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(22.1.14) 魁皇の偉業と大相撲人気の低迷

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 大相撲初場所3日目に、大関魁皇が幕内最多の808勝という金字塔を打ち立てた。横綱には今一歩のところでなることができなかったが、この記録は相撲史に残る快挙といってもいい。

 私は3日目の相撲を見ていたが、引退間際の千代大海を豪快に右手の送り投げで投げ飛ばしていた。
勝ったとたんどことなくうつろな目をしていたのが印象的だった。

200pxkaio_hiroyuki_2008_may1_2  私は小さい頃からの相撲ファンで、特に「巨人、大鵬、卵焼き」の頃は毎日のように取り組み結果に一喜一憂したものだ。
その後も千代の富士の連勝記録に胸をおどらせ、若貴時代の貴乃花の強さには目を見張った。

 今思えば若貴時代が大相撲人気の最盛期にあたり、満員御礼が当たり前の状況だった。
私は一度は国技館で相撲を見てみたいものだと思い、2階の椅子席のチケットを購入したのだが、そのチケットを購入することも大変だったのを覚えている。

 しかし最近の大相撲の人気低落現象は目を覆うばかりになってきた。魁皇が808勝した両国国技館の升席は、土俵際はともかく中ほどから後ろにかけては人がまばらで、2階の椅子席などは閑古鳥が鳴いていた。

 大相撲初場所といえば観客がもっとも多い場所であり、それがこの有様では力士も力が抜けてしまうだろう。
私は引退の身だからいつも時間が自由で相撲放送も良く見てきたが、地方場所、特に九州場所の不人気は群を抜いている。
升席もガラガラと言って良く、あまりのひどさにチャネルを変えてしまうことがある。
これでは力士がかわいそうで見ていられない」そんな気持ちだ。

 大相撲の人気が低迷し始めたのは、若貴時代が終わり日本人力士が横綱になれなくなってからである。
横綱の白鵬、朝青龍はモンゴル出身だし、大関で横綱を狙える日馬富琴欧州も外国人だ。当面日本人横綱は期待できない
ご当地の強い力士いなければ地方場所は沸かないのは当然だし、日本人横綱がいなければ国技館にも人は来ない。

 かつては野球と人気を二分していたのに、今は足元にも及ばない。私のように相撲好きでも力士の名前は上位力士と高見盛のようなパフォーマンス力士しか知らないのだから、一般の人が相撲に興味を持たないのも致し方ない。

 相撲協会も危機感を持ってそれなりの対応をしてきたが、観客増員に必ず結びつく興行時間の変更にはなぜか消極的だ。
なにしろ大相撲は6時で終わるのだが、休日を除きこの時間帯にテレビで観戦したり、国技館に来れるサラリーマンなどいない。

 サッカーなどは祭日を除いて7時から開始だがこれは観客の時間の都合を考えた時間設定をしているからだ。
大相撲が6時で終了しても観客が動員できたのは、かつては升席を企業が買い取り接待に使用していたからである。

 日本的慣習では接待は仕事の一部で接待するほうもされるほうも仕事と思って大相撲を見ていた。しかしそれも日本企業に余裕があった90年代半ばまでで、その後各企業は接待禁止を前面に打ち出し、無駄な費用の削減に乗り出した。
注)この頃から金融機関も旧大蔵省の役人を接待することをしなくなった。

 この影響をもろに受けたのが相撲協会で、収入は大幅に減少し回復のめどが立たない。
注)資料がちょっと古いが、00年82億円から04年55億円に相撲協会の収入は減少している。

 本来は接待顧客の減少を穴埋めするためには、一般のサラリーマンを対象としたスポーツに代わるべきなのだが、そのためにもっとも大事な時間帯の変更に消極的だ。
注)NHKが時間変更に反対していると聞いたが、本当のところは分からない。

 アントニオ猪木が「メインが18時より以前にあるスポーツがどこにあるんだ」と笑っていたが、至言である。
日本のGDPが縮小していく中で接待文化が衰えることは確かなので、新たな顧客層の開拓に乗り出さない限り観客数の減少は止まるところを知らないだろう。

 さすがに貴乃花親方が危機感を持って理事に立候補したが、この立候補を伝統に反するといって反対しているのが身内の親方たちであるので、改革はなかなか難しそうだ。
注)二所一門の理事の割り当ては3名だが、貴乃花が立候補したため4名になって、従来の無投票の慣習が崩れた。

画像はWikipediaより転写

 

 

 

 

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