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(22.1.21) 日本のありようが変わる  JALの会社更生法申請

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(JALの倒産とは一体何だったのだろうか?)

 今日(20日)の新聞はJAL会社更生法申請のニュース一色だ。毎日新聞などは1面、2面、3面、5面、8面にかけてJALのニュースばかりで、いかにこの倒産が大きな社会的影響があるか分かる。

 確かに負債規模2.3兆円事業会社としては過去最大規模だから当然と言えば当然だが、一方でこの倒産は日本と言う国のありようを変えるインパクトを持っている。

 航空業界は1990年代の航空自由化によって格安航空会社が新規参入するようになり、いわゆるメガキャリアが軒並み経営悪化に見舞われた。
また航空機を狙った同時多発テロやインフルエンザの発生の都度需要減に悩まされていた。

 いまや航空業界は構造不況業種なのだが、一方でかつての華やかなイメージがあり、JALもナショナル・フラッグとしての誇りで経営を維持してきたといえる。

 今思えばJALはもっと早くに、不採算航空路からの撤退、労務費の引下げ、ジャンボ機の売却等需要に見合った縮小路線をとるべきだったことが分かる。
しかしそれがどんなに困難かは、つい最近まで国交省、金融団、JALの経営者と労組が縮小路線に反対し、政府資金政策投資銀行の融資)で何とか現状維持を図ろうとしたことでも分かる。

注)自民党政権下においても、また民主党政権下の国交省のタスクフォースにおいても合理化計画は検討されていたが、いづれも本気ではなく国から資金を引き出すためのパフォーマンスだった。

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この程度の影響が世の中にあるかしら??) 

 実際一旦大きくなった組織でかつJALのように栄光に包まれていた企業が自らの努力で縮小均衡を図ることは並大抵のことではない。
たとえば不採算航空路から撤退しようとすれば、JALあるいはその子会社)しか航空路をもたない地方空港にとっては死活問題だ。

 自治体の長やその地方の国会議員、空港会社に天下りをさせている国交省や地方自治体が大反対の合唱をあげることは確かで、JALが国交省の後押しでかろうじて生きながらえてきた時に、国交省の威光に逆らえないのは当然のことだ。

 前原国交相国交省のスポークスマンとして昨年までは何とか私的整理でごまかそうとしていたが、ようやくここにきて腹をくくったと見える。
国際線の2社体制が適切かどうかを検討する」と言いだし、また「国が無理やり公共性の名のもとにJALに不採算航空路を押し付けてきた」と反省の弁を述べたからである。

注)特に02年にJALは地方航空路中心で赤字に悩んでいたJASを統合したが、これは国交省の航空行政失敗の責任をJALに押し付けたものだ。

 前原国交相もことの本質が分かってきたらしい。
国際線2社体制が不可能なのは、現在世界中のメガキャリアが赤字に悩まされており、08年の国際航空運送協会加盟社(世界のメガキャリアがはいっている)の利益は1.5兆円の赤字、09年も1兆円の赤字が見込まれ、飛べば飛ぶほど赤字が膨らむ構造になっているからだ。

 また、地方空港が成り立たないのも当然で、ほとんどの地方空港が赤字に悩んでいる。
もともとありもしない需要をでっち上げて、かつ特別会計をいいことに空港整備をしてきたがこれで利益を上げたのは建設会社とそれにたかった政治家だけだ。
飛行機なんてどうでもいいんだ。滑走路と管制塔をつくれば俺たちの仕事は終わりだ。あとはカラスでも遊ばせておけ

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いや、こんなに大変なんだ!!!!)

 従来の日本のありようが今JALの倒産で変わろうとしている。
地方空港は閉鎖に追い込まれ、建設会社は飛行場の建設需要がなくなり、国交省や地方自治体は空港会社への天下りができず、政治家には企業献金が入ってこなくなる。

日本と言う組織は既得権益の集合体のようなものであり、それゆえ自らの改革はほとんど成功せず、倒産のようなドラスティックな事件がおきてはじめて改革ができる。

 JALの倒産は事業会社としては過去最大規模であり、かつJALは長い間日本の象徴でもあった。
そうした意味で日本最大規模の既得権益構造が崩壊したことになる。

 これからわれわれはJALに絡まる既得権が一つ一つ失われていくのを見て、「こうして社会のありようが変わるのか」とため息をつきながら歴史の変革期を認識することになるだろう。
JALの倒産は日本のありようの倒産でもあるのだ。

 


 

 

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