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(2112.30) 09年10大予想の結果報告 その2

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 09年度10大予想NO4からNO6までの予実分析を以下に記載する。
実はこの予想の中でもひどいおおはずれになったのがここで、本当はそっと記事を抹消したいくらいなのだが、それをしたら未来がないので、恥を忍んで記載する。

④ 原油価格は30ドル前後。穀物価格もバブル発生前の価格に戻る

 原油に対する需要はGDPの落ち込みと同程度落ちる。一部に言われているイスラエルとアラブの全面戦争は起こらない。従って原油の価格が上昇する要因はない。原油価格で経済運営をしてきたオペックおよびロシアの経済は低迷する。
また穀物価格も投機資金が剥げ落ちるのでバブル発生前の水準(現在の半値程度)に戻る。

(結果)
 30ドル台だったのは3月頃までで、4月が40ドル、9月に65~75ドル、10月に入り80ドルになってしまい、ゴールドマン・サックス100ドル台が見えてきたといっている(ゴールドマン・サックスそう言っているということは、そうするということと同じ)。
また穀物価格もバブル発生前の1.5倍から2倍程度で推移しており、これは09年1月時点の価格とほぼ同じで、価格が低下したとはいえない(なおバブル時には約3倍値上がりしていた)。

 イスラエルとアラブの戦争は起こっておらず、またロシア経済は低迷し、オペック周辺ではドバイ経済が崩壊したが、オペック全体で低迷しているとはいえない。

(評価)
 各国の金融緩和策によって、市場に資金があふれており、原油や穀物に対し投機資金が流れている。
私の基本的認識間違いは金融の大幅緩和が新たな物バブルに移行することを読めなかったことで、実体経済だけの分析の限界を露呈してしまった。
たとえ実態がどんなに悪くても金が有り余ればものの値段が上昇するというのが市場経済というものだ。 

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⑤ 円高は70円程度まで進む。

 オバマ政権の大量のドル供給によってドルは常にドル安圧力にさらされる。資金は相対的にまともな経済運営を行なっている日本に集中して70円程度まで円高は進む。多くの輸出産業は国内では成り立たなくなるため国外での生産に比重を移す。輸入産業は大幅な利益が出る。

(結果)
 09年11月末のドバイショックで一時的に84円台まで円高になったののの、70円になることはなかった。
日本経済運営が相対的にまともかどうかも疑義があり、特に国債発行残高はどの先進国よりも多い。

 輸出企業は中国の経済回復に伴い業況は改善しているが、設備投資は中国をはじめとする国外にシフトして、国内での生産は現行の設備の範囲内で十分できる。
輸入産業は相対的に収益が上がっている。

(評価)
 基本的な方向感は正しいが、予測に書いたようにはドラスチックな経済状況にはなっていない。
ドバイショックのような問題が起こると円にシフトする傾向があるが、落ち着くと再びドルに回帰している。

 長期的な展望としては正しいが、短期の経済予測としては失敗してしまった。
 

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⑥ 市場万能主義に歯止めがかかる。

 オバマ政権もサルコジのEUも自由すぎる市場に歯止めをかける。特に投資銀行ヘッジファンドレバレッジを現行の原則無制限(実際は30倍程度)を商業銀行並みの11倍に抑える。
これにより市場のかく乱要因は大幅に低下する。

(結果)
 オバマ政権は国家資金が投入された先の役員報酬に上限を設け、またヘッジファンドを登録制にしようとしているが、上院共和党の抵抗が激しく実現を見ていない。
唯一の成果はイギリスとフランスで、国家資金が投入された金融機関のボーナスが多額(約350万円)になった場合、税金を科す制度が設けられただけ。

 商業銀行も投資銀行も以前より保守的な運用をするようになっているが、再びコモディティバブルが発生しており、ゴールドマン・サックスヘッジファンドの生き残りがリーマン・ショック以前と同じ行動をとるようになってきた。

(評価)
 人類は英知があり、二度とバブルを発生させないような措置を取ると思っていたが、まったくの期待はずれになっている。
特にアメリカでは住宅バブル崩壊をコモディティバブルで補おうとしており、金融緩和策が継続される限り、この傾向は変わらない。

 人類の英知に期待した私が愚かだった。

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