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(22.2.22) トヨタバッシングは政治的罠 

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 トヨタ自動車のリコール問題技術的問題ではなく、政治的問題である。
そのことを理解しない限りこのトヨタバッシングは収まることはない。
なぜアクセルペダルの問題がこれほどまでに急拡大したかは、オバマ政権が意図的に拡大させているからだ。

 アクセルペダルが戻りにくいとの指摘は07年3月に米国でタンドラ(フルサイズ ピックアップトラックでされていたが、当時はブッシュ政権でこの問題が大きく報道されることはなかった。

 その情勢が急展開したのは09年8月レクサスの暴走で4名の死亡事故が発生したからだが、この事故を契機にアメリカは政府とマスコミをあげてトヨタバッシングに邁進した。

 オバマ政権にとっては今や緊急の課題は政府直轄会社となっているGMの再生にある。なにしろ再生できなければ政府がGMに投じてきた約5兆円の税金が返済されないし、約30万人といわれるGMの社員が路頭に迷い失業者になってしまう。
民主党にとって工場労働者こそは最も頼りになる票田なのだから、これを失うわけにはいかない。

 オバマ政権は道路交通安全局を使い、このレクサス問題を使って徹底的なトヨタ追及のキャンペーンを始めた。
当初はフロアマットの問題とし、次にアクセルペダルの問題ではないかと難癖をつけ、約800万台のリコール・自主回収をさせたあと、さらに現在はトヨタは欠陥問題を隠蔽したとの嫌疑をかけている。

 なにしろ法的には「すべての自動車メーカーは安全上の欠陥を確認した場合、5日以内に当局に報告し、速やかにリコールを行う法律上の義務がある」のだから、この規定から逃れるすべはない。
オバマ政権がその気になればトヨタを欠陥問題でアメリカから永久追放することができる。

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 トヨタからありとあらゆる資料を提出させたが、その資料の中に少しでも欠陥問題があれば際限なく追及できるからだ。
いいか、たたけば誰でも埃はでる。すべて欠陥問題につなげろ。倒産するまでトヨタを追求しろ

 トヨタにとっての誤算は、欠陥車問題が技術問題ではないことを早くから見抜けなかったことだ。
GMが倒産し、GMトヨタが共同出資していたNUMMIからトヨタが撤退したのは09年6月だったが、この決定は経営的には当然としても政治的には最悪だった。

 カリフォルニア州にあったこの工場には約4500人の労働者がいたが州政府の懇願を無視するようにトヨタGMと手を切り失業させた。
これでトヨタのアメリカでの保険は切れてしまった。
よし、それならトヨタをたたくことがGMの再建につながるオバマ政権はそう決意したようだ。

 それ以降のオバマ政権のトヨタ追求は何をトヨタが対応しても「ダメ」というもので、この24日に公聴会でトヨタ社長豊田章男氏がどのように技術的な対応を約束しても追求が止むとは思われない。

 トヨタにとって今最も必要な認識は、これが政治問題であって技術問題ではないと覚悟をきめることである。そうすれば反転攻勢の対応方法が見つかる。

① トヨタにとっての最後のよりどころはアメリカにある4工場、関連する従業員約17万人であり、こうした人々の雇用を守るのがトヨタの役割であることの重要性を指摘する失業問題はアメリカの泣き所で、この4つの工場のある州にとってはトヨタのほうがGMより重要)。

② フォード、GM等の欠陥隠しに相当するような案件を探し出し、欠陥問題はトヨタだけでなく自動車メーカー共通の課題だということを分からせる日本の事例では西松建設からの政治献金問題で当時の小沢代表が追及されたとき、自民党の二階俊博経済産業相も同様にし西松建設から献金を受けていたことをすっぱぬいた方法)。

 ブッシュ政権は外向きのグローバル政権だったから、経営に失敗したら国内・国外を問わず市場から撤退するのは当然だとのスタンスで、特にトヨタを狙い撃ちすることはなかった。
しかしアメリカの民主党は完全に内向きの政権で、国内の労働者を助けるためには外国企業を槍玉に挙げることに躊躇しない

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 内向き政権がどのような対応を取るかは日本の民主党を見ても分かる。
日本では普天間基地問題でアメリカとの間で辺野古に移設することを確約したのにかかわらず、そうした約束はないかのように再検討をはじめた。
住民の意志が大事なのです。アメリカとの約束などくそくらえだ

 このオバマ政権トヨタ鳩山政権普天間コインの表裏であり、いずれも外国の犠牲の上に自国産業を再生させたり、沖縄住民の負荷を軽減させようとしている。

 内向き政権同士の妥協の余地は少ないブッシュ政権自民党政権ならこうした場合はアメリカのトヨタと日本の普天間をバーターに政治決着を図ろうと動いたはずだが、あいにくと内向き政権同士のチキンレースになってしまった。

注)共和党議員にトヨタバッシングの不公平さを指摘してもらう手はあったのだが、共和党は普天間基地問題で頭にきており、共和党系のマスコミ、ウォールストリート・ジャーナルも敵に回ってしまった。

 トヨタのリコール問題は政治問題であるがゆえに、政治的解決をしなければトヨタバッシングが収まることはない。
若いトヨタの社長はGMとの提携を解消するという判断ミスで、800万台のリコール・自主回収の嵐に巻き込まれてしまった。

 さらにオバマ政権はトヨタを倒産させようとしている。今はトヨタの米従業員17万人だけがトヨタの味方だ。ここをてこになんとか巻き返しを図ってもらいたいものだ。

   

 

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