(21.12.20) 企画のたまご屋さん その2
企画のたまご屋さんのプロジュースをしているKさんから、出版のための企画書をかくように言われてから早2ヶ月が過ぎてしまった。
Kさんはここおゆみ野で読書会のメンバーの一人だが、以前自らも著書を商業出版し、また現在その続編を出版する計画があると言う。」
私はブログを毎日書いている身で、このブログの自由さというものが大変気に入っている。だからあえて本にしようとする気はなかったのだが、Kさんの熱気が伝わってしまった。
「いいですよ、ロドリゴ巡礼日誌を再編集して、本の体裁に変えてみましょう」いつもの安受けあいだ。
しかし企画書を書く段になって驚いた。
私は企画書なるものは本の概要が分かればいいのだと思っていたが、実際は出版社の職員が上司に出版計画を書くような代物だと気づいた。
本の題名や概要を書くのは分かるがそれ以外に以下の内容を書かねばならない。
① キャッチコピー(自分でキャッチコピーを考えなければならない)
② 企画意図(なぜこの本を出すことが今必要かを述べなければならない)
③ 企画の背景(自分自身が本を出すのに十分な条件や資格があることを説明しなければならない)
④ 読者ターゲット(ターゲット層を絞ることが要求される)
⑤ 類書(類書をどれだけ研究しているかのレポート)
⑥ 類書との差別化(なぜこの本が類書より優れているかの説明)
⑦ この本を製作するための有利な条件(すでに著者として著名だと言うようなこと)
⑧ 構成案(本の目次の構成)
うなってしまった。はったりや自己PRを恥ずかしげもなく書かなければならない。
「うぅーん、止めようか!!!!」気弱になった。
しかし、まあ乗りかかった船だ。何とか企画書を書いてみることにした。
注)以下のURLをクリックすると私の書いた企画書原案を見ることができます。ただし自己PRが過ぎており、恥ずかしいので企画書を書こうとする意図のある人以外は見ないこと。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/shiryou/2009/12/211219-75ac.html
話を聞くと出版業界はひどい不況で、そのために次々に本を出版しなければならないのだそうだ。通常は不況だと出版件数が少なくなると思われるが、出版業界の特殊な慣習が、かえって新書を増加させているのだと言う。
私は出版業界に詳しくないので、聞いた話をそのまま記すと、出版社が取次店に新刊の配布を依頼すると、その段階で取次店から金が支払われる(前渡し金のようなもの)。
もっとも売れなければ返品になり、返品に応じた金額は返金しなければならないのだが、また新刊をだして前渡し金を入手して、返品相当額の返済をするということのようだ。
そのため、前渡し金を入手するための自転車操業のような新刊発行が常態化しているのだそうだ。
注) 出版不況で出版冊数は減少。平成9年がピークで約16億冊、現在は14億冊。
一方新刊本は6万件から8万件に増加している。
なお、返品率は平均して40%程度だそうだ。
「うぅーん、それでは私の出版がうまくいったとしても、すぐに返本され前渡し金の餌食か」考え込んでしまった。
当初は企画書だけ書いて、出版社から依頼があれば完成原稿を作るつもりだったが、Kさんから1月下旬までに完成原稿見本を作るように言われてしまった。
「オーダーがあったときに完成原稿があるほうがいいのですよ」
「しかし無駄骨になってしまいそうだな・・・・・・」気持ちがナーバスになった。
だがあまり悲観的になるのはよそう。こうした経験はあまりないのだから、企画書にもとづいてとりあえず完成原稿を作って見ることにした。
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コメント
本が出来上がったらぜひ1冊購入したいです。
(山崎) 良かった。これで一冊だけは販売先が確保できた。
投稿: ジェーン・エア | 2009年12月20日 (日) 22時16分