(22.2.5) 鳩山政権は5月末を乗り切れるか 普天間基地問題
はたして鳩山政権は5月末まで持つのだろうか。私ならずともそう思うはずだ。
なにしろ普天間基地移設問題にかかる政府内部のごたごたは目に余る。
よく政治の世界では「内閣不一致」と追求されて担当大臣が首を切られることが多いが、鳩山政権では誰が何を言おうとまったく問題にされない。
「みんな仲間だ友愛だ。言いたいことを言おう」首相の権威はほぼゼロだ。
しばらく前までは北澤防衛相が辺野古への移設しかないことを強調すると、岡田外相が嘉手納基地への移設を交渉すると言い出し、小沢幹事長は南海の孤島がいいという具合で、まったく政府としての一貫性はなかった。
これではあまりにひどいということで、平野官房長官を移設問題の専担にして窓口の一本化を図ったが、名護市市長選挙の「移設反対派市長誕生」の結果を「一つの民意だが、新たな移設先を検討する上で斟酌しなければならない理由はない」といったので名護市民と社民党の怒りを買ってしまった。
ここでまた思いつきでものを言う岡田外相が「ほかに候補地がなければ普天間が今のままでありうる」と言ったので火に油を注いでしまった。
確かに「ほかに候補地がなければ」普天間がそのまま継続使用されるのは誰の目にも明らかで、単なる常識を言ったに過ぎないのだが、宇宙人鳩山首相が「移設先が普天間に戻ることは基本的には選択肢ではない」と行っている手前、この内閣不一致はひどい。
注)私は岡田外相はかなり資質に問題があると思っている。ありえない嘉手納基地への移設を持ち出したり、日米密約を1月末までに公開すると大見得を切って公開をしなかったりして、アメリカからは完全に無視されている。
しかし鳩山首相は一体どんな戦略の下に5月末までに移設先を確定するつもりなのだろうか。いくつかの選択肢がありそうだ。
(一体どこに決まるのだろうか? 熱帯魚が心配している)
① 名護市辺野古を移設先とする。
移設をするとしたらここしか場所がないのだから、他に選択肢はない。
ただしこの場合は名護市民の民意を無視したと言うことと、社民党の反発を受け社民党は連立政権を離脱するだろう。
5月末であれば予算案が通過しているか参議院で審議されている段階だが、予算は衆議院に優先権があるので、社民党の離脱は国会運営には支障はない。後は7月の参議院選挙で勝利すれば社民党とは完全に手が切れる。
② 移転先がなくて普天間基地を継続使用する。
辺野古への移設を沖縄県民の民意として選択肢からはずせば、残りは普天間基地の継続使用しかない。
ただしこの場合は鳩山首相が「普天間の継続使用はない」と説明してきた手前政治責任を問われる。5月末で鳩山政権は総辞職に追い込まれるだろう。
③ 南海の孤島のような場所に移設できるというそぶりを見せる。
本当は何も決断しないのと同じだが、時間稼ぎができる。アメリカが了承しないのは当然だが「アメリカを説得できる」と強調して、岡田外相に交渉させる。
7月の参議院選挙で民主党が過半数をとれば社民党を閣外に去らせ、「交渉してもダメだった」と言って辺野古への移設を決定する。
はたしてどのような選択になるだろうか。政治は一寸先が闇だからどのようなことがあっても驚かないが、上記の3ケース以外は思いつかない。
注)上記の3ケースはすべて参議院選挙で民主党が過半数を取れるとの前提で考えているが、私は過半数は取れると思っている。
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