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(21.12.21) 不正経理は犯罪の温床 千葉県農林部と土木部の怪

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 12月18日、森田千葉県知事不正経理追加調査の結果を発表した。
これによると不正経理はさらに7億円増えて都合37億円になるのだと言う。この数字は都道府県のなかでも突出して大きい。

 従来の調査に比較し、今回は対象期間を広げ、また前回は事務用品購入代だけの調査だったのを、賃金、旅費、業務委託費、預金通帳の調査も行い、預金通帳と業務委託費の不正経理を新たに発見したのだと言う。

 なぜこのような不正経理が後をたたないかと言うと、未消化の予算を隠すためである。通常予算請求はめ一杯に行うため、実際問題として未消化になることが多い。
本当は未消化になったものは不必要な予算だから返却するのが筋なのだが、そのようなことをする担当者は役人の世界では無能と言われる。

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 なにしろ散々理由付けをしてようやく確保した予算枠だから、「自分たちのもの」で、なんとしても使ったそぶりを見せなければならない。
よくあるのは支払いを本年度予算で行い、納入を来年回しにする方法である(とりあえず必要と思われるものを買ってしまう措置)。
もちろんこの反対の納入を本年度して、支払いを翌年度に回すことも多い(金がないが必要なものを買ってしまう措置)。

 前者であれば単に納入が遅れるだけだが、後者の場合、翌年度の予算確保に失敗したら払う資金がなくなる。
そうなると契約不履行で裁判沙汰にでもなったら大変なので、担当部署では預けという方法を編み出した。
未消化の予算を架空伝票を切らせて業者に預かってもらう方法である。

パソコンを納入してくれないかな。支払いは預けから落とすよ
業者はお金を担保してあるのでいくらでも県の言うことを聞いて、納入してくれる。
こうして預けを使用して担当者は自由自在の資金操作が可能になる。

 これは明らかに不正経理だが、当初は予算と実務との齟齬を埋めるいわゆる潤滑剤と担当者も業者も認識していたはずだ
そうでなければ県全体でこの預けが横行するはずがない。
そしてこうした行為を上手に行っていた職員が出世したろうことも予想できる。
いやー、Aさんのおかげで必要な備品がすぐに揃うし、助かる

 だがしかし、こうした不正経理、分けても預け犯罪の温床になりやすい。
なにしろ県の正式な帳簿に載っておらず、いわば私的に管理しているのだからまわりからチェックが一切効かない。

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 不正経理は担当者も表面化すると指弾されるのは分かっているので、少人数の職員がこっそりと処理するのが普通だ。
上司は「今度宴会があるので、少しまわしてくれないか」とか「ゴルフコンペの費用が足りないんだ」とかいってたかることはしても、詳細な書類チェックをすることはない。

上司がゴルフ接待で預け金を使用するなら、俺だって着服してもいいだろう

 不正経理は県全体に蔓延したが、中でも県農林水産部県土木整備部を中心に横領が横行するのには理由がある。
いずれも予算規模が大きく予算の未消化が発生しやすい部局で、不要な公共投資の温床となっており、必要のない予算を伝統的に確保できる部局である。

 本来は予算は弾力的に配分されるべきだが、実際は前年度実績が最も重要になる。だから過去に多くの予算措置があった部局に多くの予算が配布される。その結果こうした部局は予算をすべて使ったように見せる不正経理が横行する。

 一方福祉や環境のように本当に予算不足の部局も発生するが、前年度踏襲型の予算配分では予算不足に悩まされる。


 千葉県で不正経理が多発する一番の原因は、予算が前年度踏襲型の硬直した予算措置のためであり、結果として公共投資消化部署土木整備部、農林水産部等)に不要な予算が配布されているためである。

注)他の自治体でもこうした構造を持っている場合は必ず不正経理が存在する

 森田知事は今回前任者の堂本知事にも1000万円の返還金を要請するようだが、堂本前知事がこうした硬直化した予算に切り込みをせず、その結果不正経理を横行させたことは確かだから当然の措置だろう。

 それにしても横領職員の一人は預け金から約400万円相当の電化製品を購入し、自宅で使用していたのだが(本人は処分したと言っているので、中古センターに換金したのかもしれない)、適切な予算編成ができないと、資金が有り余ってしまう部局が発生し、結果的にネコババの温床になるのは当然の事といえよう。

 

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