悪だ
しかし、そんなことはない。

注)密約が悪だと思われているのは日本ぐらいで、特に外交の先進国であるヨーロッパでは密約は政治の一つの側面と、大人の判断をしている。

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 二つめはこの岡田外相のこの密約暴露で鳩山政権が窮地に陥ってしまったことにある。
鳩山総理はいつものように平然と「非核3原則はこれまでどおり。日米関係に影響を与えないように対処することが大事だ」とコメントを述べたが、自分でも何を言っているのか分からなかっただろう。

 岡田外相は密約の存在をすっぱ抜き、「今でも核搭載艦は核を搭載したまま寄港している」と実質的に言っているのに、「非核3原則はこれまでどおり」では従来の自民党政権の説明と同じではないか。

 本当に鳩山政権非核3原則を守るのであれば、寄港する米艦船に乗り込んで実査をする以外に方法がない。
もし実査をしないのであれば、従来の自民党政権と同じように「事前協議がなかったのだから核持込はなかったと信じている」と答弁することになる。

 この岡田外相と鳩山総理の閣内不一致はほとんど危機的だ。
鳩山政権は自民党の歴代首相を国会に呼んで証人喚問をするといきまいているが、私なら鳩山首相を国会に呼んで「なぜ現在非核3原則が守られていると言い切れるのか」と聞くところだ。

 わが国は岡田外相幼児外交によって、日米間の亀裂をさらに深かめようとしている。
鳩山総理普天間基地問題で自己決定能力を失い、今度は岡田外相が日米安保条約の根幹にあるタブーに挑戦し、それを白日の下にさらしたと騒いでいる。

 私は岡田外相の外務大臣としての資質はかつての田中真紀子外相と同じで、歴代外相の中で最低のクラスに位置すると思っている。
この岡田外相スタンドプレーは日本の安全保障を危うくすることだけでなく、民主党の自己矛盾を拡大して、民主党そのものの政権担当能力も失うことになるだろう。

 

 

 

 

 

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コメント

岡田氏がそこまで拘る思考がさっぱり想像(理解?)できない・・・。
核武装の解除を強制し、もし攻撃されたとしても、元から核がないために放射能被害を未然に防げるというのはありますが。
その前に監視衛星などの防諜技術で攻撃の意向を察知して攻撃されないように立ち回るのは可能?

投稿: 横田 | 2010年3月12日 (金) 15時09分

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