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(21.12.6) 世界経済の七不思議 日本国債のレートはなぜ低い

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 おそらくこれほど魔か不可思議な現象はないとも思われる。
日本国債の利回りが世界のどの国の国債の利回りよりも低位にあって、一方政府の債務残高の推移は対名目GDP対比、先進国では断トツに高い

本政府は国債を自由勝手に増やすが、だからと言って市場は易々諾々とその低金利の国債を購入する、なぜだ?」

 かつて格付機関ムーディーズは軽蔑をこめて言ったものだ。
日本国債のGDPに対する比率は許容限度を越えた。これではボツワナレベルの格付がせいぜいだ2002年のことである。

 しかしその後も日本国債は売れ続け、利回りはどこの国よりも低位で安定してきた。
ムーディーズの馬鹿がとちりやがって
市場からクレームが付き始めたので、ムーディーズはあわてて「日本の対外債権や国内預金の多さから見ると、ボツワナレベルは間違いだった。イタリア並だ」と訂正した。2009年のことである。

 しかしムーディーズならずとも、この日本国債の強さは信じられないだろう。
現在利回りは1.5%前後だが、他の先進国は軒並み3.5%前後だし、高金利政策をとっている豪州やニュージーランドは6%前後、経済に赤信号が付いている南アフリカは10%前後になっている。
日本国債はオリンピックならば断トツの金メダリストといえる。

 一方、政府債務残高の推移は赤字国債の発行増で急激に悪化しており、アメリカやヨーロッパ主要国がGDP比せいぜい100%程度なのに、日本は200%と他を寄せ付けない悪さだ。
先進国の中でイタリアだけが150%だから、ムーディーズが日本をイタリア並みに評価したのもうなずける。
Image03_2

 だがそれでも日本国債の市場評価はゆるぎない。
リチャード・クー氏が「心配するな。赤字国債をいくらでも発行して、経済の底上げを図れ」とはっぱをかけるのもうなずける。

 日本国債が世界最強である理由は通常以下のように説明される。

① 日本国債の購入者は国内の機関投資家であり、日銀の低金利政策により1.5%前後でも十分に利ざやが取れるので、あえてリスクテイクな投資をしない(ゆうちょ銀行が典型的にそれで177兆円の貯金の約80%を国債運用にまわしている

② 日本は経常黒字国で、常に金余りの状態にあり個人貯蓄も約1500兆円と断トツに多い。いわば金の使い道に困っている状態なので、国債運用でも運用がないよりはまし。

③ 日本の国民が日本政府を信用し、国がよもやハイパーインフレ政策をとって国債の価値をゼロにするようなことはないと思っている。


Image04_2  

 以上のようだと、日本政府が低金利政策をとる限り、また経常収支が黒字である限り、また財務省と日銀がへまをしない限り、日本国債は売れ続け、世界最強の国債でいられることになる。

だから言ったろう。赤字国債をいくら発行しても日本は大丈夫なのだ。45兆円でも、50兆円でも発行しろリチャード・クー氏の雄たけびが聞こえるようだが、日本は世界の目から見るとえたいの知れない国と写るだろう。
まさに世界経済の七不思議なのだ。

注)日本人の行動パターンはグリーンスパンも理解の限度を越えていたらしい。「利回り1%の10年国債を進んで買う投資家は、日本人以外にはいない」とあきれ返っていた

 

 

 

 

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評論 日本の政治・経済 国債」カテゴリの記事

コメント

金の使い道に困っているというのに、税収不足という政府もまた不思議なり。
こちらも事情で郵貯から「ちょっと預金を国債に切り替えてみませんか?」と手紙が来てます。
国有化の流れで、外国に売却されるという不安は解消しましたが。(私もマスコミに踊らされてるのかな)

それにしても、ヤフーゆうパックの価格は、殆どダンピングじゃないのか、と思えるほどの低価格ぶりでした。
数ヶ月前に終了したのは採算性より、JPエクスプレスへの移行のためだったのでしたか。
西川さんが、郵政族の選挙対策についてはあまり言及しなかったのも、もしかしてマスコミの隠匿?
などと幅広く考えさせられる一連の論述、です。

投稿: 横田 | 2009年12月 6日 (日) 13時34分

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