« (21.12.15) 鳩山首相の不思議な戦略 なぜかくも優柔不断なのか | トップページ | (21.12.17) GDP改定値の怪  なぜ大幅下方修正になったのか »

(21.12.16) 日米密約文書は破棄された

2012_017

 岡田外相日米密約文書の捜索命令は、どうやら外務省サボタージュで出てこない可能性が高い。
密約をうかがわせる草案や討論議事録はでてきても、日米双方の責任者が署名した極秘文書なるものはすでに破棄されているようだ。

 日米密約文書とは以下の4種類を言い、60年の日米安保改定時と、72年の沖縄返還時に交わされた文書で、主としてアメリカ軍の核持込を黙認することと、朝鮮半島有事の際、米軍の出動を事前協議の対象からはずすことがポイントとなっている。

 読売新聞によれば密約の内容と現在まで判明した結果は以下のように整理されていた。

外務省調査結果のポイント

 ▽日米安保条約改定時の核持ち込み密約は、根拠とされる討論記録の草案を発見

 ▽朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動密約は、根拠とされる議事録を発見

 ▽沖縄返還時の有事核持ち込み密約の根拠文書は見つからず

 ▽沖縄返還時の補償費肩代わり密約の根拠文書は見つからず

2012_007

 上記の密約について外務省は一貫して存在しないと説明してきたが、01年の情報公開法施行前に密約文書はすべて破棄したようだ。
まずい、今まで存在しないと言ってたのに、密約文書が出てくれば外務省はマスコミから袋叩きにあう。署名文書はすべて廃棄しろ

 最近、上記の密約のうち「沖縄返還時の補償費肩代わり密約」について当時の外務省アメリカ局長吉野文六氏が、法廷で自ら署名したとの証言をしている。

注)本件は71年当時、「補償費肩代わり密約文書」の存在をすっぱ抜いた元毎日新聞記者西山太吉氏が国家公務員法違反で逮捕起訴されたが、それが冤罪だったとの裁判を東京地裁で争っている。
この裁判で吉野氏が密約文書の存在を証言した。


 結局この密約文書の問題は、「あったことは確からしいが、明確な証拠となる署名文書は発見できなかった」という結論になる可能性が高い。
原則主義者岡田外相としては憤懣やるかたない結論になりそうだが、個人でも国家でも人に隠しておきたいことはあるのだから、すべてが白日の下にさらされるのがすべて良しということにはならない。

2012_002

 この問題でワシントンポストは「鳩山政権の下で日米同盟関係の均衡が崩れている」と警鐘を鳴らしている。
日米関係は最も親密な二国間の同盟関係だ」というのは政治的なリップサービスにすぎないことは確かだが、「日米関係は最も最悪な二国間の同盟関係だ」といわれるよりはましだ。

 どうやら「あえて日米関係を悪化させるよりは」と、外務省が大人の知恵で署名文書を破棄したことが実態のようだ。
外交とは密約が付き物なのだから、「さすがは外務省」と私などは思ってしまう。

|

« (21.12.15) 鳩山首相の不思議な戦略 なぜかくも優柔不断なのか | トップページ | (21.12.17) GDP改定値の怪  なぜ大幅下方修正になったのか »

評論 日本の政治・経済 密約文書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (21.12.15) 鳩山首相の不思議な戦略 なぜかくも優柔不断なのか | トップページ | (21.12.17) GDP改定値の怪  なぜ大幅下方修正になったのか »