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(22.1.10) JALの再建 国交省敗れたり

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 JALの再建はすったもんだした挙句に、法的整理で決着することになり、この19日にも会社更生法を申請して倒産すると言う。
国交省、JAL、金融機関の既得権益連合は最後まで私的整理で国から資金を引き出し、結果的には損失を最小限にして逃げるつもりだったが、財務省に首根っこをつかまれとうとう白旗を揚げた。

 国交省としては旧運輸省の時はもっとも華やかな天下り先だったし、JALはいかに経営が苦しくともナショナル・フラッグの名誉にかけて従業員には高給を保証し、赤字の地方航空路も維持したかったし、銀行団は今までの融資金の回収をなんとしても図りたかった。
それになにより国交省としてはJAL倒産の責任を追及されることがつらかった。

 だからこの3者が手を携えて、私的整理でなんとか自分たちの利益確保に走ったのは当然のことといえる。
国の資金で食い逃げをしよう

 峰崎副財務相前原国交相の怒鳴りあいがそのことを象徴的にあらわしている。
日航は法的整理をして、国際線は全日空に譲渡するのが一番だ

それはお前が決めることではない

金を出すものの責任で言ってるんだ

 さすがに財務省は、かつて官僚の中の官僚といわれていただけあって、個別の利益集団より国全体の利益で物事を判断している。
さらに菅副総理が最近財務相を兼任したことで法的整理は確定した。
昨年、菅副総理は前原国交相が、政策投資銀行からの融資約1000億円を受けるにあたって政府保障をつけようとしたときに、一喝して反対した。
中小企業ならば政府保証など受けられない。政策投資銀行は無保証で貸し出せばよい

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 これで、政策投資銀行を通して資金供給を受けようとした前原国交相の戦略は頓挫した。政投銀が無保証でこれ以上融資はできないと言い出したからだ。
後は昨年10月に発足したばかりの企業再生支援機構の援助を受けることしか方法がなくなった。
外堀が埋められたわけだ。

注)財務省は政投銀に融資を断らせ、再生機構からの支援しか残されないように国交省を追い込んだ。
政投銀も再生機構も財務省の別働部隊だ。


 なぜ財務省が企業再生機構を使おうとしたかは、再生機構による徹底的な財務内容の精査ができるからである。
日航には隠された負債がある。これを明確にしないで支援をすれば、数年後に同じ問題が再発する

 実際再生機構の精査で、実質的な債務超過が約8000億円と試算された。つい3ヶ月前の国交省のタスクフォースの債務超過の見積もりが約2500億円だったのだから、一変に3倍強も増えてしまった。
ほれ見ろ、国交省に任せておくと損失を隠蔽する

 財務省が再生機構を使う2つ目の理由は、「3年以内に支援した融資金や株式を売却して回収を図らなければならない」からである。
そのためには法益整理を行って、膿をすべて出してもらう。そうでなければ再建なんかできるはずがない

 少し考えてみれば法的整理以外方法がないことが分かる。
不採算路線国内・国外あわせて50路線の廃止や、金融機関に対する約7000億円の債権カット、従業員の1万人のリストラ、企業年金の約44%のカットなど私的整理でできるはずがない。

J ALが倒産することによって、こうした既得権益が一旦すべてチャラになり、裁判所の元で新生JALと再契約をしてはじめて実施可能な措置だ。
今までのJALはもうありません。新生JALは別会社です。経営者も代わりましたし既得権などというものはありません

 考えてみればJALも不幸な歴史をたどったものだ。なまじ国策会社だっただけに旧運輸省に格好の天下り先を提供し、地方空港ができるたびに政治家から無理やり不採算段路線を開設させられ、従業員は親方日の丸とナシャナル・フラッグ意識で高給を要求し、金融機関は倒産しない資金需要の多いいいお客として高金利での融資ができた。

 いわばみんなでJALを食い物にしていたのだが、それも日本経済が右肩上がりのときまでで、日本のGDPが停滞から低下し始めれば、いつまでもおしゃぶりはできない。
とうとうJALは約8000億円の債務超過に落ちいって倒産することになってしまった。

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 法的整理でJALはずいぶん身軽になるはずだが、それでも注意は怠れない。国際路線は競争が厳しくディスカウント・チケットが当たり前だから、国際路線で黒字を出すのは並大抵のことではない。
峰崎副財務相が「際航路は全日空に譲渡しろ」というのは、国内のディスカウントの少ない守られた採算のいい路線だけ残せば、JALが優良企業になることが確かだからだ。

 だがそれではナショナル・フラッグとしての誇りはなくなってしまう。国内のローカル路線だけでは、かつてのJASと同じになる。
国際線を残せば赤字が増え、国内線だけでは誇りが許さない。
法的整理でもJALの前途はかなり不透明だ。

 

 

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