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(22.1.3) 2010年 日本経済再生の処方せんは

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 元旦の毎日新聞新春座談会と銘うって、「日本経済再生の処方せんは」という題目で、勝間和代氏、田中直樹氏、浜矩子(のりこ)氏が対談をしていた。
私は勝間氏の「デフレ脱却論」も田中氏の「投資メカニズム」に期待する論も、まったく賛同できなかったが、浜矩子氏の「右往左往」論には笑ってしまった。

 要するに10年度も経済はまったく安定せず「右往左往」すると言うのが氏の論で、「日本経済再生なんて夢のまた夢だ」というのである。
私の感覚と一番あっている。

 氏はその軽妙な語り口で読む人の心を引き付けてしまう独特の才能が有るが、私が氏に注目したのは「リーマンショックにいたるサブプライムローンバブルの一番の責任は日本にある」と言っていたからである。

 当初私は氏が何を言っているのかさっぱり理解できなかった。
日本じゃないだろう。アメリカの投資銀行やヘッジファンドの強欲のせいじゃないのか・・・・・、サブプライムローンのような回収不可能な債権をもとに証券化を図るからいけないんだ・・・・

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 氏はそうでないという。氏の論は以下のように展開されていた(説明は分かりやすいように私の言葉で置き換えてある)。

① 21世紀に入り、日本が6~7年におよびゼロ金利政策をとってきた。これは主観的には日本経済の低迷を何とかして資金面で支えようとしたもの。

② しかし実際は国内に資金はとどまらず、ほぼゼロ金利で円を借りて、高金利の他通貨で運用するビジネスモデルが定着してしまった。

③ アメリカの投資銀行やヘッジファンドの資金もこの日本の資金を主に投資活動を行っていたのであり、それがりーマン・ショックまで続いた。

④ 日本の資金が海外に出て行ったため、為替相場は円安になり1ドル120円程度で推移し、これが日本の輸出産業を潤し、輸出主導型の景気回復につながった。

⑤ しかしリーマンショック後は、各国が政策金利を一斉に下げ、日本の金利と差がなくなってきたことから、海外に出稼ぎに行っていた円が怒涛のように回帰してきた。

⑥ たちまち円高になり1ドル90円となって、日本の輸出主導の景気回復モデルが崩壊し、世界にまれに見るGDPの落ち込みにつながった。リーマンショックで日本が一番影響を受けたのは日本がもっとも多くのバブル資金を供給していたからだ。


 私は氏の論旨を聞いて驚いてしまった。金融緩和には信じられないような副作用があることを氏の指摘で知った。
実際、金融の世界の膨張はすさまじく、たとえばディリバティブの規模は世界全体のGDPの約3倍はあるといわれている。

これじゃ、実体経済をいくら分析しても、世界経済の動きが把握できないはずだ
金融が経済を動かしており、経済が金融を動かしているわけでない。

 浜氏の10年度の予想は明確だ
デフレが続き、ドルは価値を下げ、金融は再び大暴走をする
08年のリーマンショック再現するという。

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 実は私は昨年の1月3日に09年度の予想をブログに掲載したのだが、この中でもっとも当たらなかったのはアメリカ、中国、西欧、そして日本が行った低金利政策と金融の大幅緩和の影響だった。
いくら金融を緩和しても実体経済が悪いのだから金の借り手などおらず、お金は金融機関に滞留するだけだ

 しかし実際はアメリカや中国の資金が株式、不動産、金、プラチナ等に流れ、原油価格もバブル以前のような上昇をはじめてしまった。
特に中国やインド、ブラジルといった新興国はバブル状態だ。
なんということだ、リーマン以前と変わらないじゃないか・・・・

 氏は言う。「だから言ったじゃないの、低金利政策を長く続けると強欲な連中がその資金を利用してバブルゲームをするのよ

 氏の論旨を私なりに解釈すると、今必要なことは、金融を引締めバブルが再発しないように資金供給を絞ることになる。
そうすると国内経済が低迷すると心配する人がいるが、もともと国内経済が活況を呈することなどほとんど起こりえない。

 日本は成熟した高齢化社会でこうした社会では需要は増えない。なにしろ老人人国が毎年増え、一方若年人口は減少するのだからモノに対する欲求は毎年低下する一方だ。

 だから金融緩和を行っても国内投資はされず、一方バブル資金が世界を徘徊して悪影響だけが残り、日本経済にはなんら利益をもたらさないというのが、氏を読んだ私の感想だ。

 

 

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評論 日本の政治・経済」カテゴリの記事

コメント

今年も、子供は見捨てられたままですか!
 不登校、退学者20万人、精神疾患休職教員5400人。こんな学校に通えば、ひきこもり、ニート、失業者となり、四万人の自殺者が出るのは当然です。
日本国民は、なぜこんなデタラメ教育を許しておくのですか。子供の不幸を見て見ぬふりする堕落した日本人こそ、自民党・官僚政治の愚民化政策が作り出した愚民です。
教育現場から、愚民化教育のおぞましい実態を詳細に暴露したのが「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)です。時代錯誤の文科省官僚は、この知識時代に愚民化教育を行い、若者を貧窮させ、犯罪に走らせ、国家衰退を作り続けています。
これは、薬害エイズや薬害肝炎を起こした厚労省官僚を越える大罪です。悪徳官僚への恨みと呪いの声が、親や教師から聞こえてきます。うらめしや、うらめしやと。
今年こそ親たちは目を覚まし、子供を救うために立ち上がるのでしょうか。それとも、薬害肝炎やエイズ、原爆症患者、沖縄と同じに、日本人は子供を見捨てるのでしょうか。

投稿: 大和 | 2010年1月 3日 (日) 08時46分

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